症状から原因を見分ける
クランベリーは虫の害が少なく、困るのは乾き、酸度、夏の高温といった環境の障害です。病気では長雨のあとの灰色かび病、虫ではアブラムシとハダニ程度です。葉、新芽、実、つるのどこに何が出ているかを表で見分け、環境の問題なら薬を使わず置き場所と水で直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉先から茶色くなり乾く | 水切れ | 鉢ごと水に沈める |
| 新芽が黄色く葉脈だけ緑 | 酸度不足で鉄が吸えない | ピートモスを足し酸性肥料に替える |
| 実や花が灰色のかびで覆われる | 灰色かび病 | かびた実と花を取り、風通しをよくする |
| 葉裏に小さな虫、葉がかすれて白い | ハダニ | 葉裏に水を勢いよくかける |
| 新芽の先が縮れて虫がつく | アブラムシ | 指でつぶすか水で流す |
| 夏に中心の葉が黒ずんで落ちる | 鉢内の高温で根が傷んだ | 半日陰へ移し鉢を二重にする |
| 冬に葉が赤銅色になる | 低温による正常な変化 | 何もしない。春に緑へ戻る |
葉先の茶変と新芽の黄化
最も多い相談は葉先の茶色です。葉先から茶色くなって全体がぱりぱりになるのは乾き、茶色いのに土が湿っているなら肥料の入れすぎです。新芽だけが黄色くなり葉脈が緑で残るのは酸度が上がって鉄を吸えないサインで、肥料を足しても直りません。土を触り、どの葉が変色しているかを見て切り分けます。
- 土を触って湿りを確かめる
- 葉が茶色いときにまず土を触ります。乾いていれば鉢ごと水に沈め、湿っていれば肥料を疑って水を多めに通し、肥料分を洗い流します。
- 黄色い新芽にはピートモスと鉄
- 新芽が黄色ければ表面の土を二センチ削って湿らせたピートモスを足し、園芸用の鉄分補給剤を規定量で与えます。二週間ほどで新しい葉から緑に戻ります。
- 水道水の酸度を疑う
- 毎年同じ時期に黄色くなるなら、水道水で酸度が上がっています。雨水を使うか、年に一度は植え替えて用土を新しくします。
茶色くなった葉は元に戻りません。切らずに残しておき、新芽が出てから古い葉を取り除きます。
灰色かび病は実と花を片づけて防ぐ
六月の開花期と九月の収穫期に雨が続くと、花や実が灰色のかびに覆われて腐ります。つるが重なって風通しの悪い株、摘み残した実が残っている株に出やすい病気です。かびた花と実を早く取り除き、つるを間引いて風を通すことが基本で、広がるときだけ果樹用の殺菌剤を使います。
- かびた花と実をすぐ取る
- 灰色のかびが出た花や実は、見つけ次第つまんで取り、袋に入れて処分します。株元に落ちたままにすると胞子が広がります。
- 重なったつるを間引く
- つるが三層以上に重なった場所の下のつるを抜いて、株の中に風が通るようにします。三月の剪定で間引いておくと発生が減ります。
- 梅雨と秋の長雨は雨を避ける
- 鉢植えなら六月と九月の長雨のときだけ軒下に移します。雨が当たらないだけで発生が大きく減ります。
- 十一月に古い実を残さない
- 収穫後につるの下に残った黒い実と落ち葉を拾って処分します。ここで越冬した菌が翌年の花を腐らせます。
アブラムシとハダニ
五月の新芽にアブラムシがつき、七月から八月の乾いた時期にハダニが葉裏に増えます。どちらも数が少ないうちなら水で流せます。ハダニは葉がかすれたように白くなって初めて気づくことが多く、乾いた株に出やすいので、夏の葉水が予防になります。
| 状態 | 対処 | 予防 |
|---|---|---|
| 新芽の先に緑や黒の小さな虫 | 指でつぶすか水で流す。多ければ果樹用の殺虫剤 | 五月に週一回は新芽を見る |
| 葉がかすれて白く、裏に赤い点 | 葉裏に勢いよく水をかける。ひどければ殺ダニ剤 | 夏は夕方に葉水をかける |
| 葉に穴があきふんが落ちる | ガの幼虫を見つけて捕る | 株の周りの草を抜く |
| 実に小さな穴 | 穴のあいた実を取り除く | 落ちた実を拾って処分 |
殺虫剤を使うときは、開花中は避けます。受粉に来る虫が減って実つきが落ちます。
夏に株が弱ったときの切り分けと手当て
関東の七月から八月に株が急に弱るのは、病気より鉢内の高温と乾きです。葉先が茶色いなら乾き、株の中心から葉が黒ずんで落ちるなら根が高温で傷んでいます。どちらも薬は効かず、涼しい場所に移して鉢の温度を下げることが手当てです。九月に新芽が出れば回復しています。
- 鉢を二重にして温度を下げる
- 一回り大きい鉢に入れ、隙間に湿らせた腐葉土やミズゴケを詰めます。直射日光が鉢に当たらないだけで鉢内の温度が下がります。
- 午前中だけ日が当たる場所へ
- 西日が当たる場所から、午前中に日が当たり午後は日陰になる場所へ移します。動かせなければ寒冷紗で三割遮光します。
- 九月まで肥料を止める
- 弱った株に肥料を与えると根がさらに傷みます。水だけで管理し、九月に新芽が出てから翌春まで肥料は与えません。
- 十月に根を確かめる
- 秋になっても新芽が出なければ、十月に鉢から抜いて根を見ます。黒くなった根を切り、新しい用土で植え直します。
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