植え付けの時期は地温で決める
カンナは熱帯原産で、球根 (正しくは根茎) は地温が十五度を下回ると動きません。桜が散って八重桜が終わる頃、関東平野部なら四月下旬から五月中旬が植え付けの適期です。早く植えても芽が出ないまま土の中で腐るだけなので、焦らないことが最初の判断です。
買った球根は袋に入ったまま暖かい室内に置き、植え付けまで乾かさないように新聞紙にくるんでおきます。芽がわずかにふくらんできたら植え頃の合図と考えてください。
園芸店に並ぶ根茎は三月から四月が最も種類が多く、五月に入ると売り切れます。買う時期と植える時期がずれるので、買ったあとの保管を前提に考えてください。
| 地域 | 植え付けの適期 | 目安になる自然の合図 |
|---|---|---|
| 暖地 | 4月上旬〜4月下旬 | 八重桜が散り始める |
| 中間地 | 4月下旬〜5月中旬 | 藤の花が咲き終わる |
| 寒冷地 | 5月下旬〜6月上旬 | 遅霜の心配がなくなる |
遅霜が来る地域では、植え付けを一週間遅らせるほうが結果的に早く咲きます。霜で芽が傷むと出直しに三週間かかります。
芽の向きと植える深さ
根茎はしょうがのような形で、節ごとに小さな芽が付いています。芽が上を向くように横に寝かせて置き、上に五センチほど土をかぶせます。深く埋めるほど芽が出るまでに日数がかかり、浅すぎると夏の乾きで根茎が傷むため、指の長さ程度を目安にします。
植え付けのときに根茎を切り分けて増やすこともできますが、初めての年は分けずにそのまま植えるほうが花は確実です。切り口を作ると腐りの入口になるので、分けるなら切り口を一日乾かしてから植えてください。
- 芽のある面を確かめる
- 根茎を手に取って、白っぽくとがった芽が付いている面を上にします。芽が見当たらないときは、細い根が出ている側を下にして置けば向きは合います。
- 植え穴を広く浅く掘る
- 根茎の長さより一回り広く、深さ十センチほどの穴を掘ります。底に土を戻して根茎を横に寝かせ、芽の上に五センチほど土が乗る高さに調整します。
- 土をかぶせて軽く押さえる
- 土をかぶせたら手のひらで軽く押さえ、たっぷり水をやります。以後は芽が出るまで土の表面が乾いてから水をやる程度で、湿らせ続けないのがこつです。
- 芽が出たら株元を整える
- 二、三週間で赤や緑の筒状の芽が出ます。周りの土が沈んで根茎が見えていたら土を足し、雑草を抜いて風通しを保ちます。
株間と植える場所
カンナは一株で幅五十センチ以上に広がる大型の草花です。株間は四十から六十センチを取り、日当たりのよい場所を選びます。半日陰でも葉は育ちますが、花数は日当たりに正比例するので、南向きで一日六時間以上日が当たる場所が理想です。
風の強い場所では高性種が倒れやすいので、建物や塀の南側など風下になる位置を選びます。一株の広がりが大きい分、隣に植える草花とは五十センチ以上離しておくと、夏に葉が重なって蒸れることを防げます。
| タイプ | 草丈の目安 | 株間 |
|---|---|---|
| 高性種 | 150〜200センチ | 60センチ |
| 中性種 | 80〜120センチ | 50センチ |
| 矮性種 | 40〜70センチ | 40センチ |
鉢植えにするときの容器と土
鉢植えでは根茎の張るスペースが花数を決めます。矮性種でも八号 (直径二十四センチ) 以上、高性種は十号以上の深鉢を使ってください。土は市販の草花用培養土で十分ですが、水持ちを良くするために腐葉土を二割ほど混ぜると夏の水切れが減ります。
- 鉢底に石を入れる
- 深鉢の底に鉢底石を三センチほど敷き、水はけを確保します。カンナは水を好みますが、停滞水で根茎が腐りやすいので排水の道を作っておきます。
- 根茎は鉢の中央に一つ
- 八号鉢なら根茎は一つが限度です。二つ入れると根が絡み合い、どちらも花が小さくなります。増やしたいときは鉢を分けます。
- 元肥は控えめに
- 元肥(植え付けのときに土へ混ぜておく肥料)は緩効性の粒状肥料を規定量の半分ほど混ぜます。多いと根茎が腐るので、足りない分は芽が出てから追肥で補います。
芽が出ないときの原因と立て直し
植えて四週間たっても芽が出ないときは、まず一度掘り上げて根茎を触って確かめます。固くて白い芽があるなら地温不足なので、そのまま埋め戻して待ちます。ぶよぶよして黒ずんでいたら腐りが入っているので、腐った部分を切り落として乾かし、新しい土に植え直します。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 固くて芽が動かない | 地温が15度に届いていない | 埋め戻して2週間待つ |
| 一部がやわらかい | 水のやりすぎで腐り始め | 傷んだ部分を切り、乾かして植え直す |
| 全体が黒くつぶれる | 植え付けが早すぎて凍み腐れ | 処分して新しい球根を求める |
| 芽が出たあと止まった | 遅霜か強い乾燥 | 株元にわらを敷いて保温と保湿 |
掘り上げるときは芽を折らないよう、根茎から十センチ離して大きく土ごと持ち上げます。
カンナの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
カンナの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカンナの育て方にまとめています。
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