掘り上げるか植えたままにするか
カンナの根茎は凍ると腐るため、土が凍る地域では掘り上げが必要です。関東平野部では厚くわらを敷けば越冬できる年もありますが、寒波の年に全滅するので、確実なのは掘り上げです。暖地なら植えたままでも問題なく、むしろ年々株が大きくなります。
鉢植えは葉が枯れたら地際で刈り、鉢ごと凍らない軒下や玄関に取り込みます。土は乾かし気味にして、月に一回だけ軽く湿らせれば春まで持ちます。鉢のまま越冬させると掘り上げの手間がなく、根茎を傷める失敗も減ります。
| 地域 | 越冬の方法 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 暖地 | 植えたまま、株元にわら | 土が凍らない |
| 中間地 | 掘り上げが確実、厚いマルチでも可 | 最低気温が氷点下5度を下回る年は掘る |
| 寒冷地 | 必ず掘り上げ | 初霜の前に済ませる |
| 鉢植え | 鉢ごと凍らない場所へ | 水を切って葉を刈る |
掘り上げの手順
霜で葉が黒く枯れたら掘り上げの合図です。葉が枯れる前に掘ると根茎に養分が戻り切っておらず、保管中にしぼみます。茎を地際から十センチ残して切り、根茎から二十センチ離れた位置にスコップを入れて大きく持ち上げます。
掘り上げた根茎に付いた土は、乾いてから手で軽く落とす程度にします。水で洗うと乾かすのに時間がかかり、乾き切らないまま保管して腐る原因になります。細い根は付いたままで構いません。
- 葉が枯れてから掘る
- 初霜で葉が黒く枯れたら、一週間以内に掘ります。枯れる前に掘ると根茎がやせ、放置しすぎると凍って腐ります。
- 茎を残して切る
- 茎を地際から十センチ残してはさみで切ります。根茎を持ち上げる取っ手になり、切り口から水が入りにくくなります。
- 根茎を割らずに持ち上げる
- 株元から二十センチ離してスコップを入れ、根茎を傷付けないように土ごと持ち上げます。土は軽く落とす程度で、洗いません。
- 陰干しして乾かす
- 風通しのよい日陰に二、三日置いて表面を乾かします。触って湿り気がなくなったら保管に移ります。
保管の温度と資材
保管の適温は五度から十度で、凍らず暖かすぎない場所を選びます。暖房のある部屋では芽が動き出し、玄関や北側の物置がちょうどよいことが多いです。乾いたピートモスやおがくず、新聞紙で包んで段ボール箱に入れ、湿らせすぎず乾かしすぎない状態を保ちます。
保管中に根茎から出る白い芽は、暖かすぎる証拠です。芽を折らずにもっと涼しい場所へ移し、三月まで芽の伸びを抑えます。芽が十センチ以上伸びてしまったら、鉢に植えて室内の窓辺で育て始めます。
| 状態 | 見た目 | 手当て |
|---|---|---|
| 順調 | 固くて張りがある | そのまま月1回点検 |
| 乾きすぎ | しわが寄って軽い | 霧吹きで包み材を軽く湿らせる |
| 湿りすぎ | 白いカビ、やわらかい部分 | カビを拭き、傷みを切って乾かし直す |
| 芽が動いた | 白い芽が伸びている | 涼しい場所へ移し、3月なら鉢に植える |
ビニール袋で密閉すると蒸れて腐ります。紙袋か段ボールで、空気が通る状態にしてください。
春の株分けで増やす
一年育てた根茎は元の二、三倍に増えています。植え付けの直前に、芽が二、三個付くように手で折るか清潔なナイフで切り分けます。切り口は一日乾かしてから植えると腐りにくくなります。分けすぎると一株が小さくなって花が遅れるので、初心者は三芽以上を目安にします。
株分けの道具は使う前に熱湯か消毒用のアルコールで清潔にします。ウイルス病はナイフを介して広がるので、病気の疑いがある株の根茎は分けず、他の株と別に扱ってください。
- 芽の数を数える
- 根茎全体で芽がいくつあるか確かめます。芽が三つ以上残るように分ける位置を決め、細くつながった部分で折ります。
- 切り口を乾かす
- 切り分けた根茎は半日から一日、日陰で切り口を乾かします。すぐ植えると切り口から腐りが入りやすくなります。
- 小さい片は鉢で養生
- 芽が一つしかない小さな片は、露地でなく鉢で育てます。今年は花が少なくても、来年には十分な大きさの根茎になります。
保管に失敗したときの見分けと戻し方
春に箱を開けて根茎がしぼんでいたり一部が腐っていたりしても、固くて芽のある部分が残っていれば再生できます。腐った部分を切り落とし、切り口を乾かして植えます。全体がぶよぶよで芽が黒いものは回復しないので、新しい根茎を買い直します。
買い直す根茎は三月の早い時期に選ぶと、状態のよいものが多く残っています。前年の失敗が湿りすぎなら乾いた資材を増やし、乾きすぎなら包み方を厚くして、同じ失敗を繰り返さないようにします。
| 春の状態 | 判断 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 少ししわ、芽は固い | 植えれば育つ | 一晩水に浸けてから植える |
| 一部が腐り、芽は残る | 切り分ければ育つ | 腐りを切り、1日乾かして植える |
| 全体がやわらかく芽が黒い | 回復しない | 処分して買い直す |
カンナの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
カンナの長く咲かせるコツは作物ページに
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