摘心で枝を増やす
黒豆は本葉が五枚から七枚になったころに、主となる茎の先を摘みます。摘心(先を摘んで枝を増やすこと)をすると横から枝が出て、花のつく場所が増え、結果として莢の数が増えます。
同時に背が高くなりすぎるのを抑えられるので、実が入って重くなったときの倒れも減ります。摘むのは指でつまんで折れる先端の部分だけで、道具はいりません。
| 時期 | 株の状態 | すること |
|---|---|---|
| 本葉5〜7枚 | 主となる茎が伸び始める | 先端を指で摘む |
| 摘んで2週間後 | 横から枝が出る | 土寄せをして株元を固める |
| 草丈50センチ | 枝が広がる | 倒れそうな株に支柱を立てる |
摘み方と時期の見きわめ
早く摘みすぎると株の力が足りず、枝が伸びません。逆に花が咲いてから摘むと、実になるはずだった部分まで落とすことになります。本葉の枚数を数えて決めるのが確実です。
梅雨の最中で葉が濡れているときは避けてください。摘んだ切り口から菌が入ることがあるので、晴れた日の午前中に済ませます。株数が多いときは二日三日に分けてもかまいません。一度に終わらせる必要はありません。
- 本葉を数える
- 双葉の上から数えて本葉が五枚から七枚になったら適期です。日にちではなく枚数で判断すると外しません。
- 先端だけ摘む
- いちばん上の柔らかい部分を指でつまんで折ります。硬くて折れないところまで下げると取りすぎになります。
- 晴れた日に行う
- 葉が濡れている日は避け、晴れた日の午前中に摘みます。切り口が早く乾き、病気が入りにくくなります。
- 小さい株は見送る
- 生育の遅れた株は摘まずに置きます。力のない株を摘むと枝が出ず、そのまま小さく終わることがあります。
枝豆として若採りするだけなら摘心は必ずしも必要ありません。完熟の黒豆を穫るときに効果がはっきり出る作業です。
土寄せは二回に分けて
黒豆は背が高くなり、実が入ると株が重くなって倒れます。土寄せ(株元に土を寄せること)を二回に分けて行うと、株元が固まって倒れにくくなり、寄せた土から新しい根も出ます。
一回目は本葉が三枚から四枚のころ、二回目は摘心のあとです。寄せる高さは株元から五センチから十センチほどで、葉の付け根が埋まらないようにします。
| 時期 | 作業 | 寄せる高さ |
|---|---|---|
| 本葉3〜4枚 | 一回目の土寄せ | 株元から5センチ |
| 摘心のあと | 二回目の土寄せ | 株元から10センチ |
| 草丈60センチ以降 | 傾いた株だけ直す | 必要な株のみ |
追肥は基本的にいらない
黒豆は根に住む菌が空気中の窒素を取り込むので、追肥(育ちの途中で足す肥料)はほとんど必要ありません。足すと葉が茂って花が落ち、莢の数がかえって減ります。
葉の色が薄く育ちが明らかに悪いときだけ、花が咲き始める前にリン酸とカリを中心にした肥料を少量入れます。窒素の多い肥料は避けてください。
- 葉の色を見る
- 葉が濃い緑で大きいなら肥料は足りています。この状態で追肥すると茂りすぎるので、何もしないのが正解です。
- 薄いときだけ足す
- 葉が黄緑色で小さいときだけ、花が咲く前にリン酸とカリの肥料を一平方メートルに三十グラムほど入れます。
- 花が咲いたら足さない
- 花が咲いてからの追肥は落花の原因になります。この時期に足りないと感じても、水やりで対応してください。
花の時期の水が実を決める
黒豆で最も水を必要とするのは、花が咲いてから莢がふくらむまでの時期です。ここで乾かすと花が落ち、莢はできても中の豆が入りません。九月の乾いた日が続く週は特に注意します。
土の表面が乾いていたら、朝のうちに畝の下まで届く量を与えます。少量を毎日繰り返すより、間隔を空けて一度にたっぷり与えるほうが根が深く張ります。
- 花を見つけたら注意する
- 白や薄紫の小さな花が咲き始めたら、水を切らさない時期に入った合図です。畑を見る回数を増やしてください。
- 朝にたっぷり与える
- 乾いた日が続くときは朝のうちに与えます。日中に与えると水が温まり、根を傷めることがあります。
- 藁を敷く
- 株元に藁や刈った草を敷くと乾きが緩やかになります。夏の地温も下がるので、花の落ちる量が減ります。
- 莢のふくらみを見る
- 花のあと二週間ほどで小さな莢がつきます。ふくらんでこないときは水が足りていないので、与える量を増やします。
育ちが悪いときの切り分け
茂りすぎる、花が落ちる、倒れるという症状は、肥料と水と株間で説明がつきます。葉の姿を見てどれが原因かを絞ってから手を打ってください。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉ばかり茂って花が少ない | 窒素肥料が多い | 追肥をやめる。翌年は元肥を減らす |
| 花が咲いても落ちる | 花の時期の乾燥 | 朝にたっぷり与え、藁を敷く |
| 実が入って倒れる | 土寄せをしていない | 支柱で支え、翌年は二回寄せる |
| 株が小さいまま | まくのが遅れた、日照不足 | 翌年は適期にまき、日当たりを見直す |
黒豆の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
黒豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は黒豆の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。