追肥は間引きに合わせて二回
食用ビーツは肥料が多すぎると葉ばかり茂り、根が太りません。追肥(育ちの途中で足す肥料)は二回の間引きに合わせて入れる程度で十分です。一回あたり化成肥料を一平方メートルに三十グラムほどにします。
肥料は畝の肩か通路側にまき、株元には直接かけません。根が浅いところを横に走っているので、株元に置くと肥料が濃く当たって傷みます。
| 時期 | 作業 | 肥料の量 |
|---|---|---|
| 本葉2枚 | 一本に間引く | 追肥は不要 |
| 本葉4〜5枚 | 株間10〜12センチに広げる | 1平方メートルに30グラム |
| 根が直径3センチ | 仕上げの追肥 | 1平方メートルに30グラム |
水は乾かしすぎず、やりすぎず
食用ビーツは土がからからに乾いたあと急に雨が降ると、根が内側から膨らんで割れます。逆にいつも湿っていると根が腐るので、表面が乾いたらたっぷり与える形が一番安定します。
とくに根が太り始める時期は水の影響が大きく出ます。乾きが続く週は畝の様子を毎日見て、ひび割れる前に与えてください。天気予報でまとまった雨が来るとわかっているときは、その前に軽く与えておくと差が小さくなります。
- 表面の乾きで判断する
- 畝の表面が白く乾いてきたら水やりの合図です。指を二センチ差し込んで湿り気がなければ、その日のうちに与えます。
- 一度にたっぷり
- 与えるときは畝の下まで届く量を一度に与えます。少量を毎日繰り返すと根が浅くしか張らず、乾燥に弱くなります。
- 敷き藁で守る
- 株元に藁や刈った草を敷くと、土の乾きが緩やかになります。水の変化が小さくなるので割れも減ります。
プランターで作る場合は乾きが早いので、深さ三十センチ以上の容器を選び、朝に土を見る習慣をつけてください。
土寄せで肩の変色を防ぐ
根が太ってくると肩の部分が土から出てきます。そのままにすると日に当たって皮が固くなり、色も濃く変わります。追肥のときに土寄せ(株元に土を寄せること)をしておけば防げます。
寄せる高さは肩が隠れる程度で十分です。葉の付け根まで埋めると芯が腐るので、葉が土から出ているかを確かめながら手で寄せてください。
- 肩が見えたら寄せる
- 根の上のほうが土から顔を出したら、周りの土を手でかき寄せます。二回目の追肥と同時にやると手間が一度で済みます。
- 葉の付け根は埋めない
- 葉の付け根まで土をかけると、そこから腐ることがあります。土は肩が隠れるところまでで止めてください。
- 藁を足す
- 土寄せのあとに藁を足すと、土が雨で流れて肩がまた出るのを防げます。乾燥対策にもなり一石二鳥です。
- 雨のあとに見直す
- 強い雨が降ると寄せた土が流れて肩がまた出ます。雨のあとは畝を見回り、出ている株だけ手で寄せ直してください。
葉の色で肥料の過不足を読む
食用ビーツの葉は赤い葉脈が特徴ですが、色の出方で状態がわかります。葉が小さく色が薄いなら肥料切れ、葉が大きく茂りすぎているなら肥料が多すぎる合図です。
葉が茂りすぎたときに肥料を減らしても、すでに入った分は効き続けます。次のまき時に元肥を減らすほうが確実な直し方になります。
| 状態 | 葉の見た目 | 判断 |
|---|---|---|
| ちょうどよい | 葉柄が赤く葉が立つ | そのまま続ける |
| 肥料が足りない | 葉が小さく色が薄い | すぐ追肥する |
| 肥料が多すぎる | 葉が大きく寝て茂る | 追肥をやめて様子を見る |
| 水が足りない | 昼にしおれ夕方戻る | その日のうちにたっぷり与える |
暑さと寒さへの備え
春まきの株は六月以降の暑さで急に育ちが止まり、根に固い筋が入ります。梅雨明けまでに穫り切る前提で、まき時を三月下旬から五月上旬に収めてください。
秋まきの株は霜に当たると甘くなりますが、凍ると内側が傷みます。関東平野部なら十二月中に穫り切るか、藁や不織布をかけて畑に置いておくかを選びます。
- 春は早めに穫る
- 春まきは直径が五センチを超えたら早めに穫ります。気温が上がってから置いておくと、筋が入って食感が落ちます。
- 夏の畝を涼しくする
- 藁を厚めに敷くと地温が下がります。根が育つ層の温度が下がるだけで、暑い時期の伸びが変わります。
- 冬は覆いをかける
- 十二月を過ぎて畑に置くなら、不織布か藁をかけて凍らないようにします。凍って解けると内側が水っぽくなります。
育ちが悪いときの切り分け
太らない、割れる、固いといった症状は、肥料と水と土の三つで説明がつきます。葉と根の両方を見て、どれが原因かを絞ってから手を打ってください。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉ばかり茂って根が細い | 肥料が多い | 追肥を止め、次回は元肥を減らす |
| 根が縦に割れる | 乾いたあと急に湿った | 藁を敷いて水の変化を小さくする |
| 根が固く筋っぽい | 収穫が遅れた、暑さに当たった | 直径5〜8センチで穫り切る |
| 肩が黒ずんで固い | 日に当たり続けた | 土寄せして肩を隠す |
食用ビーツの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
食用ビーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は食用ビーツの育て方にまとめています。
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