症状から原因を切り分ける
ツバキの不調は葉と花に出ます。葉が食われる、黒くすすける、白い綿が付く、花が茶色く腐るのどれかで当たりが付きます。チャドクガは触ると皮膚がかぶれるので、葉が食われているときは近づく前に幼虫がいないか離れて確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | まず確かめること |
|---|---|---|
| 葉が食われ、葉脈だけ残る | チャドクガ | 葉裏に群れた毛虫がいるか。触らない |
| 葉や枝に白や茶色の粒、黒いすす | カイガラムシとすす病 | 枝や葉裏に貝殻状の虫が付いているか |
| 花が茶色く腐って開かない | 花腐れ(花腐菌核病) | 落ちた花を拾っていたか |
| 葉に灰色や茶色の斑点が広がる | 炭そ病、輪紋病 | 梅雨の後か、風通しが悪いか |
| 葉の裏に白い綿、葉がべたつく | ツバキワタカイガラムシ | 五月から六月の新葉の裏 |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリ性 | 石灰を使った場所か |
チャドクガは触らないことが最優先
ツバキとサザンカに付く毛虫で、五月から六月と九月の年二回発生します。幼虫の毒毛は風で飛び、触れると激しいかゆみと発疹が数日続きます。抜け殻や死骸、成虫の鱗粉にも毒毛が残るので、退治した後も葉をむやみに触らないでください。
対策は、四月から五月に葉裏の卵塊を葉ごと取り除くこと、幼虫が一枚の葉に群れている若いうちに葉ごと切って袋に密閉することです。散った後は捕まえきれないので、庭木用の殺虫剤を散布します。
- 四月から五月に卵を探す
- 葉裏に茶色い毛で覆われた卵塊が付いています。見つけたら葉ごと切り、ビニール袋に入れて口を縛って捨てます。
- 群れている幼虫を葉ごと切る
- 若い幼虫は一枚の葉に整列して食べています。長袖と手袋、マスクを着け、風上から葉ごと切って袋に密閉します。
- 散った幼虫は殺虫剤
- 株全体に散った幼虫は捕まえきれません。庭木用の殺虫剤を葉裏まで散布し、死骸に触れないよう処分します。
- 作業後は服を洗う
- 毒毛は服に付きます。作業後は服を脱いで他の洗濯物と分けて洗い、皮膚は流水で流します。かゆみが強ければ皮膚科へ。
剪定で株の内部に風と光を通しておくと、チャドクガが卵を産みつけにくくなります。予防は剪定から始まります。
カイガラムシとすす病
枝や葉裏に白や茶色の貝殻のような粒が付き、葉が黒いすすで汚れるのがカイガラムシとすす病です。カイガラムシの排せつ物にカビが生えてすす病になります。成虫は殻に守られて薬が効きにくいので、歯ブラシでこすり落とすのが確実です。
五月から六月に出る幼虫は殻がなく薬が効くので、この時期に庭木用の殺虫剤を散布します。冬に機械油乳剤を散布すると、越冬中の成虫を減らせます。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 枝に付いた成虫は古い歯ブラシでこすり落とします。落とした虫は戻れないので、株元に落ちても構いません。
- 幼虫の時期に殺虫剤
- 五月から六月に、庭木用の殺虫剤を枝と葉裏に散布します。幼虫は殻がないので効きます。
- 冬に機械油乳剤
- 十二月から一月に機械油乳剤を散布すると、殻ごと窒息させられます。すす病も虫がいなくなれば雨で落ちます。
花腐れは落ちた花を残さない
つぼみや開きかけの花が茶色く腐り、開かずに落ちるのが花腐れです。菌が落ちた花の中で越冬し、翌年の開花期に胞子を飛ばして再び感染します。薬での治療は難しく、落ちた花と腐った花を残さず拾って捨てることが唯一の確実な対策です。
- 腐った花をすべて拾う
- 枝に残った花、株元に落ちた花を週に一回拾い、袋に入れて捨てます。堆肥には入れません。
- 株元のマルチを入れ替える
- 花の時期が終わったら株元の腐葉土やマルチを取り除いて新しいものに替え、土に残った菌を減らします。
- 雨と風通しを見直す
- 花に雨が当たり続けると発生が増えます。混んだ枝を抜いて花が早く乾く環境にします。
寒風で茶色くなったつぼみと似ていますが、花腐れは花弁の中心から茶色く広がり、触ると柔らかいのが違いです。
葉の病気と葉を食うその他の虫
梅雨の後に葉に灰色や茶色の斑点が広がる炭そ病と輪紋病は、風通しの悪い株に出ます。病気の葉を取り除き、株の内部に風を通せば止まります。葉を食う虫はチャドクガのほかにハマキムシ、コウモリガの幼虫が幹に入ることもあります。
| 種類 | 出やすい時期 | 手当て |
|---|---|---|
| チャドクガ | 5月〜6月、9月 | 卵と若い幼虫を葉ごと処分。触らない |
| カイガラムシ | 通年(幼虫は5月〜6月) | 歯ブラシで落とす。幼虫期に殺虫剤 |
| ハマキムシ | 5月〜9月 | 巻いた葉ごと取って処分 |
| コウモリガ | 6月〜9月 | 幹の穴からおがくずが出たら針金で刺す |
| 炭そ病、輪紋病 | 6月〜9月 | 病気の葉を取り除き風通しを確保 |
病気でない変色との見分け
葉が黄色くなる、茶色くなる、つぼみが落ちるといった変化の多くは、酸度や季節、水と風の問題で病気ではありません。薬をかける前に、次の表で環境の原因を除いてから判断します。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉全体が黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリ性で鉄が吸えない | ピートモスと鹿沼土で酸性に戻す |
| 葉の表面が茶色く焼ける | 夏の西日 | 半日陰へ。焼けた葉は残す |
| 春に古い葉が黄色く落ちる | 葉の入れ替わり | 正常。放置でよい |
| つぼみが茶色くなって落ちる | 寒風か乾燥、つぼみの付けすぎ | 風よけと水、十月につぼみを整理 |
| 夏に葉が茶色く縮れる | 水切れ | 水を通し、マルチで覆う |
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