まず症状から原因を切り分ける
サボテンは丈夫ですが、症状が出るころには内部で進んでいることが多く、早く気づくほど助かります。水やりのたびに株の色と張り、株元の様子をひと目見る習慣をつけます。下の表で症状に近い行を探し、原因を確かめてから手を打ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 株元が茶色く柔らかい、ぐらつく | 根腐れ | 抜いて腐った部分を切り、乾かす |
| 白い綿のようなものがつく | コナカイガラムシ | 爪楊枝や歯ブラシで取る |
| 茶色の小さな貝殻状の粒 | カイガラムシ | こすり落とす。多ければ殺虫剤 |
| 表皮が白や茶色に変色 | 日焼け | 遮光して水を控える |
| 株の表面に赤茶色の点や斑 | ハダニ、または赤腐れ | 葉水で洗う。柔らかければ腐れ |
| 株が細く伸びる | 光不足 | 日なたへ |
根腐れは早く切れば助かる
サボテンを失う原因の第一は根腐れです。休眠期の水やり、梅雨の長雨、大きすぎる鉢が主な原因で、根から株の下部へと腐りが上がります。株元を指で押して柔らかい、株がぐらつく、色が黄ばんで透けるといった変化があれば、迷わず抜いて根を見ます。株の上部が固く緑であれば、そこから上を切り離して挿し直すことで株は残せます。
腐りの進み具合は切り口で判断します。切った面が全体に白か緑で、中心の維管束も白ければ健全です。茶色や赤の輪が見えるなら腐りが残っているので、さらに上で切り直します。
- 抜いて根と株元を確かめる
- 鉢から抜き、根の色と株元の固さを見ます。黒く柔らかい根、茶色く柔らかい株元は腐っています。
- 固い部分まで切り上げる
- 清潔なナイフで、柔らかい部分より2〜3センチ上を切ります。切り口に茶色や赤の輪が見えたら、さらに上で切り直します。
- 一〜二週間乾かす
- 切り口を上に向けて風通しのよい日陰に置き、切り口が乾いて固くなるまで一〜二週間置きます。
- 乾いた土に置いて発根を待つ
- 乾いた土の上に切り口を下にして置くか、浅く挿します。水は与えず、一か月ほどで根が出たら少量から始めます。
カイガラムシはとげの根元に隠れる
とげの付け根や株の窪みに、白い綿のようなコナカイガラムシや、茶色い貝殻状のカイガラムシがつくことがあります。風通しが悪く乾燥した室内で増えやすく、放置すると株の汁を吸って黄ばみ、排せつ物にすす病がつきます。数が少ないうちは爪楊枝や古い歯ブラシで取り、増えたら殺虫剤を使います。
- とげの付け根を見る
- 水やりのたびに、とげの付け根や株の窪みに白い綿や茶色の粒がないか確かめます。虫眼鏡を使うと見つけやすくなります。
- 爪楊枝や歯ブラシで取る
- 見つけた虫を爪楊枝でかき出すか、古い歯ブラシでこすり落とします。落とした虫が土に残らないよう、鉢の上に紙を敷いて作業します。
- 多ければ殺虫剤
- 取っても増えるときは、観葉植物や多肉植物に使える殺虫剤を規定通りに使います。土に混ぜる粒剤なら植え替え時に入れておくと予防になります。
日焼けは治らないが株は育つ
真夏の直射日光や、暗い場所から急に日なたへ出したときに、表皮が白や茶色に変色するのが日焼けです。焼けた部分は元に戻りませんが、株の頭の成長点が無事なら翌年には新しい部分が育ちます。焼けを見つけたらすぐ遮光し、水を控えて回復を待ちます。焼けた部分が柔らかくなってきたら腐りが入ったので、その部分を切り取ります。
- すぐ光を弱める
- 遮光ネットかすだれをかけるか、明るい日陰へ移します。焼けた直後の株は弱っているので、水も控えます。
- 焼けた部分の固さを確かめる
- 焼けた部分を指で押し、固ければそのまま様子を見ます。柔らかくなっていれば腐りが入っているので、清潔なナイフでえぐり取って乾かします。
ハダニと赤腐れを見分ける
株の表面に赤茶色の細かい点やかすれた斑が出るとき、原因はハダニか赤腐れ病のどちらかです。ハダニは乾燥した環境で増え、表面がざらついて色あせますが、株は固いままです。赤腐れは株の内部から赤茶色に変色して柔らかくなり、進むと株全体が崩れます。触って固さを確かめれば見分けられます。
- 触って固さを確かめる
- 変色した部分を指で押します。固ければハダニ、柔らかく押すとへこむなら赤腐れです。
- ハダニは水で洗う
- 霧吹きで株全体を洗い流し、風通しをよくします。増えるなら多肉植物に使えるダニ剤を使います。
- 赤腐れは切り取る
- 柔らかい部分を清潔なナイフでえぐり取り、健全な部分だけにして乾かします。広がっていれば上部を切り離して挿します。
冬の凍害と徒長
霜に当たると株が透明になって溶けます。溶けた部分は戻らないので、固い部分まで切り取って乾かし、春に挿します。冬に暖かい室内の暗い場所に置くと、休眠せずに頭だけが細く伸びる徒長(茎ばかりひょろ長く伸びること)が起きます。伸びた部分は戻らないので、春に切って挿し直します。
- 溶けた部分を切る
- 透明になった部分を固い部分まで切り取り、切り口を乾かします。株元だけ残っても、春に子株が出ることがあります。
- 徒長は春に仕立て直す
- 細く伸びた部分の下で切り、切り口を乾かして挿し直します。残った下部からも子株が出るので、両方育てられます。
予防は、冬に乾かして寒さと日光に当てることです。暖かい暗い部屋は、サボテンにとって最も悪い冬の環境です。
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