限界はおよそマイナス3℃
レモンは柑橘の中で最も寒さに弱く、耐えられる下限はおよそマイナス3℃です。温州ミカンやユズはもっと低い温度に耐えるので、同じ庭に植えてもレモンだけが先に傷みます。
最低気温が0℃まで下がる地域は防寒を始めます。マイナス3℃は短時間なら枯れないという意味の温度で、一晩続けば葉は落ち、若い枝は先から枯れ込みます。
| 樹種 | おおよその下限 | レモンとの差 |
|---|---|---|
| ユーレカなど一般のレモン | マイナス2〜3℃ | 柑橘の中で最も弱い |
| リスボン | マイナス3〜4℃ | レモンの中では強いほう |
| マイヤーレモン | マイナス4℃前後 | レモンより1℃ほど強い |
| 温州ミカン・ユズ | マイナス5〜7℃ | レモンより明らかに強い |
地域別に露地で越せるか
| 地域 | 露地の可否 | 必要な手当て |
|---|---|---|
| 瀬戸内・九州・四国の沿岸 | 越せる | 若木のうちだけ幹巻きをする |
| 関東南部・東海の平地 | 条件付きで越せる | 北風を避けた場所に植え、幹巻きと敷きわら |
| 関東内陸・北陸・山沿い | 難しい | 鉢植えにして、冬は軒下か無暖房の室内へ |
| 東北以北・寒冷地 | 越せない | 通年鉢植え。冬は5℃以上を保てる室内で管理 |
同じ市内でも、放射冷却の強い開けた畑と建物の南側では最低気温が3℃ほど違います。庭で一番暖かい場所を探します。
鉢は動かして守る
- 11月に置き場を決める
- 最低気温が5℃を切る前に、南向きの壁ぎわか軒下へ移します。屋根があるだけで霜が直接降りず、放射冷却の影響がやわらぎます。
- 寒波の夜だけ室内へ
- 予報がマイナス2℃を下回る夜は、玄関や無暖房の部屋に入れます。暖房の風が直接当たる場所は葉が乾いて落ちるので避けます。
- 二重鉢で根を守る
- 一回り大きな鉢に入れ、すき間に土や落ち葉を詰めます。地上部より先に根が凍ると回復しないため、鉢では根の保温が要になります。
- 室内では夜だけ窓から離す
- 夜間の窓ぎわは外気に近い温度まで下がります。日中は窓辺に置き、夜は30センチ離すだけでも葉の傷みが減ります。
地植えの防寒資材と巻き方
- 幹を二重に巻く
- 主幹から主枝の分かれ目までを、こもか不織布で二重に巻き、ひもで数か所留めます。ここが凍ると樹全体を失うので最優先です。
- 樹全体を寒冷紗で囲う
- 支柱を3本立てて白い寒冷紗を4重に巻くと、内側が2〜3℃高く保てます。密閉はせず、日中の蒸れを逃がす口を上に残します。
- 株元を厚く敷く
- 敷きわらや落ち葉を株元に10センチ以上敷きます。地温の低下と凍上を防ぎ、浅いところを走る細根が切れるのを抑えます。
- 北と西に風よけを立てる
- 風下より風上に板や不織布の風よけを立てます。乾いた寒風は気温以上に葉から水を奪い、葉先から茶色く枯らします。
覆いは3月中旬から段階的に外します。急に全部外すと、中で伸び始めていた芽が遅霜で一度に傷みます。
寒害が出たときの手当て
寒害は出た直後に切らないのが鉄則です。どこまで傷んだかは春に芽が動いてから決まるので、症状ごとに待つものと手を打つものを分け、判断は4月まで持ち越します。
| 症状 | 起きたこと | その後の扱い |
|---|---|---|
| 葉がパリパリになり一斉に落ちる | 葉の中の水が凍った | 枝が生きていれば春に芽が出る。切らずに待つ |
| 葉が内側に丸まり色が抜ける | 乾いた寒風で水を奪われた | 水は控えめに与え、風よけを足す |
| 果実の中身がすかすかになる | 果肉が凍って水分が抜けた | 食用にならない。翌年は色を待たず早めに採る |
| 幹の皮が縦に裂ける | 幹の水分が凍って割れた | 切り口を清潔にして癒合剤を塗り、幹巻きを厚くする |
枝が生きているかは、爪で表皮を薄く削ると分かります。緑なら生きています。判断は4月まで待ち、慌てて切らないことです。
冬の水やりと肥料
- 水は乾いてから午前に
- 気温が低いと根の吸収が落ちます。表土が乾いて2、3日おいてから、暖かい日の午前中に与えます。夕方の水やりは鉢の中で凍ります。
- 12月から2月は施さない
- この時期に窒素が効くと芽が動き、出たばかりの柔らかい芽がそのまま寒さで枯れます。次に施すのは3月です。
- 実は年内に採り切る
- 寒害の恐れがある地域では、黄色くなるのを待たず年内に採ります。木に残した果実は寒さで傷み、樹の体力も奪います。
春の立ち上げでつまずかない
冬を越せたかどうかは3月から4月に分かります。冬の間の落葉より、春に芽が出るかどうかで判断します。焦って切ると、生きていた枝まで失います。
- 覆いは3回に分けて外す
- 3月中旬にまず上部、下旬に側面、4月上旬に幹巻きの順で外します。一度に外すと、中で動き始めた芽が遅霜と乾いた風で傷みます。
- 鉢を戻すのは4月
- 軒下から日なたへ移すのは、遅霜の心配がなくなってからです。急に強い日に当てると、冬に薄くなった葉が白く焼けます。
- 枯れた枝は5月に切る
- 4月末まで待って、芽が出なかった枝だけを生きている部分まで切り戻します。表皮が緑なら中は生きているので残します。
- 落葉した樹は肥料を減らす
- 葉を失った樹は根も弱っています。春肥を通常の半量にし、新葉が展開してから残りを追加すると、根を傷めずに戻せます。
レモンの冬越しに使うもの
落葉樹は寒さに強く、常緑樹と柑橘は弱い。自分の木がどちらかで、要るものが変わります。
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
根の周りの土を凍らせないためです。春には土に混ざるので、片付けが要りません。
- 幹巻きテープ・こも探す言葉「幹巻テープ 樹木 防寒」
- 規格の目安
- 幅 100mm 前後の不織布テープか、わらのこも。
冬の強い日射と放射冷却の差で、幹の南面が割れることがあります。若木ほど起こりやすいです。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。
寒さに弱い木を覆います。ビニールと違って蒸れず、かけたままにできます。
- マシン油乳剤探す言葉「マシン油乳剤」
- 規格の目安
- 園芸用。使う前に、対象の作物への登録をラベルで確かめます。
落葉期は枝が見えるので、越冬している虫に届かせやすい時期です。使う作物の登録は必ず確認してください。
- 落葉樹で耐寒性のあるものは、株元を覆うだけで足ります。幹巻きは要りません。
- 鉢植えなら、軒下へ動かすだけで越せる木が多いです。
レモンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレモンの育て方にまとめています。
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