水やりは根の少なさを前提に考える
ツバキは根が少なく、地植えでも根付くまでの二年は乾燥に弱い木です。根付いてからは雨だけで育ちますが、真夏に雨が一週間以上降らないときは水を与えます。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり与え、夏は朝夕確かめます。
| 時期 | 地植えの目安 | 鉢植えの目安 |
|---|---|---|
| 春(3月〜5月) | 植え付け二年目までは乾いたら | 表面が乾いたら |
| 梅雨(6月〜7月上旬) | 不要 | 土が乾いたときだけ |
| 真夏(7月〜8月) | 一週間雨がなければたっぷり | 朝夕、乾いていれば |
| 秋(9月〜11月) | 雨任せ | 表面が乾いたら |
| 冬(12月〜2月) | 不要 | 乾いたら暖かい日の午前中 |
常緑なので冬も葉から水分が抜けます。冬の鉢を完全に乾かすと、春につぼみが落ちて葉も傷みます。
肥料は花後と秋の二回
ツバキは肥料をあまり必要としません。多く与えると葉ばかり茂って花が減り、枝が徒長します。追肥(育ちの途中で足す肥料)は花後の三月から四月と、九月から十月の二回、緩効性の粒状肥料か油かすを株元から離して置く程度で十分です。
つぼみが付いている秋から冬に窒素の多い肥料を与えると、つぼみが落ちることがあります。秋の肥料はリン酸とカリの多いものを選び、十月中旬までに済ませます。
- 花後の礼肥
- 花が終わったら、緩効性肥料か油かすを規定量、株元から二十センチ離して円を描くように置きます。新芽の伸びが良くなります。
- 九月の秋肥
- 九月中旬から十月上旬に同じ量を置きます。つぼみが太り、冬の寒さに耐える力が付きます。十月中旬以降は与えません。
- 真夏と冬は与えない
- 七月と八月は根が弱っているので肥料を吸えず、冬は生育が止まっています。この時期に与えると根を傷めます。
- 鉢植えは半量
- 鉢は肥料が効きすぎるので、地植えの半量を同じ時期に置きます。葉の縁が茶色くなったら肥料が多い目安です。
つぼみの整理で花を大きくする
ツバキは枝先に複数のつぼみを付けます。すべて咲かせると小さくなり、開かずに落ちるものも出ます。大輪の品種では、一つの枝先につぼみを一つか二つ残し、他は十月ごろに指で取ります。小輪や一重の品種は数で見せるので整理しなくて構いません。
- 十月に枝先を見る
- 十月につぼみが小豆ほどの大きさになったら、枝先ごとに数を数えます。三つ以上付いていれば整理します。
- 大きいつぼみを残す
- 一番大きく健全なつぼみを残し、他は指で横に倒すように取ります。無理に引っ張ると残すつぼみも傷めます。
- 小輪種は整理しない
- 一重や小輪の品種、ワビスケ系はつぼみが多いのが魅力です。整理せずそのまま咲かせます。
夏の乾燥と葉焼けから守る
ツバキが枯れる原因で最も多いのは夏の水切れと葉焼けです。株元を腐葉土やバークチップで五センチほど覆うマルチで、地表の乾燥と温度上昇を抑えます。鉢植えは午後に日陰になる場所へ移し、鉢の側面が熱くならないようにします。
- 梅雨明け前にマルチ
- 梅雨が明ける前に株元を腐葉土かバークチップで覆います。幹に直接触れないよう、幹の周りは少し空けます。
- 夕方に葉を見る
- 夕方に葉が垂れていたら水が足りていません。翌朝たっぷり与え、土の奥まで乾いていれば時間をかけて数回に分けて通します。
- 鉢は半日陰へ
- 鉢植えは七月から九月上旬まで、午前だけ日の当たる場所へ移します。動かせないときは遮光ネットで三割ほど光を弱めます。
葉焼けした葉は茶色くなって戻りません。翌年の新葉に入れ替わるまで残しておき、株の体力を守ります。
冬の管理とつぼみを守る
ツバキは寒さに強く、関東平野部では地植えの防寒は不要です。ただし乾いた北風が当たるとつぼみが茶色くなって落ち、葉が変色します。風の当たる場所では寒冷紗や不織布で風よけをします。鉢植えは軒下に置き、乾いたら暖かい日の午前中に水を与えます。
| 場面 | 冬の管理 | 注意点 |
|---|---|---|
| 地植えの風の当たらない場所 | 何もしない | 落ちた花を拾う |
| 地植えの北風が当たる場所 | 北側に風よけを立てる | つぼみが茶色くなったら風が原因 |
| 鉢植え | 軒下に置き乾いたら水 | 完全に乾かさない |
| 植え付け一年目 | 株元にマルチ、風よけ | 霜柱で根が浮くのを防ぐ |
葉とつぼみで分かるトラブルと直し方
ツバキの不調は葉の色とつぼみの落ち方に出ます。水切れ、風、肥料、虫の四つが主な原因で、症状の出方が違うので見れば切り分けられます。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が茶色く縮れて落ちる | 水切れ | たっぷり水を通し、マルチで覆う |
| 葉の表面が茶色く焼ける | 夏の西日 | 半日陰へ移す。焼けた葉は残す |
| つぼみが茶色くなって落ちる | 寒風か乾燥 | 風よけを立て、冬も水を切らさない |
| つぼみが多く付くが開かない | つぼみの付けすぎ | 十月に一枝一つか二つに整理 |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリ性 | ピートモスと鹿沼土で酸性に戻す |
| 葉に黒いすすが付く | カイガラムシの排せつ物 | 虫を落とし、庭木用の殺虫剤 |
ツバキの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
ツバキの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はツバキの育て方にまとめています。
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