一年の作業を月で見る
キキョウは宿根草なので、一年の作業は芽が出る春から地上部が枯れる秋までに集中します。表の月は関東平野部の露地を基準にしているので、寒冷地なら半月ほど遅く、暖地なら半月ほど早く読み替えます。月より株の姿を優先して判断してください。
作業の中で外せないのは四月の芽出し肥、七月の切り戻し、十月以降の地上部の片づけの三つです。この三つさえ押さえれば花は毎年咲きます。摘心(先端の芽を摘んで枝を増やすこと)や株分けは、株の姿と年数を見て必要なときだけ行えば十分です。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 休眠株の植え付け・株分け | 芽が動く前に済ませる |
| 4月 | 芽出し肥・ポット苗の植え付け | 新芽が五センチのころ |
| 5月 | 摘心・支柱立て | 草丈三十センチが目安 |
| 6月 | 一番花の開花・花がら摘み | 梅雨の雨よけを考える |
| 7月 | 切り戻し・お礼肥 | 一番花の八割が終わったら |
| 8月 | 水やり・肥料は休む | 朝に一回、夕方に確認 |
| 9月 | 二番花の開花 | 花がら摘みを続ける |
| 10月 | 枯れ上がり・種取り | 葉が黄色くなったら水を減らす |
| 11月〜2月 | 休眠・地上部を切る | 鉢は月二〜三回の水やり |
春の作業
三月は地中で芽が動き始める前の最後の作業時期です。株分けや植え替えはこの時期に済ませます。四月に芽が地面から出てきたら、緩効性肥料を置いて新芽を太らせます。芽が細く多すぎるなら、太い芽を三〜五本残して間引くと一本一本が充実します。
- 三月の株分け
- 植えて三〜四年たった株は、芽が動く前に掘り上げて芽を二〜三個ずつ付けて分けます。太い根を折らないよう注意します。
- 四月の芽出し肥
- 芽が出そろったら緩効性肥料を株元に置きます。芽の数が多すぎるなら細い芽を地際で摘み取ります。
- 五月の摘心
- 草丈三十センチのころ先端を摘むと枝数が増えて背が低くまとまります。矮性種は不要です。
芽の数が多いほど花は小さくなります。大輪で咲かせたいなら芽を三本、花数を取るなら五本残すのが目安です。
梅雨から夏の作業
六月に一番花が咲き始めます。梅雨の長雨は根腐れと花の傷みの原因になるので、鉢植えは軒下へ移します。七月中旬に切り戻して二番花の準備をし、八月は肥料を止めて水やりだけを続けます。真夏の西日が強い場所では、鉢を午後だけ日陰になる場所に動かします。
梅雨明け後の一週間は、急に強くなる日差しで葉が焼けやすい時期です。鉢を日なたに置いたままなら、午後だけ日陰になるよう位置を変えます。庭植えは水切れの心配が少ないので、朝に土を触って乾いていれば夕方に与える程度で足ります。
| 時期 | 庭植えでやること | 鉢植えでやること |
|---|---|---|
| 6月上旬〜中旬 | 花がら摘み・倒れ防止の支柱 | 軒下へ移して雨を避ける |
| 7月中旬〜下旬 | 切り戻しとお礼肥 | 切り戻しとお礼肥・水切れ確認 |
| 8月 | 晴天が続けば夕方に水 | 朝の水やり・午後は半日陰へ |
秋から冬の作業
九月に二番花が咲き、十月には葉が黄色くなって休眠に向かいます。種を取るなら数個の花を残し、さやが茶色く割れ始めたら採ります。地上部が完全に枯れたら地際で切り、腐葉土を薄く敷いて冬を越させます。鉢植えは凍らない場所で乾かし気味に管理します。
寒冷地では地上部が枯れたあと、株元に十センチほど腐葉土か落ち葉を厚くかけて凍結を防ぎます。関東平野部の露地なら薄くかける程度で越冬できますが、鉢植えは土が凍ると根が傷むので、軒下か北風を避けた場所へ動かします。
- 種の採り方
- さやが茶色くなり先端が割れ始めたら茎ごと切り、紙袋で乾かします。種は細かいので袋の中で振り出します。
- 地上部の片づけ
- 茎が完全に枯れてから地際で切ります。緑が残るうちに切ると翌年の芽が弱くなります。
- 鉢の冬越し
- 鉢は軒下か北風の当たらない場所へ。土が乾いたら暖かい日の午前に少量の水を与えます。
時期を外したときの立て直し
作業の時期を逃しても、株の姿を見て次の時期に回せば取り返せます。切り戻しを八月に入ってからしてしまったなら二番花はあきらめ、翌春に向けて株を休ませます。株分けを春に忘れたなら十月の枯れ上がり直後にもできます。
どの作業も、月ではなく株の姿を見て決めるのが本筋です。芽の長さ、つぼみの数、葉の色を目安にして、表の月は前後二週間の幅で読んでください。記録を付けておくと、翌年は自分の庭に合った時期がわかります。
| 逃した作業 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 五月の摘心 | 背が高くなり倒れる | 支柱で支え、来年は時期を守る |
| 七月の切り戻し | 二番花が咲かない | 九月に地上部を軽く整え翌春に備える |
| 三月の株分け | 芽が混み合い花が小さい | 十月の枯れ上がり後に分ける |
| 秋の地上部の片づけ | 枯れ茎から病気が出る | 見つけ次第切って処分する |
キキョウの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
キキョウの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキキョウの育て方にまとめています。
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