一年の流れを先に見る
セルリーは植えてから穫るまで三か月から四か月かかります。五月に植えれば夏を越して秋まで、九月に植えれば涼しい時期に育って十二月までという二つの流れになります。ここでは秋の作型を中心に並べます。
| 月 | 主な作業 | 見ておく点 |
|---|---|---|
| 5月 | 春植えの苗を植える、敷きわら | 遅霜が終わってから植える |
| 6〜7月 | 肥料と土寄せ、水を切らさない | 葉柄が太り始めているか |
| 8月 | 日よけ、朝の水やり、秋植えの準備 | 暑さで生育が止まっていないか |
| 9月 | 秋植えの苗を植える、春植えの収穫 | 植え付けは中旬までに |
| 10月 | 肥料と土寄せ、株が広がる | 中心の葉が土に埋まっていないか |
| 11月 | 軟白の準備、収穫開始 | 外葉が親指の太さになったか |
| 12月 | 霜の前に穫り切る、片づけ | 霜の予報が出ていないか |
植え付けまでの準備
植える二週間前に苦土石灰、一週間前に堆肥と肥料を入れて深く耕します。セルリーは肥料も水もよく使う野菜なので、この土づくりの手間が最後の太さに直結します。
苗は本葉五枚から六枚で、株元がしっかりしたものを選びます。細長く伸びた苗は植えても太らないので、少し高くても姿のよいものを買うほうが結果的に得です。
- 2週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルあたり百五十グラム入れて、深さ三十センチまでしっかり耕しておきます。
- 1週間前に堆肥と肥料
- 堆肥を三キロ、化成肥料を百五十グラム入れて耕し、幅六十センチの畝を立てておきます。
- 株間30〜40センチで植える
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるように浅く植え、株元にたっぷり水をやって土をなじませます。
植えたあとの二か月
植えて二週間後から肥料を与え始め、以後二週間から三週間ごとに続けます。肥料をまくたびに土を株元へ寄せると、株が安定して地際の葉柄も白くなります。
この時期の目安は、一か月で葉が立ち上がり、二か月で株の直径が三十センチを超えていることです。ここまで来れば、三か月目に葉柄が一気に太ります。
- 2週間後に一回目の肥料
- 株元から十五センチ離した輪にまき、土と混ぜながら株元へ寄せ、そのあと水をやります。
- 2〜3週間ごとに繰り返す
- 同じ作業を収穫の一か月前まで続けます。切らすと葉柄が細く固くなり、太さが戻りません。
- 敷きわらを入れる
- 植えて二週間後に株元を厚さ三センチほど覆います。乾きと泥はねを同時に防げて手間が減ります。
暑い時期と寒い時期の守り
春に植えた株は七月から八月がいちばんつらい時期です。生育が止まり、葉が固くなります。日よけと朝の水やりで乗り切れば、九月から再び伸び始めます。
秋に植えた株は十一月下旬から寒さで生育が緩みます。不織布をかけると十二月まで太り続けますが、霜が本格化する前には穫り切るほうが安全です。
どちらの作型でも、気温が二十度前後の時期にどれだけ株を太らせられるかで出来が決まります。暑さと寒さの時期は伸ばす時期ではなく守る時期だと割り切ると、手をかける先を間違えずに済みます。
| 時期 | 起きること | 手当て |
|---|---|---|
| 7〜8月 | 生育が止まり葉が固くなる | 寒冷紗で日を弱め、朝にたっぷり水をやる |
| 9月の長雨 | 株元が蒸れて外葉が傷む | 傷んだ葉を取り除き、株間の風を通す |
| 11月下旬 | 生育が緩やかになる | 不織布をかけて温度を保つ |
| 12月中旬以降 | 霜で葉柄が傷む | 予報を見て前日までに穫り切る |
収穫と片づけ
十一月から収穫が始まります。外葉を二、三本ずつかき取れば一か月以上使え、まとめて必要なときは株ごと地際で切ります。白くしたいなら、穫る二、三週間前から包み始めます。
十二月に穫り終えたら、株を抜いて畝を耕します。セルリーはセリ科なので、続けて同じ場所で作ると生育が落ちます。一年から二年空けるか、場所を変えて次の作物に切り替えます。
- 11月に穫り始める
- 外葉が親指の太さになったらかき取りを始めます。株に八枚以上は葉柄を残しておいてください。
- 12月中旬に穫り切る
- 霜が降りる前に残りを株ごと収穫します。切ったあとは冷暗所か野菜室に立てて保存します。
- 抜いて土を休ませる
- 株を抜いて堆肥を入れて耕し、セリ科以外の作物に切り替えます。連作は避けてください。
作業が遅れたときの取り戻し方
植え遅れや肥料忘れがあっても、セルリーは途中から立て直せることがあります。遅れた作業ごとに、いま何をすれば収穫につながるかを決めておくと迷いません。
| 遅れた作業 | 起きること | 取り戻し方 |
|---|---|---|
| 植え付けが10月にずれた | 寒さで太る前に冬が来る | 不織布とトンネルで保温し、小株で穫る |
| 肥料を1か月忘れた | 葉柄が細く固くなる | すぐ与えて10日後にもう一度。以後は通常の間隔に |
| 土寄せをしなかった | 株が倒れ地際が汚れる | 倒れた株を起こしてから、2回に分けて寄せる |
| 軟白の時期を逃した | 緑のまま穫ることになる | そのまま穫る。香りが強く炒め物に向く |
セルリーの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
セルリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はセルリーの育て方にまとめています。
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