苗は葉のつやと根鉢で選ぶ
ツバキの苗は、葉に厚みとつやがあり、枝が株元から複数に分かれているものを選びます。根が細く活着に時間がかかる木なので、ポットの底から白い根が見える、根鉢が崩れない苗が一年目の生育で差をつけます。
花付きの苗は花の色と形を確かめて買えるのが利点ですが、開花中の株は植え付け後に花を落として体力を戻すこともあります。つぼみが色づいた株なら、植えてから花も楽しめます。
| 見た目 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 葉が厚くつやがあり濃い緑 | よい苗 | 日照と水が足りて育っている |
| 葉が薄く黄色みがかる | 避ける | 根が弱っているか肥料切れ |
| 根鉢が固まり白い根が見える | よい苗 | 植え付け後に根が動きやすい |
| 葉裏に白い綿や黒いすす | 避ける | カイガラムシとすす病が付いている |
ツバキと似たサザンカは秋から冬に咲き、花弁が一枚ずつ散ります。ツバキは冬から春に咲き、花が丸ごと落ちます。買うときに開花期を確かめてください。
植え付けの適期は春と秋
植え付けは花が終わって新芽が動き出す前の三月中旬から四月、または暑さが引いた九月下旬から十月が適期です。根の動きが鈍い木なので、真夏や真冬の植え付けは根が張る前に乾いたり凍ったりして枯れます。
関東平野部では春植えのほうが、梅雨の雨で根が張りやすく安全です。秋植えは冬までに根が張りきらないことがあるので、株元をマルチで覆って霜柱から守ります。
| 地域 | 植え付け適期 | 避ける時期 |
|---|---|---|
| 暖地 | 3月〜4月、10月〜11月 | 7月〜9月中旬 |
| 中間地 | 3月中旬〜4月、9月下旬〜10月 | 7月〜9月中旬、12月〜2月 |
| 寒冷地 | 4月〜5月 | 秋植えは根が張る前に凍る |
場所は半日陰で風の当たらないところ
ツバキは本来、林の中で育つ木です。午前中に日が当たり午後は日陰になる場所か、明るい日陰が最も向きます。終日日が当たる場所でも育ちますが、夏に葉が焼けて茶色くなり、冬の寒風で葉が傷みます。
土は水はけがよく、腐葉土を多く含む弱酸性の土を好みます。石灰を混ぜた畑の跡は避け、粘土質で水がたまる場所は腐葉土と軽石を混ぜて高植えにします。
- 西日と冬の北風を避ける
- 建物の東側か、常緑樹の陰になる場所を選びます。夏の西日は葉焼け、冬の北風は葉の変色とつぼみの落下を招きます。
- 植え穴は根鉢の二倍
- 根鉢の二倍の直径、同じ深さの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を三割ほど混ぜて埋め戻します。元肥(植え付け時に土へ混ぜる肥料)は緩効性のものを少量、根に触れない位置に入れます。
- 鉢は赤玉土七に腐葉土三
- 鉢植えは赤玉土の小粒七に腐葉土三を混ぜます。市販の花木用の土でも構いません。鉢底石を厚めに入れて水はけを確保します。
浅めに植えて支柱で固定する
根鉢の上面が地面と同じ高さになるよう植えます。深植えにすると根が呼吸できず、数年かけて弱ります。ツバキは根が少なく風で揺れると細い根が切れて活着が遅れるので、植え付け後に支柱を立てて幹を固定します。
- 根鉢は崩さない
- ツバキの根は少なく細いので、根鉢はほぐさずそのまま植えます。固く巻いた根だけ底を軽くほぐします。
- 水鉢を作って水を通す
- 株の周りに土手を作り、水をためて根鉢の隅まで水を回します。水が引いたら土手を崩し、株元に腐葉土を敷きます。
- 支柱で幹を固定する
- 幹に沿って支柱を一本立て、幹をひもで結びます。根が張るまでの一年から二年は支柱を残します。
植え付け後一か月は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。根が少ない木なので、この時期の水切れは致命的です。
鉢植えで育てる場合
鉢植えは苗の大きさに対して一回り大きい鉢から始め、二年から三年ごとに植え替えます。根の少ない木なので、大きすぎる鉢は土が乾かず根が腐ります。春と秋は日なた、夏は半日陰、冬は寒風の当たらない軒下に置くと、鉢でも毎年咲きます。
| 鉢 | 苗の大きさ | 注意点 |
|---|---|---|
| 六号鉢 | 高さ三十センチまでの苗 | 一年から二年で七号へ |
| 八号鉢 | 高さ五十センチほど | 二年から三年で植え替え |
| 十号以上 | 高さ一メートル前後 | 受け皿の水をためない |
植え替えは三月か九月下旬に、根鉢の外側の土を三分の一ほど落として新しい土で植え直します。
植え付け後に元気がないときの見分け
ツバキは植え付けから根が張るまで一年から二年かかり、その間は葉が落ちたりつぼみが落ちたりします。多くは活着途中の反応ですが、水と深さと風の三つを見て原因を切り分けると手当てが決まります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が茶色く縮れて落ちる | 水切れ | たっぷり水を通し、株元にマルチ |
| 葉が黄色く落ちるが新芽は出る | 活着途中の葉の入れ替わり | 見守る。夏に水を切らさない |
| つぼみが開かず落ちる | 根が張っていない、寒風 | 支柱で固定し、風よけをする |
| 下葉から黒くなる | 深植えか過湿 | 根鉢の上面が出るよう植え直す |
ツバキの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ツバキの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はツバキの育て方にまとめています。
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