挿し木で容易に増える木
クルシアは茎の節から根を出す力が強く、剪定で切った枝を水に挿しておくだけでも根が出ます。生産者も挿し木で増やしていて、挿し木で育った株は親と同じ葉の大きさと枝ぶりを受け継ぎます。プリンセスの挿し穂からはプリンセスが、斑入りの挿し穂からは斑入りが育ちます。
適期は気温が安定して新芽が動く5〜6月で、9月までは十分に発根します。秋に挿した株は気温が下がると発根が遅れるので、暖かい室内で春まで待つつもりで管理します。発根には1〜2か月かかり、新芽が動くまでは「何も起きていないように見える時間」が続くのが普通です。
| 方法 | 向く場面 | 利点 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 水挿し | 初めて、根の出方を見たい | 発根が目で確かめられる。失敗が少ない | 土に移すときに根が傷みやすい |
| 土挿し | 本数が多い、移し替えたくない | そのまま育てられる。根が土に慣れている | 発根したか見えず、水の加減が難しい |
| 取り木 | 太い幹を短くしたい | 大きな株がすぐできる | 手間がかかる。春〜夏の作業 |
挿し穂の作り方
挿し穂は今年伸びた若い枝でも、少し硬くなった枝でも取れますが、緑色から茶色に変わりかけた充実した枝が一番よく発根します。節を2〜3つ含めて10〜15センチに切り、下の葉を落として上に葉を2〜4枚残します。切ると黄色く粘る樹液が出るので、ゴム手袋をして、はさみはあとで洗います。
- 節の少し下で切る
- 根は節から出るので、一番下の節の5ミリほど下で切ります。切れ味のよい清潔なはさみで、切り口をつぶさないようにします。
- 下の葉を落とし、大きな葉は半分に
- 土や水に浸かる部分の葉は取り除きます。残す葉が大きいときは半分に切ると、水の蒸発が減って発根まで持ちこたえます。
- 切り口を半日水に浸けてから挿す
- 切り口の樹液を洗い流し、コップの水に半日浸けて吸水させます。土挿しの場合は、そのあと切り口を1〜2時間乾かしてから挿すと腐りにくくなります。
- 発根促進剤は任意
- 切り口に発根促進剤をまぶすと発根がそろいますが、クルシアは無くても十分に根が出ます。使うなら土挿しのときに。
水挿しの手順と管理
水挿しは、透明な容器に挿し穂を立てて根が出るのを待つ方法です。根の出方が見えるので初めての人に向きます。水は毎日か少なくとも2〜3日に1回入れ替え、容器は明るい日陰に置きます。節が水に浸かるようにし、葉は水に浸けません。根が2.5〜5センチになったら土へ移します。
- 節が水に浸かる深さに
- 一番下の節が水面より下になるように立てます。コップが大きくて倒れるなら、口の狭い瓶や、ラップに穴を開けて茎を通すと安定します。
- 水は2〜3日に1回入れ替える
- 水が濁ると切り口が腐ります。入れ替えのたびに切り口のぬめりを指で軽く洗い流し、容器も洗います。冬は水温が下がるので常温の水に。
- 根が2.5〜5センチで土へ
- 白い根が数本、2.5〜5センチに伸びたら土に植えます。長く伸ばしすぎると水に慣れた根が土で傷むので、早めに移します。
- 土に移したら1〜2週間は乾かさない
- 水の根は土に慣れるまで水を吸いにくいので、移してから1〜2週間は土の表面が乾いたら与える程度に少し多めにし、その後は通常の間隔に戻します。
土挿しの手順と管理
土挿しは、挿し木用の土か小粒の赤玉土、バーミキュライトなど肥料分のない清潔な土に挿す方法です。3号ほどの小さな鉢に1本ずつ、または1つの鉢に数本まとめて挿し、明るい日陰で土を乾かさない程度に管理します。発根は見えないので、挿し穂を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
- 肥料分のない土に挿す
- 観葉植物用の土は肥料が入っていて切り口が腐りやすいので、挿し木用の土か赤玉土小粒を使います。鉢は3号ほどの小さいもので十分です。
- 割りばしで穴を開けてから
- 土に直接押し込むと切り口が傷みます。割りばしで穴を開け、挿し穂を入れて周りの土を軽く押さえます。深さは一番下の節が隠れるまで。
- 明るい日陰で湿り気を保つ
- 直射日光は避け、土の表面が乾いたら霧吹きかやさしい水やりで湿らせます。びしょびしょにすると腐るので、湿っている程度を保ちます。
- 新芽が動いたら鉢上げ
- 1〜2か月して新芽が動き、挿し穂を軽く引いて抵抗があれば発根しています。そのまま育てるか、観葉植物用の土と一回り大きい鉢に植え替えます。
挿し木から始めた2本をどう育てるか
挿し木の苗を2本手に入れた、または親株から2本の挿し穂を取ったという始め方は、クルシアでは一番多いものです。2本は保険であり、育て方の比較でもあります。1本を水挿し、1本を土挿しにして根の出方を比べてもよく、両方発根したら1鉢にまとめても、別々の鉢で育てても構いません。
- 最初は別々の小さな鉢で
- 発根の時期は挿し穂ごとに違います。3号ほどの鉢に1本ずつ挿しておくと、片方だけ遅れても水の加減を分けられ、片方が腐っても影響しません。
- 両方発根したら1鉢にまとめても
- 2本とも新芽が動いたら、5号ほどの鉢に2本を5センチほど離して寄せ植えにすると、早くボリュームのある1株に見えます。別々に育てて1本を人に贈る形も喜ばれます。
- 秋に始めたら春まで待つ
- 10月に挿した株は、気温が下がると発根が遅れて春までかかることがあります。10℃以上の明るい室内で土を乾かさない程度に保ち、新芽が動くまで動かさずに待ちます。
- 記録は挿した日と新芽が動いた日
- 挿した日、水替えや水やりの日、新芽が動いた日、鉢上げした日を残しておくと、翌年の挿し木の目安になり、2本の違いも見返せます。
うまくいかないときの原因
挿し木の失敗は、切り口が腐る、葉が落ちる、いつまでも根が出ない、の3つにほぼ絞れます。原因はたいてい水の濁りか、土の過湿か、温度の不足です。1本がだめでも、親株があればもう一度挿し穂を取れます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 切り口が黒く軟らかくなる | 水の濁り、土の過湿、切り口の樹液 | 腐った部分の上で切り直し、水を替えてやり直す |
| 葉が黄色くなって落ちる | 暗すぎる、または直射日光、乾かしすぎ | 明るい日陰へ。残った葉を半分に切って蒸散を減らす |
| 2か月たっても根が出ない | 気温が15℃以下、挿し穂が細すぎる | 暖かい場所へ移して待つ。春にやり直す |
| 根は出たが土に移して枯れた | 水の根が土に慣れなかった | 次は根が2.5〜5センチのうちに移し、1〜2週間は乾かさない |
よくある質問
よくある失敗と戻し方は?
挿し木の失敗は、切り口が腐る、葉が落ちる、いつまでも根が出ない、の3つにほぼ絞れます。原因はたいてい水の濁りか、土の過湿か、温度の不足です。1本がだめでも、親株があればもう一度挿し穂を取れます。
クルシアの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
クルシアの上手に育てるコツは作物ページに
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