剪定の時期を花芽の付き方で決める
ツバキは花が終わった後に伸びる新枝の先に、六月から七月にかけて翌年の花芽を作ります。剪定は花が終わった直後の三月下旬から五月中旬までに済ませます。それ以降に枝先を切ると、できかけの花芽を落として翌年の花が減ります。
ツバキは生育が遅く、一年に伸びる枝も短いので、毎年強く切る必要はありません。混んだ枝を抜く程度の軽い剪定を毎年続けるほうが、樹形も花も安定します。
| 時期 | できる剪定 | 理由 |
|---|---|---|
| 花後〜5月中旬 | 刈り込み、枝抜き、強い切り戻し | 花芽がまだ作られていない |
| 6月〜9月 | 飛び出した枝を抜く程度 | 花芽が作られている |
| 10月〜開花中 | 枯れ枝を抜く程度 | つぼみが枝先に付いている |
枝を抜いて風と光を通す
ツバキは葉が密に茂り、内部が暗くなるとチャドクガやカイガラムシの温床になります。株の外から幹が見えないほど茂っていたら、抜く枝が多い目安です。剪定の主目的は形よりも風通しです。内側に向いた枝、交差する枝、上に立ち上がる徒長枝(勢いよく間延びした枝)を付け根から抜き、外から幹が透けて見える程度に整えます。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 株の内側に向いた枝、他の枝とぶつかる枝を付け根から切ります。この枝は花が付きにくく、蒸れの原因になります。
- 徒長枝は付け根で
- 上に勢いよく伸びた枝は途中で切ると同じ場所からまた伸びます。付け根から抜くか、外向きの芽の上で切ります。
- ひこばえと幹の芽を取る
- 株元や幹の途中から出た細い芽は養分を奪います。見つけたら早めに手でかき取ります。
- 残す枝は外向きの芽の上で
- 長さを詰めるときは、外を向いた葉の付け根のすぐ上で切ります。切り口から出る枝が外へ広がり、内部が混みません。
刈り込みで形を作る場合
生け垣や玉仕立てにするなら、花後に刈り込みバサミで表面をそろえます。ツバキは葉が大きいので、刈り込むと切られた葉が目立ちます。仕上げは飛び出した枝を手バサミで一本ずつ切ると見た目がきれいです。刈り込みは年に一回、五月中旬までにとどめます。
- 前回より少し外側で刈る
- 去年の刈り面から一センチから二センチ外側で刈ります。同じ位置で刈り続けると枝が込み合い、内部が枯れます。
- 葉を切らない位置で仕上げる
- 刈り込みの後、切られて半分になった葉を手バサミで葉の付け根から切り落とすと、見た目が整います。
- 下を広く上を狭く
- 断面が下広がりになるよう刈ると、下枝まで日が当たって下葉が落ちません。上を広くすると数年で株元がすかすかになります。
大きくなりすぎた株の切り戻し
何年も放って背が高くなった株は、花後すぐに主幹を望む高さで切り、太い枝も半分ほどに詰めます。ツバキは古い枝からも芽を出す力があるので、葉のない太い枝で切っても数か月で幹の途中から芽が出ます。ただし切った年と翌年は花が減るか咲きません。
強く切った後は、切り口に癒合剤を塗って乾燥と病気を防ぎます。一度に全体を切るのが不安なら、二年から三年に分けて少しずつ低くします。
- 花後すぐ、五月上旬までに
- 強い切り戻しは新芽の伸びる前が条件です。五月中旬を過ぎると芽の出が遅れ、回復に時間がかかります。
- 切り口に癒合剤
- 直径二センチ以上の切り口には癒合剤を塗ります。乾燥で枯れ込み、雨で腐りが入るのを防ぎます。
- 切った年は肥料と水を丁寧に
- 葉を減らした株は体力を落としています。切り戻し後に追肥(育ちの途中で足す肥料)を一回置き、夏の水切れを避けます。
樹齢の高い株や弱った株は、強く切ると芽が出ないことがあります。一枝を試しに切って芽が出るのを確かめてから全体に手を付けます。
花がら摘みで病気を防ぐ
ツバキの花は丸ごと落ちますが、枝に引っかかって残ることがあります。残った花は湿って灰色のカビを呼び、花腐れの病気の元になります。株元に落ちた花も拾って捨てます。菌が土に残ると翌年の花が茶色く腐って開かなくなります。
| 場面 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 枝に残った花 | 手で取って捨てる | 花弁が茶色くなったら |
| 株元に落ちた花 | 拾って袋に入れて捨てる | 週に一回 |
| 花が茶色く腐って落ちた | 花腐れの疑い。すべて拾う | 土に残さない |
剪定で失敗したときの立て直し
剪定の失敗は翌年の花で分かります。時期が遅くて花芽を落とした、切りすぎて枝が出ない、内部が枯れたのどれかですが、株は生きているので次の花後に正しい時期で整え直せば戻ります。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉は茂るが花が咲かない | 六月以降に枝先を切った | 翌年は五月中旬までに切る |
| 切った枝から芽が出ない | 真夏や冬に切った、株が弱い | 水を切らさず春まで待つ |
| 内部が枯れ込んだ | 刈り込みで表面だけ茂った | 花後に内部の枯れ枝を抜き、外側の枝を間引く |
| 切り口から枯れ込んだ | 癒合剤を塗らなかった | 緑の部分まで切り直して塗る |
ツバキの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ツバキの長く咲かせるコツは作物ページに
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