苗から始めるか種から始めるか
セルリーの種はごく細かく、光が当たらないと発芽しないうえ、芽が出るまでに二週間ほどかかります。発芽の適温も十五度から二十度と幅が狭く、家庭で育苗するとそろわないことがよくあります。
数株を育てるだけなら、春に出回る苗を買うほうが確実で早道です。種から始めるのは、たくさん作りたいときや、好きな品種の苗が手に入らないときと考えておくとよいでしょう。
| 始め方 | 植えどき | 最初の収穫 |
|---|---|---|
| 春の苗を買う | 5月上旬〜6月上旬 | 7月下旬〜10月 |
| 夏の苗を買う | 8月下旬〜9月中旬 | 11月〜12月 |
| 春に種をまく | 2〜3月に室内で育苗 | 苗づくりに2か月かかる |
| 夏に種をまく | 6〜7月に涼しい場所で育苗 | 秋植えの苗を自分で作るとき |
苗は本葉が五枚から六枚あり、株元がしっかりしたものを選びます。徒長(間のびして弱ること)した苗は植えても太りません。
植える時期を選ぶ
セルリーの生育に適した温度は十五度から二十度で、暑さにも寒さにも強くありません。関東平野部では、五月に植えて夏を越させる作型と、九月に植えて秋に育てる作型の二つが現実的です。
初めて育てるなら秋の作型がすすめられます。九月に植えれば生育の中心が十月から十一月の涼しい時期に来るので、暑さで株が傷むことがなく、虫の被害も少なくて済みます。
- 秋作を選ぶ
- 八月下旬から九月中旬に苗を植えます。十一月から十二月に収穫でき、暑さの心配がありません。
- 春作は日よけを用意
- 五月に植えるなら、七月から八月の暑い時期に寒冷紗をかけられるよう準備しておきます。
- 霜の前に穫り切る
- セルリーは霜に弱く、当たると葉柄が傷みます。十二月中旬までに穫り終える計画にします。
土づくりは深く、たっぷりと
セルリーは肥料をよく吸い、水も多く必要とする野菜です。植える二週間前に苦土石灰を一平方メートルあたり百五十グラム、一週間前に堆肥を三キロと化成肥料を百五十グラム入れて、深さ三十センチまで耕します。
堆肥を多めに入れるのは、養分のためだけでなく水持ちをよくするためです。乾きやすい土では茎が筋張り、割れの原因にもなるので、ふかふかで水を抱える土を作っておきます。
- 二週間前に石灰を入れる
- 苦土石灰をまいて深さ三十センチまで耕します。土の酸度が高いと根が張らず、生育が止まります。
- 一週間前に堆肥と肥料
- 堆肥を多めに入れて耕し、幅六十センチ、高さ十センチの畝を立てて土を落ち着かせます。
- 水はけも確かめる
- 水を好みますが、たまり続けると根が傷みます。長雨で水が引かない場所は畝を高くします。
植え付けの手順
セルリーは大きく育つと株の直径が四十センチを超えます。株間は三十センチから四十センチ、二列にするなら列の間も四十センチ取ると、株元まで光が届いて茎が太ります。
浅植えが基本です。株元の生長点が土に埋まると新しい葉が出られず、そこから腐ることもあります。根鉢の上面が地面と同じ高さになるように置きます。
- 植え穴に水を入れる
- 根鉢が入る大きさの穴を掘り、先に水を注いで引くまで待ちます。乾いた土に植えるより活着が早くなります。
- 根鉢を崩さず置く
- ポットから抜いた苗は根鉢を崩さず置きます。セルリーの根は細く、崩すと傷んで伸び直しに時間がかかります。
- 浅く植える
- 根鉢の上面を地面と同じ高さにします。深植えすると株元が埋まって新しい葉が出られません。
- たっぷり水をやる
- 植えたあと株元にたっぷり与えます。以後も土を乾かさないことが、この野菜の育て方の中心になります。
植えた直後に強い日が当たると葉がしおれます。夏の植え付けでは数日だけ寒冷紗をかけると株が落ち着きます。
品種で育てやすさが変わる
一口にセルリーといっても、太い葉柄を穫る大型のものから、香りづけに使う細い茎のものまであります。家庭菜園では小型のものやスープ用のものが育てやすく、失敗が少なくて済みます。
| タイプ | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 緑色の大型種 | 葉柄が太く香りが強い。定番 | 畑で株間40センチを取れるとき |
| 白色系の品種 | 軟白すると柔らかく苦みが少ない | 土寄せや遮光の手間をかけられるとき |
| 小型の品種 | 株が小さく育てやすい | プランターや初めて育てるとき |
| 香りづけ用の細い品種 | 茎は細いが香りが濃い | 薬味やスープに少量ずつ使うとき |
根づかないときの原因と手当て
植えて一週間たっても新しい葉が出ないときは、水切れ、深植え、暑さのどれかです。セルリーの根は乾きにとても弱いので、まず水の与え方から確かめると立て直せます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が垂れて夕方も戻らない | 水切れ | 朝夕に水をやり、株元を敷きわらで覆う |
| 葉が黄色くなる | 深植えか根の傷み | 株元の土を少しよけ、水やりの量を見直す |
| 昼だけしおれる | 夏の高温 | 寒冷紗で日を弱める。夕方に戻るなら問題ない |
| 新しい葉が出ない | 肥料の当たりか根鉢の崩しすぎ | 水を多めに与えて薄め、2週間待つ |
セルリーは植えてから収穫まで三か月から四か月かかります。最初の一か月は伸びが遅く見えますが、根が広がっている時期です。
セルリーの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
セルリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はセルリーの育て方にまとめています。
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