鉢植えか地植えかを先に決める
ベルガモットは温州ミカンより寒さに弱く、氷点下三度前後で葉が傷み、氷点下五度を下回ると枝が枯れます。関東平野部の露地でも冬に寒風の当たる場所では越冬が難しいため、家庭では鉢植えにして冬は軒下や室内へ移す育て方が基本です。
暖地で霜がほとんど降りない庭なら地植えも可能ですが、北風を遮る壁際に限ります。まず自分の地域の最低気温を思い出し、置き場所を決めてから苗を買います。
| 地域 | 育て方 | 冬の扱い |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 鉢植えのみ | 十一月から室内の明るい窓辺 |
| 関東平野部 | 鉢植えが安心 | 霜が降りる前に軒下か室内 |
| 暖地の霜が少ない庭 | 地植えも可 | 寒風を避ける壁際、寒波時は覆う |
ハーブのベルガモット(モナルダ)とは別の植物です。柑橘のベルガモットは接ぎ木苗として売られており、ラベルに柑橘と書かれたものを選びます。
苗の選び方と植える時期
苗は二年生以上の接ぎ木苗が育てやすく、幹が鉛筆より太く葉の色が濃いものを選びます。葉が黄色っぽい苗や、鉢底から根が伸び出して固まっている苗は根詰まりを起こしているので避けます。
植え付けの適期は三月下旬から四月です。寒さが抜けて新芽が動き出す直前に植えると、その春のうちに根が張ります。秋植えは根が張る前に冬が来るので、柑橘の中でも寒さに弱いベルガモットには向きません。
| 時期 | 作業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 植え付けの適期 | 遅霜が終わってから |
| 5〜6月 | 植え付け可 | 根を崩さず、真夏の前に落ち着かせる |
| 9〜10月 | 避ける | 根が張らないまま冬になる |
| 11〜2月 | 植えない | 寒さで根が傷む |
通販で届いた苗が冬なら、そのままの鉢で室内の明るい場所に置き、春を待ってから植え替えます。
鉢と用土の準備
最初の鉢は苗の鉢より一〜二回り大きい八号から十号が目安です。いきなり大鉢に植えると土が乾かず根腐れしやすくなります。用土は水はけがよく、少し酸性寄りのものが合います。市販の柑橘用培養土か、赤玉土六、腐葉土三、軽石一を混ぜたものを使います。
- 鉢底に軽石を敷く
- 鉢底ネットの上に軽石を二〜三センチ敷いて排水を確保します。柑橘は根に空気が要る木で、底に水がたまると根が傷みます。
- 根鉢は軽くほぐす程度
- 苗をポットから抜き、底で巻いた根だけを軽くほぐします。春でも根を大きく崩すと活着が遅れるので、白い根はできるだけ残します。
- 接ぎ木部分を出して植える
- 接いだこぶが土の上に出る高さに合わせ、周りに用土を入れて割り箸で突いてすき間をなくします。鉢の縁から三センチほど下を土の面にして水をためる余地を残します。
- 元肥を混ぜて水をたっぷり
- 用土に元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)として緩効性の化成肥料か油かすを一握り混ぜます。植えたら鉢底から流れるまで水を与え、一週間は日陰で落ち着かせます。
支柱を一本立てて幹を結んでおくと、風で根鉢が動かず根付きが早まります。
地植えにするときの条件
暖地で地植えにする場合は、南向きで建物や生け垣が北風を遮る場所を選びます。直径と深さ五十センチほどの穴を掘り、腐葉土と堆肥を三割ほど混ぜて高めに植えます。周りより十センチほど盛り上げて植えると排水がよくなり、根の張りも早くなります。
植えて三年ほどは冬に寒冷紗や不織布で株全体を覆い、寒波の予報が出たら二重にします。木が大きくなると耐寒性が少し上がります。
| 場面 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 植え穴 | 堆肥と腐葉土を混ぜ高植え | 地面より十センチ高く |
| 株間 | 隣の木や壁から離す | 二メートル以上 |
| 冬の保護 | 不織布で覆う | 植えて三年間は必ず |
| 敷きわら | 根元を覆う | 冬と夏の両方 |
鉢植えより実は大きくなりますが、寒波で一度に枯れる危険があります。予備として挿し木や鉢植えを一本持っておくと安心です。
植えた年の管理
植え付けの年は花が咲いても実をならせず、木を育てることに集中します。実をつけると根の張りが遅れ、翌年以降の勢いが落ちます。春に咲いた花は摘み取り、伸びる枝を大切にします。夏は鉢の土が乾いたらたっぷり与え、葉が内側に巻いたら水切れのサインです。
- 花と小さな実は摘む
- 一年目に咲いた花は指で摘みます。実がついてしまったら親指の爪ほどの大きさのうちに落とします。
- 月に一回の追肥
- 四月から十月まで、月に一回、鉢の縁に化成肥料を小さじ一杯ほどまきます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は少量を続ける方が根に優しいです。
- 夏の直射日光を避ける
- 真夏は鉢の土が熱くなり根が傷むので、鉢を二重にするか午後は日陰になる場所に移します。葉には日が当たっていて構いません。
植えた年の秋に枝が三十センチ以上伸びていれば順調です。
根付かないときの原因を切り分ける
植えて一か月たっても新芽が動かない、葉がぱらぱらと落ちる、というときは、水と温度と根の三つを順に確かめます。ベルガモットは環境の変化で葉を落としやすい木ですが、枝が緑なら回復します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が落ちるが枝は緑 | 環境の変化・水切れ | 水を安定させて待つ |
| 葉が黄色く縁から枯れる | 水のやりすぎ・根腐れ | 乾かし気味にし鉢底を確かめる |
| 新芽が出ない | 植え付けが早すぎて低温 | 暖かい場所へ移す |
| 幹の根元が黒い | 深植え・過湿 | 掘り上げて高く植え直す |
枝の先を少し切って中が緑なら生きています。茶色なら緑になるところまで切り戻し、水を控えて様子を見ます。
ベルガモットの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ベルガモットの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はベルガモットの育て方にまとめています。
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