一週間で終わる短い栽培
もやしは仕込んでから五日から七日で食べられます。畑も土も使わず、季節も選ばないので、思い立った日に始められるのが最大の利点です。作業は一日二回のすすぎだけで、一回一分もかかりません。
日数は温度で変わります。二十度から二十五度の部屋なら五日から六日、冬の寒い場所では十日近くかかります。日数で決めるより、長さと太さを見て収穫を判断するほうが確実です。
| 時期 | 気温の目安 | 収穫までの日数 |
|---|---|---|
| 夏 | 28度前後 | 4〜5日 |
| 春と秋 | 20〜25度 | 5〜7日 |
| 冬 | 15度以下 | 7〜10日 |
日ごとのやることカレンダー
浸水を始めた日を一日目として、その後の様子とすることを並べました。二十度から二十五度の室内を目安にしています。寒い場所ではこの表より二日から三日遅れると考えてください。
毎回の仕込みで、始めた日と収穫した日、そのときの部屋の温度を書き残しておくと、次から日数の見当がつきます。同じ台所でも季節で三日は変わります。
| 時期 | 見えること | すること |
|---|---|---|
| 1日目 | 豆を水に浸ける | 8〜12時間浸けて水を切る |
| 2日目 | 豆が割れて白い根が出る | 朝と夜にすすぐ |
| 3日目 | 根が1センチほど伸びる | すすぎ。重しをのせるならこの日から |
| 4日目 | 3センチほどに伸びる | すすぎ。容器の中の熱を確かめる |
| 5日目 | 5センチ前後になる | 夏はここで収穫できる |
| 6〜7日目 | 7〜8センチ。豆の皮が外れ始める | 収穫。冷水で皮を流す |
| 8日目以降 | 根が細かく枝分かれする | 苦みが出る。早めに収穫する |
一日目と二日目が肝心
仕込んだ最初の二日で、その回の成否がほぼ決まります。浸水の時間を守り、水を完全に切り、暗く適温の場所に置く。この三つができていれば、あとは同じことを繰り返すだけで仕上がります。
二日目に白い根が見えてきたら順調です。この時点でぬめりや匂いがあれば、その先で良くなることはないので、早めに作り直す判断をした方が時間を無駄にしません。
一日目に浸ける水の量は、豆が完全にかぶってなお指一本分ほど上にある程度が目安です。豆は水を吸ってふくらむので、少ないと途中で水面から出てしまい、その部分だけ発芽しません。
- 一日目の夜に浸ける
- 洗った豆を三倍量の水に浸け、暗い場所に置きます。翌朝に水を切るちょうどよい時間になります。
- 二日目の朝に水を切る
- ざるにあけて完全に水を切り、容器に戻して暗い場所へ。この日から一日二回のすすぎが始まります。
- 二日目の夜に確かめる
- 匂いをかいで、酸っぱさやぬめりがないかを見ます。順調なら白い根が少し見えているころです。
五日目からは毎日見る
五日目に入ると一日で目に見えて伸びます。長さ五センチから八センチ、太さが十分になったところが収穫のころで、この判断は日数ではなく見た目で決めます。伸ばしすぎると根が枝分かれして苦みが出ます。
この時期は容器の中が混み合って熱を持ちやすくなります。すすぐときに手で触れて温かいと感じたら、すすぎを一回増やすか、涼しい場所へ移します。
| 状態 | 見えること | 判断 |
|---|---|---|
| 長さ5センチ・細い | まだ伸びる | あと1〜2日待つ |
| 長さ7センチ・太い | 食べごろ | 収穫する |
| 根が枝分かれする | 伸ばしすぎ | すぐ収穫する。苦みが出始める |
| 先端が緑色 | 光が入っている | 遮光を直し、すぐ収穫する |
予定が狂ったときの立て直し
外出などですすぎを一回抜かしても、すぐに全部だめになるわけではありません。次のすすぎを丁寧にして匂いを確かめ、異常がなければ続けられます。二回続けて抜かすと、たいてい傷みます。
収穫のころに手が離せない日が来ると分かっている場合は、冷蔵庫に移して伸びを止める手があります。低温では生育がほぼ止まるので、一日か二日なら待たせられます。
| 場面 | 起きること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| すすぎを1回抜かした | ぬめりが出やすくなる | 次を丁寧にすすぎ匂いを確かめる |
| 2回続けて抜かした | 酸っぱい匂いが出る | 捨てて作り直す |
| 収穫の日に手が離せない | 伸びすぎる | 冷蔵庫に移して伸びを止める |
| 夏に暑い部屋に置いた | ぬめって傷む | 涼しい場所へ移しすすぎを3回に |
もやしは一週間で作り直せます。迷ったら続けるより、捨てて仕込み直す方が結局は早く食べられます。
続けて作るための段取り
一回に作れる量は限られるので、切らさずに食べたいなら二つの容器をずらして仕込みます。三日ずらせば、片方を収穫するころにもう片方が育ち始めている形になり、途切れずに続きます。
容器は収穫のたびに洗剤で洗い、熱湯を回しかけてから次を仕込みます。前の回の菌が残っていると、次の回も同じところで傷みます。ここを省かないことが、長く続けるこつです。
| 目的 | 仕込み方 | できること |
|---|---|---|
| 切らさず食べる | 容器を2つ、3日ずらして仕込む | 常にどちらかが収穫できる |
| ときどき作る | 食べたい日から6日前に仕込む | 無駄が出ない |
| たくさん作る | 大きい容器1つより小さい2つ | 蒸れにくく失敗が減る |
二つの容器を使うときは、それぞれに仕込んだ日を書いた紙を貼っておきます。数日ずれると、どちらがいつのものか分からなくなります。
もやしの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
もやしの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はもやしの育て方にまとめています。
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