種は一晩水に浸けてからまく
食用ビーツの種は殻が固く、そのままだと発芽がそろいません。まく前の晩に水に六時間から一晩浸けておくと、発芽までの日数が縮まり、そろって芽が出ます。
浸けた水はやや色がつきますが問題ありません。浸けすぎると水中で息ができなくなるので、一晩を超えないようにし、水を切ってすぐまいてください。
- 前の晩に浸ける
- 種がかぶるくらいの水に浸け、室温で六時間から一晩置きます。冷蔵庫に入れると水温が低すぎて効果が落ちます。
- 水を切ってまく
- 浸けた種は乾かさずにすぐまきます。表面の水気を紙で軽く取ると、指につかず一粒ずつ置きやすくなります。
- 深さ一センチにまく
- 深さ一センチのまき溝に、十センチ間隔で一粒ずつ置きます。浅すぎると乾いて芽が出ず、深すぎると持ち上がりません。
- まき床を湿らせる
- まく前にまき溝へ水を流し、土を湿らせてから種を置きます。あとから上に水をかけるより、種の周りが確実に湿ります。
種袋に色のついた粉が付いていることがあります。これは薬剤処理なので、浸けた水は流しに捨て、手を洗ってから調理に移ってください。
一か所から複数の芽が出る
食用ビーツの種は、いくつかの種がくっついた種球という形をしています。そのため一粒まいても二本から四本の芽がまとまって出てきます。これを知らずにそのまま育てると、根が丸くならず細長いままです。
本葉が二枚になったら一か所につき一本を残して間引きます。抜くときに残す株の根が動くので、はさみで地際を切るほうが確実です。
| 時期 | 株の状態 | すること |
|---|---|---|
| まいて7〜12日 | 芽が2〜4本出そろう | 様子を見る |
| 本葉2枚 | 群れて立ち上がる | 一か所1本に切って残す |
| 本葉4〜5枚 | 葉が触れ合う | 株間10〜12センチに広げる |
土は酸っぱさを嫌う
食用ビーツはホウレンソウと同じで、酸性の土では育ちが極端に悪くなります。まく二週間前に苦土石灰を一平方メートルあたり百五十グラムほど混ぜ、深く耕しておきます。
根が下に伸びるので、耕す深さは三十センチを目安にします。石や固い層があるとそこで根が割れたり二股になったりするので、取り除いておいてください。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を混ぜて深く耕します。前に作った作物が酸性を好むものだった場所では、量をやや多めにしておくと安心です。
- 石を取り除く
- 深さ三十センチまで耕しながら、石や固い塊を取り除きます。根が当たると二股になり、丸い形になりません。
- 元肥を控えめに
- 元肥(植える前に入れておく肥料)は化成肥料を一平方メートルに百グラムほど。多いと葉ばかり茂って根が太りません。
間引き菜も食べられる
間引いた芽と若い葉は捨てずに食べられます。赤い葉柄がきれいで、サラダに散らすと彩りになります。大きくなった葉も炒め物やおひたしで使えます。
ただし葉を取りすぎると根が太らなくなります。収穫までに使う葉は、一株から外側の二枚三枚までにとどめてください。葉は根を太らせるための工場なので、たくさん取りたいときは葉を取る株と根を穫る株を分けるのが確実です。
- 外側から取る
- 葉を使うときは外側の古い葉から取ります。中心の若い葉を取ると生長点が傷み、そこから育たなくなります。
- 二枚までにする
- 一度に取るのは一株から二枚までです。それ以上取ると光を受ける面積が減り、根の太りが目に見えて落ちます。
- 根が太り始めたら止める
- 根の肩が土から見え始めたら葉を取るのをやめます。ここからは葉で作った養分を全部根に回してもらいます。
春まきと秋まきのどちらを選ぶか
食用ビーツはホウレンソウと同じ仲間で、暑さにも寒さにも比較的強い根菜です。関東平野部の露地なら春と秋の二回まけます。芽が出てから収穫まで六十日から八十日ほどかかります。
初めてなら秋まきが失敗しにくいです。虫が減っていく時期に育つので葉が守りやすく、寒さに当たると根の甘みも増します。春まきは夏の暑さが来る前に穫り切るのが条件になります。
| 作型 | まき時 | 収穫の時期 |
|---|---|---|
| 春まき | 3月下旬〜5月上旬 | 6月〜7月上旬 |
| 秋まき | 8月下旬〜9月中旬 | 10月下旬〜12月 |
| 寒冷地の夏まき | 7月〜8月上旬 | 10月〜11月 |
種まきでつまずいたときの切り分け
食用ビーツで最も多いつまずきは発芽と間引きです。芽が出ない、根が丸くならないという二つは原因がはっきりしているので、次のまき時で直せます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 二週間たっても芽が出ない | 浸水せずにまいた、土が乾いた | 浸けてからまき直し、発芽まで乾かさない |
| 芽が細長く倒れる | 込み合っていて光が足りない | 本葉2枚で一か所1本に切る |
| 根が丸くならない | 間引きが遅れた | 株間10〜12センチを守る |
| 根が二股になる | 土の中の石や固い層 | 耕す深さを30センチにして石を除く |
種まきの手順
食用ビーツは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
食用ビーツの種まきでよくある質問
食用ビーツの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
食用ビーツの種はどうやってまく?
本文の手順を確認が目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
食用ビーツの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
食用ビーツの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
食用ビーツは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
食用ビーツの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
食用ビーツの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
食用ビーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は食用ビーツの育て方にまとめています。
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