熟し具合を見極める
カシスの実は六月下旬から七月中旬に、緑から赤、そして濃い黒紫へと色づきます。房の中で色づきがそろわず、つけ根側から先へ順に熟します。房のすべての実が黒くなり、指で軽く引いて取れるようになったら収穫の目安です。黒くなってから一週間ほど置くと甘みが増しますが、待ちすぎると落ちたり鳥に食べられたりします。
| 見た目 | 熟し具合 | 扱い |
|---|---|---|
| 緑色で固い | 未熟 | 採らない |
| 赤みを帯びる | 色づき始め | 鳥よけネットをかける時期 |
| 房の半分が黒い | もう少し | 三〜五日待つ |
| 房全体が黒く、軽く引くと取れる | 食べごろ | 朝に房ごと収穫 |
| 黒くなって一週間以上、しわが寄る | 熟しすぎ | すぐ採って加工、落ちる前に |
実を一粒つぶして汁の色を見ると、濃い赤紫なら十分に熟しています。薄い赤なら数日待ちます。
収穫の手順
収穫は朝の涼しい時間に、房のつけ根をはさみで切って房ごと採ります。一粒ずつ引くと実が破れて汁が出るので、房のまま採って家で外します。熟した実は柔らかく、重ねると下がつぶれるので、浅い容器に一〜二段までにします。採った実はその日のうちに使うか、洗わずに冷蔵か冷凍に回します。
収穫量の目安は、三年目の株で一株二百〜三百グラム、五年目以降なら一〜二キロほどです。ジャム一瓶に三百グラムほど使うので、何に使うかを決めてから採る量と冷凍する量を分けておくと無駄がありません。
- 朝に房のつけ根を切る
- 房の軸のつけ根をはさみで切ります。枝の短い側枝ごと取ると翌年の実が減るので、軸だけを切ります。
- 浅い容器に並べる
- かごや浅いトレーに一〜二段までにして運びます。深い容器に入れると下の実がつぶれます。
- 家で房から外す
- 軸を持ってフォークの背でしごくと簡単に外れます。傷んだ実と軸のかけらを取り除きます。
- 洗うのは使う直前
- 洗うと傷みが早まるので、保存する分は洗わずに冷蔵か冷凍します。使う直前にさっと水で洗います。
生食と冷蔵保存
カシスは生では酸味と渋みが強く、そのまま食べるより加工に向きます。よく熟した実なら、ヨーグルトやはちみつと合わせると生でも楽しめます。冷蔵では二〜三日しか持たないので、すぐ使わない分は冷凍にします。房から外してキッチンペーパーを敷いた容器に入れ、乾燥を防ぐためふたをして冷蔵庫の野菜室に入れます。
葉にも香りがあり、若い葉を数枚摘んで熱湯に落とすとカシスの香りのするお茶になります。実を待つ間の楽しみとして、枝先の柔らかい葉を少しだけ使います。取りすぎると実の養分が減るので、株全体の一割までにとどめます。
| 用途 | 下ごしらえ | こつ |
|---|---|---|
| ヨーグルトに添える | 房から外して洗う | はちみつを少しかけて酸味を和らげる |
| 冷蔵で数日保存 | 洗わずに房から外す | ペーパーを敷き、二〜三日以内に使う |
| すぐジャムにする | 洗って軸とごみを除く | 傷んだ実を除くと色がきれいに出る |
冷凍とジャム、シロップ
カシスは冷凍に向き、一年を通して使えます。房から外した実を洗わずにバットに広げて凍らせ、固まってから袋に移すとくっつきません。ジャムは実の重さの六〜七割の砂糖と煮て、種と皮が気になるなら裏ごしします。シロップは実と同量の砂糖を瓶に重ね、一〜二週間で汁が上がったら実を除いて冷蔵します。炭酸水で割ると自家製のカシスソーダになります。
- バットで凍らせてから袋へ
- 実を重ならないよう広げて一晩凍らせ、翌日に袋に移します。半年から一年は使えます。
- ジャムは砂糖六〜七割で
- 実と砂糖を鍋に入れて三十分置き、水が出たら弱火で十五分ほど煮ます。とろみは冷めると強くなるので、ゆるめで火を止めます。
- シロップは瓶に重ねる
- 洗って水気を切った実と同量の砂糖を交互に瓶へ入れ、毎日一回瓶を振ります。一〜二週間で汁が上がったら実を除き、冷蔵で二か月ほど持ちます。
カシスの色素は強く、手や布につくと落ちにくいです。作業時は手袋と汚れてもよいエプロンを使います。
収穫で失敗したときの見直し
採ったら酸っぱすぎた、鳥に先を越された、房から外すときにつぶれた、収穫が一度に集中して使い切れなかった、というのがよくある失敗です。それぞれ、黒くなってから数日待つ、色づき始めにネットをかける、朝に房ごと採る、冷凍を前提にする、で解決します。房ごとに熟す時期がずれるので、一週間おきに数回に分けて採ると使いやすい量になります。
| 失敗 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 酸っぱくて食べられない | 黒くなった直後に採った | 黒くなって五〜七日待ち、汁の色で判断 |
| 鳥に食べられた | ネットが遅い、隙間がある | 赤みが出たらネット、支柱で浮かせる |
| 外すときにつぶれた | 日中に採った、熟しすぎ | 朝に採り、フォークの背でしごく |
| 一度に採れて使い切れない | 収穫を一回にまとめた | 一週間おきに分けて採り、冷凍する |
| 実が小さく数が少ない | 古い枝が多い、夏の落葉 | 冬の更新剪定と梅雨明け前の遮光 |
カシスの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
カシスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカシスの育て方にまとめています。
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