切るのは3月、秋は切らない
レモンの主剪定は3月から4月上旬、芽が動き出す直前に行います。切り口が乾きやすく、そこから伸びる春枝が最も多く花をつけるためです。真冬に切ると切り口から寒さが入り、枝が枯れ下がります。
秋の剪定は避けます。9月以降に切ると新しい芽が押し出され、その柔らかい枝が寒さで傷むうえ、冬に向かう時期の傷口はふさがりません。11月から12月は果実が肥大している最中でもあります。
| 時期 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 3月〜4月上旬 | 主剪定。骨格と混み具合を決める | 切り口が早く巻き、伸びた春枝が花をつける |
| 5月 | 内側に向いた芽をかき取る | 枝になる前なら切り傷が残らない |
| 6月〜7月 | 勢いの強い徒長枝を元から抜く | 内側に日を通し、夏秋梢を減らす |
| 9月以降 | 切らない。枯れ枝の除去だけ | 新芽が出て寒害を受け、傷口が越冬する |
切る枝と残す枝
レモンは枝が混みやすく、光の当たらない枝から実つきが落ちます。迷ったら内側と下へ向かう枝から抜くと形が乱れません。一度に落とすのは全体の2割から3割までにとどめます。
| 枝の種類 | 扱い | 見分け方 |
|---|---|---|
| 春枝 | 残す | 4月から5月に伸び、節が詰まって葉が厚い。花はここに咲く |
| 徒長枝 | 元から抜く | 真上に勢いよく伸び、節が長くトゲが大きい |
| 内向枝・交差枝 | 切る | 樹の内側へ向かい、ほかの枝とこすれている |
| 下がり枝 | 切る | 地面へ垂れ、先端の伸びが止まっている |
| ひこばえ | 付け根で切る | 接ぎ木部より下から出た枝。葉の形が品種と違う |
| 前年に実がついた枝 | 2〜3節で切り戻す | 果梗の跡が残り、その先の伸びが鈍い |
切るか迷ったら葉を数えます。葉が20枚以上ついて外向きに伸びる枝は、翌春に花を持つ確率が高い枝です。
幼木は3年かけて骨格を作る
- 1年目は切らない
- 植えた年は主幹を伸ばすことだけ考えます。切るのは枯れ枝と、接ぎ木部より下から出たひこばえのみ。葉を減らすと根が育たず、その後の伸びが止まります。
- 2年目に主枝を3本
- 地上40から60センチの高さで、向きが重ならない枝を3本選んで残し、残りは付け根から抜きます。3本を斜め上へ開かせると、内側まで日が入る形になります。
- 3年目に高さを決める
- 手を伸ばして届く高さ、鉢植えなら1.5メートル前後で、主枝の先を外向きの枝の上で切ります。ここで決めておかないと、後から下ろすとき大きな傷が残ります。
- 2〜3年は実をつけない
- 幼木のうちは花が咲いても摘み取ります。実を1つ育てるだけで枝の伸びが目に見えて鈍り、骨格ができる前に樹が老けます。
成木は更新と高さ抑えが仕事
- 太枝は3年で1本ずつ
- 一度に太枝を何本も落とすと、翌年は徒長(間のびして弱く伸びること)枝ばかりになります。込み合った太枝は3年かけて1本ずつ、付け根の膨らみを残して切ります。
- 切り戻しは外芽の上で
- 切り詰めるときは外を向いた芽や枝の5ミリ上で切ります。内芽の上で切ると内側へ枝が伸び、翌年また同じ場所が混みます。
- 透かしを主にする
- 切り詰めより、付け根から抜く透かしを優先します。切り詰めは分岐を増やして余計に混み、レモンでは翌年の徒長を招きます。
- 採り終えた枝を戻す
- 収穫後、果実がついていた枝を2から3節残して切ると、そこから充実した春枝が出ます。放置するとその枝は翌年ほとんど咲きません。
夏の徒長枝と秋の芽
6月から7月に真上へ伸びる枝は、根元から抜くか、必要な位置にあるなら葉を5枚残して止めます。放っておくと1メートル以上伸び、樹の中心を暗くします。
- 6〜7月に抜く
- 梅雨の間に伸びた徒長枝を元から抜きます。この時期なら傷が小さくてすみ、残した枝に日が回って花芽の充実が進みます。
- 夏秋梢は芽で取る
- 8月から10月に出る芽は指でかき取ります。この枝はほとんど花をつけないうえ、ミカンハモグリガの発生源になります。
- 落とすのは1割まで
- 夏に減らす葉は樹全体の1割までにします。それ以上抜くと強い日射で幹や果実が日焼けし、褐色の傷が残ります。
夏の剪定後は幹が急に日にさらされます。露出した太枝には麻布を巻くか、下枝を1本残して日陰を作ります。
トゲの扱いと切り口の処理
トゲは切っても樹に害はありません。風で揺れたときトゲが果実の皮を傷つけ、そこからかいよう病が入るので、手が届く範囲は取っておきます。
- トゲは付け根から
- はさみでトゲの付け根を切ります。途中で折ると硬い切り株が残り、かえって果実や手を傷つけます。幼木の主幹のトゲは残しても構いません。
- 太い切り口は保護する
- 直径2センチ以上の切り口には癒合剤を塗ります。柑橘は切り口が乾きにくく、放置すると腐りが幹の内側へ広がります。
- 道具を消毒する
- 樹を移るたびに刃を消毒用アルコールか熱湯で拭きます。かいよう病ははさみで運ばれ、症状の出ていない樹に広がります。
切りすぎ・切り遅れの立て直し
切りすぎても切り足りなくても、その年のうちに取り返そうとしないことです。今の枝葉の量を見て、次の3月までどう持たせるかで考えます。目安は、葉が減った年は実の数も減らすことです。
| 起きた状態 | 樹に出ること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 切りすぎて葉が減った | 幹や太い枝が日焼けする | 幹を白い塗料か寒冷紗で覆い、肥料は控える |
| 残しすぎて内側が暗い | 内側の枝から枯れ上がる | 次の3月に上と外から順に抜く |
| 夏に強く切った | 秋の芽が伸びて寒さに弱る | 伸びた芽を摘み、冬の防寒を厚くする |
| 切り口が腐ってきた | 腐りが幹の内側へ広がる | 腐った所を削り取り、癒合剤を塗り直す |
切りすぎた年は実を成らせすぎないことです。数を減らして枝葉を戻すほうが、翌年の花は増えます。
レモンの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
レモンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレモンの育て方にまとめています。
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