育てる場所で鉢か地植えかを決める
クランベリーは北米の湿地に自生するツツジ科の常緑低木で、茎が地面をはって広がります。一株で花が咲いて実がなるので、受粉樹は要りません。土が酸性で常に湿っていることが条件で、日本の庭土にそのまま植えると一年目の夏に乾いて枯れます。
関東平野部では、酸性の用土を入れた鉢で育てるのが一番確実です。地植えにするなら、雨水がたまりやすい低い場所を選び、土を掘り上げてピートモス主体に入れ替えます。夏の西日が当たる場所は葉が焼けるので避け、午前中に日が当たる場所を選びます。
| 場面 | 向く植え方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ベランダ・狭い庭 | 浅めの七号から八号鉢 | 夏は腰水か朝夕の水やりで湿りを保つ |
| 庭の一角で実を採りたい | 用土を入れ替えて地植え | 深さ三十センチをピートモス主体に |
| ハンギングで飾りたい | 吊り鉢 | 乾きが早いので半日陰に置く |
| グラウンドカバーにしたい | 防根シートを敷いた花壇 | 周りの土から石灰が入らないよう区切る |
常緑で冬に葉が赤銅色に変わります。枯れたように見えても春に緑へ戻るので、冬に抜かないでください。
用土はピートモス主体で酸性にする
ブルーベリーと同じく、ペーハー四から五の強い酸性を好みます。市販の花用培養土は中性に調整されているので使えません。酸度未調整のピートモスを七、鹿沼土の小粒を三ほど混ぜた用土を作ります。ピートモスは乾いたままだと水をはじくので、前日から水を吸わせておきます。
- ピートモスに水を含ませる
- バケツにピートモスを入れて水を注ぎ、手でもんで全体が湿るまで混ぜます。握って水がにじむ程度まで湿らせてから鹿沼土と合わせます。
- 鉢底に軽石を入れない
- 普通の鉢と違い、底に軽石を厚く敷くと乾きが早くなります。鉢底ネットだけ敷いて用土を入れ、水はけより保水を優先します。
- 元肥はほとんど入れない
- 元肥(植えるときにあらかじめ混ぜる肥料)は緩効性の粒状肥料を小さじ一杯までにします。肥料が多いと根が傷み、葉が茶色くなります。
- 石灰と草木灰は混ぜない
- 酸度を上げる資材が入ると鉄を吸えなくなり、新芽が黄色く抜けます。ほかの鉢で使った土や灰が混ざらないよう別に管理します。
土壌酸度計があれば、植える前に湿らせた用土を測っておきます。五・五を超えていたらピートモスを足します。
植え付けの時期と手順
植え付けは三月から四月と、十月から十一月が適期です。ポット苗は一年中出回りますが、真夏に植えると根が動く前に乾いて枯れやすいので、夏に買った苗は鉢のまま半日陰で秋を待ちます。関東平野部なら三月中旬から四月上旬に植えると、春の伸びに乗れます。
- 根鉢は崩さず表面だけほぐす
- ポットから抜いた根鉢の底と側面を軽くほぐし、固まった部分だけ指で広げます。根が細いので、強く崩すと回復に一か月以上かかります。
- 浅めに植えて株元を水平に
- 根鉢の表面が鉢の土と同じ高さになるよう植えます。深植えすると株元の茎が腐り、浅すぎると根が乾きます。
- つるを土の上に寝かせる
- 伸びているつるを鉢の表面に放射状に寝かせ、土に軽く押しつけます。つるの節から根が出て、鉢の表面全体を覆っていきます。
- たっぷり水を与えて一週間は日陰
- 鉢底から流れるまで水を与え、一週間は明るい日陰に置きます。新芽が動き始めたら午前中に日の当たる場所へ移します。
鉢の大きさと株数の目安
根は浅く横に広がるので、深い鉢より口の広い浅い鉢が向きます。一株なら七号から八号の平鉢で十分で、二年から三年で鉢の表面をつるが覆います。大きく育てて実の量を増やしたいときは、十号以上の平鉢か、幅六十センチのプランターに二株を植えます。
| 鉢の大きさ | 株数 | 収穫までの目安 |
|---|---|---|
| 六号鉢 | 一株 | 翌年から数粒。二年目の春に八号へ |
| 七〜八号の平鉢 | 一株 | 二年目から二十から五十粒ほど |
| 十号の平鉢 | 一株 | 三年目に鉢を覆い百粒以上 |
| 幅六十センチのプランター | 二株 | 三年目以降に安定して採れる |
鉢は白や明るい色のものを選ぶと夏の鉢内温度が上がりにくく、根の傷みが減ります。黒い鉢は西日を避けます。
植えた年に枯れそうなときの原因と手当て
植え付け直後の失敗はほぼ乾きと酸度のどちらかです。葉先から茶色くなって全体がぱりぱりになるのは乾き、新芽だけが黄色く抜けるのは酸度不足、葉が黒ずんで落ちるのは根の傷みです。土を触って湿りを確かめ、症状を見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉先から茶色くなり全体がぱりぱり | 水切れ | 鉢ごと水に沈め、半日陰で二週間様子を見る |
| 新芽だけが黄色く葉脈が緑 | 酸度が足りない | ピートモスを表面に足し、酸性肥料に替える |
| 葉が黒ずんで落ちる | 肥料過多・根の傷み | 肥料を止め、表面の土を替えて水を通す |
| つるは伸びるが葉が小さい | 日照不足 | 午前中に日の当たる場所へ移す |
枯れたように見えても、つるの節をこすって緑が残っていれば生きています。四月まで待ってから判断します。
クランベリーの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
クランベリーの収穫までのコツは作物ページに
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