一日二回のすすぎが基本
浸水を終えてからは、朝と夜の一日二回、水ですすいで完全に切る作業を繰り返します。これがもやし作りのほとんどすべてで、この回数を守れるかどうかで結果が決まります。夏は三回に増やします。
すすぎには二つの役目があります。豆の周りにたまる雑菌と、豆自身が出す熱を洗い流すことです。放っておくと容器の中が温まり、蒸れて傷みます。冷たい水で流すと熱も取れます。
| 時期 | すすぎの回数 | 注意 |
|---|---|---|
| 春と秋 | 朝と夜の2回 | 基本の回数 |
| 夏 | 朝・昼・夜の3回 | 熱がこもりやすい |
| 冬 | 朝と夜の2回 | 水が冷たすぎると生育が遅れる |
すすぎ方と水の切り方
容器に水をたっぷり注ぎ、軽く揺すって濁った水を捨てます。これを二回繰り返し、最後に容器を傾けて水を完全に切ります。強く振ると伸びた芽が折れるので、揺するのはやさしく行います。
水を切ったあとに底へたまる数滴が、傷みの入り口になります。ざるに載せる、瓶を斜めに立てかけるなど、水が自然に落ちる置き方をしておくと、次のすすぎまで安心して置けます。
- 水を注いで揺する
- 容器いっぱいに水を注ぎ、手でやさしく揺すります。強く振ると伸びた芽が折れて、そこから傷みます。
- 濁った水を捨てる
- 白く濁った水を捨て、もう一度きれいな水で同じことを繰り返します。二回で十分きれいになります。
- 傾けて置く
- 水を切ったあと、容器を斜めに立てかけるかざるに載せて、残った水が落ちる状態にして戻します。
冷たすぎる水は生育を遅らせます。冬は少しぬるめの水を使うと、日数が短くなります。
光を完全に遮る
もやしが白く柔らかく育つのは、光を当てないからです。少しでも光が入ると、芽の先が緑色になり、苦みが出て食感も固くなります。段ボールをかぶせるか、戸棚の中に入れて完全に暗くします。
すすぎのときに数分光に当たるのは問題ありません。作業を終えたらすぐ暗い場所に戻します。透明な容器を使う場合は、アルミホイルや布で外側を包むと確実に遮れます。
- 段ボールをかぶせる
- 容器に段ボール箱をかぶせるか、戸棚の奥に置きます。隙間から光が入らないか一度確かめます。
- 透明容器は包む
- ガラス瓶を使う場合は、外側を布やアルミホイルで包みます。光が入ると先端から緑色になります。
- 作業後すぐ戻す
- すすぎのあとは手早く暗い場所へ戻します。数分の明るさなら影響はほとんどありません。
重しをのせると太くなる
店で売られているもやしが太くまっすぐなのは、育つ間に上から圧をかけているからです。家庭でも、清潔な皿や水を入れた袋を軽くのせておくと、押し返す力で茎が太くなります。
重しは豆の重さと同じくらいから始め、様子を見て加減します。重すぎると伸びが止まり、軽すぎると効果が出ません。細くても構わないなら、重しなしでも十分おいしく育ちます。
重しをのせるのは、根が一センチほど伸びた三日目からで構いません。伸び始める前からのせると、芽が持ち上がれずにそろわなくなります。のせたあとも一日二回のすすぎは同じように続けます。
| 目的 | 重しの目安 | できあがり |
|---|---|---|
| 市販品のように太く | 豆と同じ重さ | 太くまっすぐ。歯ごたえが強い |
| ほどよく | 軽い皿を一枚 | やや太い。扱いやすい |
| 手軽に作る | なし | 細めで柔らかい |
夏と冬で変える点
夏はとにかく雑菌との勝負になります。すすぎを三回に増やし、涼しい場所に置き、できあがりまでの日数も短くなるので早めに収穫します。冬は逆に、暖かい場所を探すことが仕事になります。
冬に十五度を下回る場所しかない場合は、日数が十日近くかかります。それでも育ちますが、途中で傷むおそれが増えるので、暖房の効いた部屋の隅など、少しでも温かい場所を選びます。
| 時期 | 置き場所 | すすぎと日数 |
|---|---|---|
| 夏 | 涼しい戸棚。直射日光を避ける | 3回すすぎ。4〜5日 |
| 春と秋 | 室内の暗い場所 | 2回すすぎ。5〜7日 |
| 冬 | 暖房のある部屋の隅 | 2回すすぎ。7〜10日 |
夏に涼しい場所が見つからないときは、量を半分に減らして仕込みます。容器の中が混み合わないだけで、傷みがはっきり減ります。
途中で傷んだときの見分け方
育てている途中でぬめりが出たり、酸っぱい匂いや腐ったような匂いがしたら、雑菌が増えています。においは最も分かりやすい合図で、少しでもおかしいと感じたら、その回は捨てて作り直します。
軽いぬめり程度なら、すすぎを丁寧にして回数を増やすと持ち直すことがあります。ただし匂いが出た段階では戻せません。食べられるかどうか迷ったときは、食べない方を選びます。
| 症状 | 考えられる原因 | 判断 |
|---|---|---|
| 軽くぬめる | 水の切り残し | すすぎを増やして様子を見る |
| 酸っぱい匂い | 雑菌が増えた | 全部捨てて容器を洗い直す |
| 茶色く変色する | 蒸れと高温 | 捨てる。涼しい場所で作り直す |
| 先端が緑色 | 光が入った | 食べられるが遮光を直す |
捨てるときは容器を洗剤で洗い、熱湯を回しかけてから次を仕込みます。菌が残ったままだと同じことが繰り返されます。
もやしの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
もやしの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はもやしの育て方にまとめています。
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