採り時の見分け方
五月に咲いた花の実は、十一月から十二月に黄色く色づきます。果皮全体が濃い黄色になり、手で持って強い香りがすれば採り頃です。緑が残っていても香りは十分あるので、寒さで取り込む前に採っても構いません。
シトロンは果肉がほとんどなく酸味が強いので、そのまま食べる果実ではありません。厚い白い皮の部分と香りの強い黄色い皮が主役で、砂糖漬けや菓子の香り付けに使います。採り時を過ぎても皮の品質はしばらく保てます。
| 見た目 | 熟し具合 | 判断 |
|---|---|---|
| 緑で固い | 未熟 | 待つ。寒さで取り込むなら採っても可 |
| 黄緑で香りが出てきた | 採れる | 皮を使うなら採れる |
| 全体が濃い黄色 | 適期 | 採る |
| 黄色が濃くなりへこみが出る | 熟し過ぎ | すぐ採って使う |
仏手柑は指のように裂けた実が黄色くなったら採り頃です。香りが強く、飾って楽しんでから皮を使えます。
採り方
実の付け根は固く、手でもぐと枝が裂けて翌年の花芽を失います。はさみで果柄を短く切り、残った果柄が他の実を傷付けないよう切り直します。とげがあるので革手袋を着けます。
- はさみで果柄を切る
- 実の付け根から少し離して切り、その後で実側の果柄をぎりぎりまで切り直します。果柄が長く残ると、袋や籠の中で他の実の皮を突いて傷を付けるので、二度切りを面倒がらずに行います。
- 熟したものから順に
- 一本の樹でも色づきはずれます。濃い黄色になったものから週一回程度に分けて採ります。
- 傷を付けない
- 落とすと果皮に傷が付き、そこから腐ります。実が重いので片手で支えながら切り、厚手の袋か籠に一段ずつ並べます。とげに引っかけた小さな傷も日持ちを縮めるので、傷のある実から先に使います。
一つの実が五百グラムを超えることがあり、枝が実の重さで裂けることがあります。色づき前でも枝が下がり過ぎていたら、支柱で枝を支えるか、重い実から先に採ります。
皮の使い方
皮の白い部分は苦味が少なく、砂糖漬け(シトロンピール)にすると菓子の材料になります。黄色い部分はすりおろして香り付けに使えます。果汁は少ないですが酸味が強く、レモンの代わりに使えます。
- 皮をゆでこぼす
- 皮を厚めにむいて二から三回ゆでこぼし、苦味を抜きます。ゆでる回数で苦味の残り方が変わるので、味を見て決めます。
- 砂糖で煮る
- 皮の重さと同量の砂糖と少量の水で、透き通るまで弱火で煮ます。乾かせば長く保存できます。
- 香りは黄色い部分だけ
- すりおろすときは黄色い部分だけにします。白い部分まで削ると苦味が出ます。おろし器を軽く当てて表面をなでるように動かすと、香りの強い油の層だけを取れます。
実に薬を使った場合は、収穫前の日数を守り、皮はよく洗ってから使います。
保存の仕方
皮が厚いので日持ちは良く、風通しの良い涼しい場所なら二から三週間、冷蔵庫の野菜室なら一か月ほど持ちます。皮を使う前提なら、砂糖漬けにして乾かすか、すりおろして冷凍すると長く使えます。
丸のまま保存するときは、実どうしが触れないよう新聞紙で一つずつ包みます。一つ腐ると隣にすぐ移るので、週に一回は包みを開けて柔らかくなった実がないか確かめ、あれば取り出して先に使います。
| 状態 | 保存場所 | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| 丸のまま | 涼しい室内 | 二から三週間 |
| 丸のまま | 野菜室 | 一か月 |
| すりおろした皮 | 冷凍庫 | 二から三か月 |
| 砂糖漬けにして乾かす | 密閉容器で常温 | 三か月以上 |
採り終えた後の管理
収穫が終わったら、樹は翌年の花芽を作る時期に入ります。お礼肥を少量施し、室内へ取り込んで冬を越します。実を長く付けたままにすると樹が消耗し、翌年の花が減るので、十二月中には採り終えます。
採り終えた枝には来年の花芽がすでに準備されています。果柄の切り残しを整える以外は枝を切らず、剪定は三月まで待ちます。冬の間に葉が落ちても枝が緑なら花芽は生きています。
- お礼肥を施す
- 収穫の前後に緩効性の肥料を少量与えます。実を付けて消耗した樹の体力を戻すためのもので、春肥の半分ほどで足ります。室内へ入れた後は与えません。
- 残った実は取り込んで熟させる
- 寒さが来たら緑の実も枝に付けたまま室内へ入れ、窓辺で黄色くなるのを待てます。室内では色づきに一か月ほどかかり、香りは屋外で熟したものより穏やかですが、皮の使い道は変わりません。
実が付かない・落ちるときの切り分け
花は咲くのに実が採れないときは、樹齢、水、日照、寒さの順に確かめます。植えて三年以内なら樹が若いだけのことが多く、待つのが正解です。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 樹齢が若いか日照不足 | 五年目まで待つ、場所を変える |
| 六月に小さな実が落ちる | 生理落果 | 自然な調整なので待つ |
| 八月に実が落ちる | 水切れ | 朝夕の水と敷き材 |
| 実が小さいまま止まる | 実の付け過ぎか肥料不足 | 摘果と追肥 |
| 冬に実が落ちる | 寒さ | 早めに取り込む |
シトロンの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
シトロンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシトロンの育て方にまとめています。
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