水やりは時期で切り替える
かんきつ類は乾燥にやや強い反面、実が付いている時期に水を切らすと落果します。鉢植えは土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えるのが基本で、夏は朝夕の二回、冬は週一回程度に減らします。地植えは根付いた後は雨で足りますが、夏に十日以上晴れが続いたらたっぷり与えます。
与える時間は朝が基本です。夕方の水やりは夏の蒸れと冬の凍結を招きます。真夏だけは夕方にも与え、葉に水をかけず株元に注ぎます。
受け皿にたまった水は必ず捨てます。かんきつは根が水に浸かった状態が続くと数日で根腐れが始まり、葉が黄色くなって落ちます。冬に室内へ入れてからは特に忘れやすいので、水やりのたびに受け皿を確かめる習慣を付けます。
| 時期 | 鉢植えの目安 | 地植えの目安 |
|---|---|---|
| 三から五月 | 表面が乾いたら二から三日に一回 | 不要 |
| 六から七月 | 毎日朝一回 | 十日晴れたらたっぷり |
| 八から九月 | 朝夕二回、水切れ厳禁 | 週一回 |
| 十から十一月 | 二から三日に一回 | 不要 |
| 十二から二月 | 週一回、室内なら十日に一回 | 不要 |
指を第二関節まで土に入れて乾いていれば与えます。表面だけ乾いて中が湿っていることが多いので、表面の色で判断しません。
肥料は年三回
かんきつ類は肥料をよく吸う果樹で、不足すると葉が黄色くなり実が小さくなります。三月の春肥、六月の追肥(育ちの途中で足す肥料)、十月から十一月のお礼肥の三回が基本です。かんきつ用か果樹用の有機配合肥料が使いやすいです。
鉢植えは規定量の半分から三分の二にし、回数を増やすほうが安定します。肥料の入れ過ぎは根を傷め、葉先が茶色く枯れます。特に化成肥料は効きが早い分、量を間違えると一週間ほどで葉に出るので、袋の表示より少なめから始めて葉の色を見ながら足します。
- 三月の春肥
- 芽が動く前に、鉢の縁に沿って緩効性の有機肥料を置きます。一年分の三から四割をここで与える感覚です。
- 六月の追肥
- 実が付き始めたら化成肥料か有機肥料を少なめに与えます。実の肥大を助け、夏枝の勢いを抑えます。
- 十一月のお礼肥
- 収穫前後に緩効性の肥料を少量施し、樹の体力を回復させます。室内に取り込んだ後は与えません。
葉が濃い緑で枝ばかり伸びるなら多過ぎです。翌年は六月の回を抜きます。
実の間引きで大きな実を採る
シトロンの実は大きく、一つ育てるのに三十から四十枚の葉が要ります。葉果比(実一つあたりの葉の数)が足りないと実が小さく、翌年の花も減ります。七月から八月に、葉の数を数えて実の数を決めます。
- 六月の生理落果を待つ
- 六月に小さな実がぽろぽろ落ちるのは自然な調整です。落ち着くまで人の手で間引きません。
- 七月に葉の数で残す実を決める
- 枝一本に付いた葉を数え、三十枚に一つを目安に残します。傷のある実、日が当たらない位置の実から落とします。
- 若木は実を付けない
- 植えて二年目までは、花が咲いても実を全部落とします。樹を育てるほうが、結果的に早く多く採れます。
実の数を決めたら、残した実の周りのとげを根元から切っておきます。風で実がとげに当たると傷が付き、そこから腐って落ちる原因になります。
マルチングと夏の暑さ対策
鉢植えは真夏に鉢の温度が四十度を超え、根が傷みます。株元にバークチップやわらを敷いて乾きを抑え、鉢の側面に直射日光が当たらないよう二重鉢にするか、すだれで覆います。
- 六月末に敷き材を置く
- 梅雨明け前に株元へバークチップかわらを三から五センチ敷きます。幹に直接触れないよう少し空けます。
- 鉢を二重にする
- 一回り大きい鉢に入れて隙間に土や新聞紙を詰めると、鉢の温度上昇が抑えられます。外側の鉢は白や明るい色のものを選ぶと、日差しをはね返してさらに効果が上がります。
冬の水と肥料
室内に取り込んだ冬は生育が止まるので、水は土が乾いてから数日後に与える程度で足ります。暖房で空気が乾くと葉が落ちるので、葉に霧吹きをするか加湿します。肥料は一切与えません。
| 場面 | 水やり | 注意 |
|---|---|---|
| 室内の窓辺 | 十日に一回程度 | 暖房の風を避け霧吹き |
| 軒下 | 週一回、暖かい日の午前 | 夜に凍る日は与えない |
| 地植え | 不要 | 不織布で覆う |
葉の色と実の様子から手当てを決める
水と肥料の過不足は葉と実に先に出ます。直近二週間の天気と水やりの回数を思い出しながら、次の表で原因を切り分けます。かんきつは症状が出てから回復するまで一か月ほどかかるので、手当てをしたらすぐに次の手を打たず、新しい葉の色で判断します。
| 見た目 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉全体が黄色く薄い | 肥料不足か根詰まり | 追肥を足し、春に植え替え |
| 葉脈だけ緑で間が黄色い | 鉄やマグネシウムの不足 | 微量要素入りの肥料か液肥 |
| 葉先が茶色く枯れる | 肥料の与え過ぎ | 水で流し、次の回を抜く |
| 実が小さいまま止まる | 実の付け過ぎか水不足 | 摘果と肥大期の水を安定 |
| 夏に実が落ちる | 水切れ | 朝夕の水やりと敷き材 |
手当てを始めて一か月たっても新しい葉が黄色いままなら、鉢から抜いて根を確かめます。黒く柔らかい根が多ければ根腐れなので、傷んだ根を切って新しい用土に植え直します。
シトロンの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
シトロンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシトロンの育て方にまとめています。
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