仕立て方を先に決める
ハヤトウリはウリの仲間の中でも群を抜いてよく伸びます。一株で棚一面を覆うと考えてください。支柱を数本立てる程度では途中で倒れます。植える前に、どの形で受け止めるかを決めておくことが何より大切です。
家庭でよく使われるのは、平らな棚、フェンスへの誘引、そして庭木への誘引の三つです。どれを選ぶかで必要な資材も作業量も変わります。
| タイプ | 組み方 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 平棚 | 支柱で高さ二メートルの平らな棚 | 広い庭や畑。実が垂れて穫りやすい |
| フェンス誘引 | 既存のフェンスにネットを張る | 細長い場所。日当たりの片寄りに注意 |
| 庭木に登らせる | 枝に絡ませる | 手軽だが収穫しにくい。木が弱ることも |
| ベランダ | 現実的でない | つるが長すぎる。地植え向きの作物 |
棚の組み方
平棚にするなら、高さ二メートルほど、広さは三メートル四方を目安にします。支柱は太いものを使い、四隅と中間に立てて深く挿してください。つると実の重さは想像以上で、細い支柱では夏に沈みます。
上部にはネットを張るか、竹や太い針金を格子に組みます。実が垂れ下がる形になるので、頭がぶつからない高さを確保しておくと収穫が楽になります。
- 支柱を深く挿す
- 太さ二センチ以上の支柱を、深さ四十センチまで挿します。浅いと台風で棚ごと倒れ、つるも実も失います。
- 上部を組む
- 支柱の上を横棒でつなぎ、四角い枠を作ります。角は交差させて二か所以上で縛り、揺れないようにします。
- ネットを張る
- 枠の内側に目の粗いネットを張ります。たるみがあると実の重みで沈むので、四辺をしっかり引いて留めます。
- 斜めのひもを引く
- 株元から棚の縁まで斜めにひもを張ります。つるが登る道になり、地面を這うのを防げます。
台風の通り道になる地域では、棚を低めにするか、風の抜ける方向に組むと被害が減ります。二メートル以上の棚は風を受けやすくなります。
つるの誘引
つるが伸び始めたら、最初の一メートルほどは手で誘導します。巻きひげが何かに触れれば自分で絡みますが、触れるものがないと地面を這って伸び、実がつきにくくなります。
棚に上がったあとは、つるが同じ場所に固まらないよう、ときどき手で広げてやります。棚の上に均等に葉が広がると、日がまんべんなく当たって実つきがよくなります。
- 最初は結んで導く
- つるの先を折らないよう、ひもにゆるく結んで棚へ導きます。強く縛るとつるが太ったときに切れます。
- 棚の上で広げる
- 棚に上がったつるを手で左右に振り分け、重ならないように広げます。日が均等に当たると実つきが揃います。
- 地這いを直す
- 地面を這っているつるは持ち上げて棚に乗せます。地面のままだと実が土に触れて腐ります。
つるの整理と摘心
ハヤトウリは親づるより子づる、孫づるに実がつきます。親づるが棚の端まで届いたら先端を切る摘心(先端を切って枝分かれを促すこと)をして、枝分かれを増やすと実の数が増えます。
夏になると葉が重なって内側が暗くなります。古くなった黄色い葉や、実のつかない細いつるを切って、光と風を通してください。ただし切りすぎると実が日に焼けるので、全体の二割までにします。
- 親づるを摘心する
- 親づるが棚の端まで伸びたら先端を切ります。子づるが出て枝分かれし、実のつく枝が増えます。
- 古い葉を取る
- 黄色くなった下の葉を付け根で取ります。風が通って病気が減り、内側のつるにも日が入ります。
- 細いつるを切る
- 花も実もつけずに伸びている細いつるを切ります。棚が混み合うのを防ぎ、養分を実に回せます。
- 切りすぎない
- 一度に取るのは全体の二割までにします。葉を減らしすぎると実が日に焼け、白く硬くなります。
風と重みへの備え
実がつき始める九月以降、棚には相当な重さがかかります。一株で百個近く実がつくこともあり、一つが三百グラムほどあると考えると全体の重さは無視できません。支柱がたわんでいないか、月に一度は見てください。
台風の前には、垂れ下がった実を先に穫っておくと重さが減ります。棚が傾いたら、支柱を足して支え直します。倒れてからでは根が切れ、その年の収穫が終わってしまいます。
- 支柱のたわみを見る
- 月に一度、支柱が曲がっていないか、地面から浮いていないか確かめます。傾く前に足すのが肝心です。
- 台風前に実を穫る
- 予報が出たら、穫れる大きさの実を先に穫ります。重さが減るだけで棚の持ちこたえ方が変わります。
- 支柱を足す
- たわみが出たら中間に支柱を追加します。棚全体を持ち上げるつもりで、たわんだ場所の真下に立てます。
棚が倒れたときの手当て
台風で棚が傾いたり倒れたりしても、根が無事なら立て直せます。急いでつるを引っ張ると根が切れるので、まず棚を持ち上げ、支柱を挿し直してから、つるを少しずつ元の位置に戻してください。
| 状態 | 根の様子 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 棚が傾いただけ | 無事 | 支柱を足して持ち上げ、つるはそのままにする |
| 棚が倒れつるが地面に | 株元が浮いている | 株元に土を寄せて踏み、棚を組み直す |
| つるが途中で切れた | 根は無事 | 切れた先はあきらめ、残ったつるを誘引し直す |
| 株元が折れた | 根から離れた | その年は終了。実を穫り切って片づける |
つるが折れても、根と株元がつながっていれば新しい子づるが出ます。九月なら間に合うので、あきらめずに追肥して待ってください。
ハヤトウリの支柱立てに使うもの
支柱は倒れてから足すと、そのときにはもう根を傷めています。植え付けと同時に立てるつもりで用意します。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 支柱(イボ竹)探す言葉「園芸支柱 210cm 11mm」
- 規格の目安
- 直径 11mm × 長さ 210cm が標準。背の低い作物なら 150cm・直径 8mm でも足ります。
- 数量の目安
- 株間 45cm で 6 株なら 6〜7 本。合掌に組むなら横に渡す 1 本を足します。
直径 8mm は実の重さが乗るとしなります。実物野菜は 11mm 以上を選ぶと、収穫期に立て直さずに済みます。
- 誘引テープ・麻ひも探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後の伸びる園芸テープか、麻ひも。
茎は太るので、きつく縛ると食い込みます。8 の字にゆるく掛けるのが基本です。
- 支柱ジョイント探す言葉「支柱 ジョイント 11mm」
- 規格の目安
- 支柱の太さに合ったもの(11mm 用・8mm 用)。直交と自在の 2 種類があります。
交差部をひもで縛るとゆるみます。ジョイントなら風で揺すられても位置がずれません。
- 支柱は使い捨てにしません。洗って乾かせば何年も使えます。
- ネットを張る作物でなければ、きゅうりネットは要りません。
ハヤトウリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハヤトウリの育て方にまとめています。
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