症状から原因を絞る
黒豆の被害は時期で分かれます。六月は鳥、七月から八月は葉を食べる虫、九月から十月は莢を吸う虫が中心です。今が何月かを考えると、原因の見当がかなり早くつきます。
莢はできているのに中身が入っていないという症状が最も多く、これはほとんどがカメムシによるものです。莢の外から見てもわからないので、時期を見て先に防ぐしかありません。
| 時期 | 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 6月 | 双葉ごと消える | ハトなどの鳥 |
| 7〜8月 | 葉が食われて穴だらけ | ハスモンヨトウなどの幼虫 |
| 9〜10月 | 莢が実らず落ちる | カメムシの吸汁 |
| 10〜11月 | 豆に黒い斑点 | 莢を食べる虫や紫斑病 |
カメムシは莢がつく前から防ぐ
カメムシは莢に口を刺して中の豆の汁を吸います。吸われた豆は育たず、莢だけが残ります。被害が出てから気づいても手遅れなので、莢がつき始める九月から見回りを始めてください。
早朝はカメムシの動きが鈍く、手で取りやすい時間帯です。空き容器に落として捕まえると、飛ばれずに数を減らせます。日が高くなると飛んで逃げてしまうので、見回るなら朝のうちと決めておくのが確実です。
- 九月から見回る
- 莢がつき始めたら、二日に一度は株の中をのぞきます。葉の裏と莢の付け根に止まっていることが多いです。
- 早朝に取る
- 気温の低い早朝は動きが鈍く、手で払い落とせます。容器を下に構えてから枝を揺すると確実です。
- 周りの草を刈る
- 畑の周りの草はカメムシの住みかになります。刈っておくと畑に入ってくる数がはっきり減ります。
- 薬を使うなら時期を選ぶ
- 豆類に使える薬剤を選び、収穫までの日数の決まりを守ります。花の時期は虫の助けも要るので使い方に注意します。
カメムシは刺激すると強い匂いを出します。手で取るときは手袋をするか、容器に落とす方法にすると匂いが手に残りません。
発芽期の鳥害を防ぐ
黒豆は豆をつけたまま芽が地上に出てくるので、ハトなどの鳥に狙われます。一晩で列ごと食べられることもあり、まき直しになると適期を外してその年の収穫が落ちます。
まいた日から不織布か網をかけるのが最も確実です。本葉が二枚三枚になれば狙われなくなるので、それまでの二週間ほどを守り切れば済みます。
| 場面 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| まいて数日 | 掘り返して豆を食べられる | まいた日に網をかける |
| 双葉が出たころ | 双葉ごとついばまれる | 本葉2枚まで覆いを外さない |
| 苗を植えた直後 | 引き抜かれる | 植えた直後だけ覆いをかける |
| 覆いが浮いている | 隙間から入られる | 裾を土で全周留める |
葉を食べる虫と病気
七月から八月はハスモンヨトウなどの幼虫が葉を食べます。少しの食害なら株の力で取り返せますが、葉が半分以上なくなると花の数が減るので、卵のうちに見つけて取り除きます。
葉に茶色い斑点が広がる病気や、葉が縮れて模様が出るウイルスの病気も出ます。ウイルスはアブラムシが運ぶので、アブラムシを減らすことが予防になります。
- 葉の裏を見る
- 幼虫は葉の裏にまとまっています。細かい卵の塊を見つけたら、その葉ごと取り除くと被害が広がりません。
- アブラムシを減らす
- 新芽に群れているアブラムシは水で飛ばします。ウイルスを運ぶので、少ないうちに手を打つ意味があります。
- 傷んだ葉を外す
- 斑点の広がった葉は取り除き、畑の外へ出します。株元に落としたままにすると翌年まで菌が残ります。
- 株間を守る
- 七十センチ以上の株間を取り、風を通します。葉が乾く時間が長いほど、葉の病気は出にくくなります。
- 見回る日を決める
- 週に一度は株の中に手を入れて見る日を決めておきます。外から見えるころには被害が広がっていることが多いです。
実が入らないときの原因
莢はあるのに豆が入っていない、莢そのものが少ないという状態は、虫だけが原因ではありません。肥料と水と日当たりも大きく関わるので、順に確かめて切り分けます。
とくに窒素肥料の入れすぎは見落とされがちです。葉が大きく濃い緑で茂っているのに莢が少ないなら、まず肥料を疑ってください。
| 状態 | 考えられる原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 莢はあるが中が空 | カメムシに吸われた | 9月から見回り、周りの草を刈る |
| 葉が茂って莢が少ない | 窒素肥料が多い | 元肥を減らし追肥をやめる |
| 花が咲いても落ちる | 花の時期の乾燥 | 朝にたっぷり与え、藁を敷く |
| 株全体が小さい | 日当たり不足か連作 | 日の当たる畑に変え、豆類を続けない |
収穫前後のトラブル
乾かす段階での失敗は、せっかく実った豆を無駄にします。雨と湿気が原因のことがほとんどなので、干し場所を先に決めておくと防げます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 豆にしみが出る | 刈ったあと雨に当てた | 屋根の下に移し、風を通す |
| 莢にかびが出る | 干し方が甘く湿気がこもった | 束をほどいて広げ、干し直す |
| 保存中に虫が出る | 豆の中に虫の卵があった | よく乾かし、密閉して冷蔵庫で保存する |
| 豆にしわが多い | 完熟前に刈った | 株を振って音がしてから刈る |
黒豆の収穫までのコツは作物ページに
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