症状から原因を絞る
食用ビーツはアブラナ科ではないので、アオムシやコナガの被害はほとんどありません。代わりにヨトウムシやハモグリバエなど、葉を食べたり潜ったりする虫がつきます。
葉に出る症状と根に出る症状では原因が全く違います。まず葉を見て、次に一株抜いて根の様子を確かめると、切り分けが早く進みます。
| 症状 | 考えられる原因 | その場ですること |
|---|---|---|
| 葉が一晩で食われる | ヨトウムシ | 夜か早朝に株元の土を探して捕まえる |
| 葉に白い筋の絵が出る | ハモグリバエ | 筋の先にいるので葉ごと取り除く |
| 新芽に小さい虫が群れる | アブラムシ | 水で飛ばし、風通しをよくする |
| 葉に灰色の斑点が広がる | べと病 | 傷んだ葉を取り、株間を広げる |
ヨトウムシは夜に探す
ヨトウムシは昼のあいだ株元の土の中に隠れていて、夜に出てきて葉を食べます。昼に探しても見つからないので、被害があるのに虫がいないという状況になりがちです。
食べ跡が一晩で大きく広がっていたらヨトウムシを疑います。早朝か日が暮れてから株元の土を軽く掘ると、丸まった幼虫が出てくることが多いです。
- 早朝に土を掘る
- 食べ跡のある株の周りを、深さ二センチほど手で掘ります。土の色に似た幼虫が丸まっているので、見つけたら取り除きます。
- 卵のうちに取る
- 葉の裏に細かい卵がまとまって産みつけられます。見つけたらその葉ごと取ると、あとの被害が大きく減ります。
- ネットで入れない
- まいた直後から目の細かい防虫ネットをかけると、成虫が産卵できません。虫を探す手間そのものがなくなります。
- 被害株の周りを重点的に
- 幼虫は食べた株の近くに潜んでいます。畑全体を探すより、食べ跡のある株の周囲三十センチを掘るほうが見つかります。
薬を使うときは葉物や根菜に使えるものを選び、収穫までの日数の決まりを守ってください。葉も食べる場合はとくに注意します。
根が割れるのは水の変化
根が縦に割れるのは病気ではありません。乾いた状態が続いたあとに大量の水が入り、内側が急に膨らんで外側が耐えられなくなるためです。梅雨や秋の長雨の前後に起きます。
割れた根も食べられますが、そこから傷みが入るので早めに使ってください。防ぐには水の変化を小さくすることに尽きるので、藁を敷いて土の乾きを緩やかにし、水やりの間隔を決めておくのが手当てになります。
| 原因 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 乾いたあとの大雨 | 根が縦に割れる | 敷き藁で乾きを緩やかにする |
| 水やりの間隔がばらばら | 割れと空洞が出る | 表面が乾いたら与える形に固定する |
| 肥料が偏っている | 形がいびつになる | 元肥は全体に混ぜて均一にする |
| 収穫が遅れた | 肥大しすぎて裂ける | 直径8センチを超える前に穫る |
葉の病気は風通しで減らす
べと病や斑点性の病気は、葉が重なって乾かない状態が続くと出ます。株間を詰めすぎない、下葉を掃除する、葉の上から水をかけないの三つで大半は防げます。
一度病気が出た葉は元に戻りません。広がる前に取り除き、畑の外に出すことが次の被害を止める手当てになります。取った葉を株元に落としたままにすると、そこが菌のたまり場になって同じことが繰り返されます。
- 株間を守る
- 十センチから十二センチの株間を確保します。詰まっていると葉が乾かず、一株の病気が隣へ次々に移ります。
- 下葉を取る
- 地面についた葉、黄色くなった葉は早めに取ります。取った葉は畑に残さず、外へ出して処分してください。
- 株元に水をやる
- 葉の上から水をかけると、土がはねて菌が葉裏につきます。じょうろの先を外して株元に静かに注ぎます。
- 雨続きは特に見る
- 長雨のあとは葉が乾かず、二日三日で斑点が広がります。晴れ間に畑へ入り、傷んだ葉をまとめて取ってください。
形が悪くなる原因
二股になる、細長い、いびつといった形の問題は、虫でも病気でもなく土と間引きの問題です。原因ごとに直し方がはっきりしているので、次のまき時に生かせます。
とくに多いのが間引きの遅れと、土の中の障害物です。この二つを押さえるだけで、丸い根がそろう確率が大きく上がります。抜いた根の形をよく見ておくと、来年その畝で何を直せばよいかがはっきりわかります。
| 見た目 | 考えられる原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 細長く伸びる | 一本に間引いていない | 本葉2枚で1本に切る |
| 二股に割れる | 石や固い層に当たった | 深さ30センチまで耕して石を除く |
| でこぼこしている | 未熟な堆肥が根に触れた | 完熟した堆肥を早めに入れる |
| 肩が黒く固い | 日に当たり続けた | 肥大したら土寄せで肩を隠す |
被害が出たときの切り分け
今年のうちに手が打てるものと、翌年の土作りでしか直せないものを分けて考えます。分けておけば、その年に無駄な手をかけずに済みます。
| 症状 | 今年できること | 翌年の準備 |
|---|---|---|
| 葉の食害 | 手で取る。ネットをかけ直す | まいた日からネットをかける |
| 根の割れ | 割れたものから先に使う | 敷き藁と水やりの間隔を固定する |
| 形がいびつ | 食べる分には支障なし | 深く耕して石と未熟な堆肥を除く |
| 育ちが極端に遅い | 追肥して様子を見る | 石灰で土の酸っぱさをやわらげる |
食用ビーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は食用ビーツの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。