一年の流れを一覧で見る
ハヤトウリの一年は、夏まで何も穫れないのが特徴です。五月から八月は体を作る期間で、収穫は九月から十一月に集中します。この形を知っておくと、夏に花がつかなくても慌てずに済みます。
| 月 | 作業 | 目安と注意 |
|---|---|---|
| 1〜3月 | 種用の実の保管 | 凍らせない。五度から十度を保つ |
| 4月 | 土作り・棚の準備 | 深さ四十センチまで耕し、棚を組んでおく |
| 4月下旬〜5月 | 植え付け | 実を斜めに半分埋める。遅霜が去ってから |
| 5〜6月 | つるの誘引 | 芽を二本か三本に絞り、棚へ導く |
| 6月 | 追肥開始 | 月に一回。つるの広がりに沿ってまく |
| 7〜8月 | 水やり・葉の整理 | 実はつかない。体を作る時期と割り切る |
| 9月 | 開花・追肥を強める | 花が咲き始める。追肥を二週おきに |
| 10月 | 収穫最盛 | 十センチほどの若い実から順に穫る |
| 11月 | 収穫終盤・種用の選別 | 初霜まで。傷のない実を種用に取り分ける |
| 12月 | 片づけ | つると棚を片づけ、根も掘り上げる |
冬から春の準備
一月から三月は、種用の実を守ることだけが仕事です。凍らせないよう五度から十度の場所に置き、月に一度は腐っていないか確かめます。二月の終わりごろから実の先に芽が動き始めます。
四月は棚と土の準備です。棚は植え付け前に組んでおくほうが楽です。つるが伸びてから組もうとすると、つるを傷めながらの作業になって難儀します。
- 実を確かめる
- 月に一度、保管中の実を見ます。柔らかくなったものを取り除き、残りの実に腐りが移らないようにします。
- 4月に棚を組む
- 植え付けの前に高さ二メートルの棚を組んでおきます。あとから組むとつるを痛める作業になります。
- 深く耕す
- 植える二週間前に深さ四十センチまで耕し、完熟堆肥をたっぷり入れます。一株が大きいので土量が要ります。
五月から六月の立ち上げ
五月上旬、遅霜が去ってから実を植えます。芽が出るまで二週間から四週間かかるので、遅くても掘り返さないでください。芽が出たら勢いのよいつるを二本か三本に絞ります。
六月に入るとつるが一日十センチ以上伸びる勢いになります。棚へ誘引し、月一回の追肥を始めます。この時期の伸びが、秋の収穫量をそのまま決めます。
- 5月上旬に植える
- 割れ目を下にして四十五度に傾け、実の下半分だけを埋めます。たっぷり水を与えて待ちます。
- 芽を絞る
- 複数の芽が出たら、太いものを二本か三本残して残りを切ります。混みすぎを最初に防ぎます。
- 6月に追肥開始
- つるが一メートルを超えたら月一回の追肥(育ちの途中で足す肥料)を始めます。つるの先の地面あたりにまくのが目安です。
七月から八月の我慢の時期
七月と八月は何も穫れません。ここで「失敗した」と思って抜いてしまう人がいますが、ハヤトウリはこういう作物です。夏に葉を茂らせて体を作り、秋にまとめて実をつけます。
この時期にやることは水やりと葉の整理だけです。朝からしおれていたら水を与え、黄色い葉を取って風を通します。棚の上でつるが重なりすぎないよう、ときどき広げてやってください。
- 朝の姿を見る
- 朝の時点で葉がしおれていたら水切れです。昼にしおれて夕方戻るなら正常なので、与えなくて構いません。
- 黄色い葉を取る
- 下のほうの黄色い葉を付け根で取ります。風が通り、うどんこ病の広がりが遅くなります。
- つるを広げる
- 棚の上で固まっているつるを手で左右に振り分けます。日が均等に当たると秋の実つきが揃います。
九月から十一月の収穫
九月に日が短くなると花が咲き始めます。ここから追肥を二週間おきに強め、水も切らさないようにします。十月が収穫の最盛期で、十センチほどの若い実から順に穫っていきます。
十一月の初霜で株は終わります。霜に当たった実は保存が利かないので、予報が出たらすべて穫り切ってください。そのうち傷のない大きな実を、翌年の種用に取り分けます。
- 9月に追肥を強める
- 花が見え始めたら二週間おきの追肥に切り替えます。実の数が多く、肥料の消費が急に増えます。
- 10月に穫り続ける
- 長さ十センチほどの若い実から順に穫ります。ためこむと株が疲れ、後半の実が小さくなります。
- 霜の前に穫り切る
- 初霜の予報が出たらすべて収穫します。霜に当たった実は保存が利かず、種用にもなりません。
- 種用を選ぶ
- 十月から十一月に穫った実のうち、傷のない大きなものを数個選んで新聞紙に包み保管します。
時期を外したときの立て直し
ハヤトウリは植え付けが遅れると、体を作る時間が足りずに収穫が減ります。それでも七月までに植えられれば、少ないながら実は穫れます。八月以降は間に合わないので、翌年に回すほうが賢明です。
| 時期 | 遅れたときの見通し | 対応 |
|---|---|---|
| 5月中に植えた | 問題なし | 通常どおり |
| 6月に植えた | 収穫量が2〜3割減る | 追肥を早めに始めて体づくりを急ぐ |
| 7月に植えた | 収穫は10個ほどに減る | 棚を小さくし、こまめに追肥する |
| 8月以降 | 露地では間に合わない | 実を保管して翌年の春に回す |
ハヤトウリの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ハヤトウリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハヤトウリの育て方にまとめています。
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