一年の流れを表で確かめる
クランベリーは春につるを伸ばし、六月に小さな桃色の花を咲かせ、九月から十月に実が赤く熟します。作業のヤマは三月の剪定と植え替え、夏の水管理、秋の収穫です。冬は常緑のまま休み、葉が赤銅色になります。月ごとの作業を先に把握しておきます。
| 月 | 作業 | 目安・注意 |
|---|---|---|
| 1月 | 水やり、防寒は不要 | 土の表面が乾いたら暖かい日の午前中に |
| 2月 | 用土と鉢の準備 | ピートモスに水を含ませておく |
| 3月 | 剪定、植え替え、追肥 | 花芽のない古いつるだけ切る |
| 4月 | 植え付け、つるの誘引 | 新芽が動き出す。水やりを毎日に |
| 5月 | つるを土に留める、アブラムシの見回り | 節をピンで留めて立ち枝を増やす |
| 6月 | 開花、二回目の追肥 | 花が終わったら小さじ一杯 |
| 7月 | 水管理、半日陰へ移動 | 朝夕二回。鉢の温度を上げない |
| 8月 | 水管理、実の肥大 | 乾かすと実が小さいまま止まる |
| 9月 | 収穫の始まり、つるを留める | 赤く色づいた実から摘む |
| 10月 | 収穫、植え替え | 霜の前に摘み終える |
| 11月 | 落ち葉と古い実の片づけ | 葉が赤銅色に変わり始める |
| 12月 | 水やり、冬越し | 常緑なので乾かさない |
表は関東平野部の鉢植えが基準です。寒冷地は開花が二週間遅く、暖地は夏の遮光を五月から始めます。
春(三月から五月)の作業
三月は一年で一番手をかける月です。古いつるの剪定、二年に一度の植え替え、表面の土の入れ替え、一回目の追肥(育ちの途中で足す肥料)をまとめて済ませます。四月に新芽が動いたら水やりを毎日に増やし、五月には伸びたつるを土に留めて立ち枝を増やします。剪定と植え替えを同じ年にするか迷ったら、鉢の底から根が出ているかを見て判断します。出ていれば植え替えを優先し、剪定は軽くします。
- 三月上旬に剪定と土の入れ替え
- 花芽のない古いつると鉢からはみ出したつるを切り、表面二センチの土を湿らせたピートモスに替えます。同時に酸性肥料を小さじ一杯まきます。
- 三月中旬に植え替え
- 二年たった鉢は根鉢の下三分の一を切り、新しい酸性用土で植え直します。植え替えた株は二週間、明るい日陰で休ませます。
- 五月につるを留める
- 伸びたつるを放射状に広げ、節の位置をピンで土に押しつけます。節から根が出ると、そこから実のつく立ち枝が上がります。
夏(六月から八月)の作業
六月に立ち枝の先に桃色の小さな花が咲きます。花が終わったら二回目の追肥をして、七月からは水管理に専念します。関東の夏は暑すぎるので、七月から八月は午前中だけ日が当たる場所か、寒冷紗で三割ほど遮光した場所に移します。実は八月にふくらむので、乾かすと小さいまま止まります。
| 状態 | 見て判断すること | 作業 |
|---|---|---|
| 花が咲き始めた | 開花の始まり。受粉は虫か風 | 雨の日が続けば筆で花をなでる |
| 花が終わり小さな緑の実 | 結実 | 六月下旬に追肥小さじ一杯 |
| 土の表面が昼までに乾く | 乾きが早い | 朝夕二回か腰水にする |
| 葉先が茶色い | 水切れか鉢の高温 | 半日陰へ移し、鉢を二重にする |
| 実が親指の先ほどになった | 肥大期 | 八月は特に水を切らさない |
夏に葉が赤みを帯びるのは日差しが強すぎるサインです。緑に戻る場所まで日陰側に動かします。
秋から冬(九月から二月)の作業
九月に実が白から桃色、赤へと変わり、十月に濃い赤で熟します。赤く色づいた実から順に摘み、霜の前に摘み終えます。十月は植え替えの適期でもあるので、三月にできなかった株はこの時期に済ませます。冬は常緑のまま休み、水やりだけ続けます。防寒は関東では不要です。
- 赤くつやが出た実から摘む
- 実全体が濃い赤になり、指で軽く押して弾力があれば摘みます。白っぽい部分が残る実はもう一週間待ちます。
- 十一月に古い実と落ち葉を片づける
- 摘み残して黒くなった実と落ちた葉は、つるの下から拾って処分します。残すと灰色かび病の元になります。
- 冬も水を切らさない
- 十二月から二月も、土の表面が乾いてきたら暖かい日の午前中に与えます。乾いた状態で凍ると根が傷みます。
作業が遅れたときの立て直し
剪定が四月にずれ込んだときは、新芽が伸び始めているので切る量を減らし、はみ出したつるの整理だけにします。植え替えを逃したら十月に回します。夏の遮光が遅れて葉が焼けたら、焼けた葉は戻りませんが、涼しくなれば新芽が出ます。収穫が霜に間に合わないときは、色づいた実だけ全部摘みます。
| 遅れた作業 | そのまま進めるか | 戻し方 |
|---|---|---|
| 剪定が4月に | はみ出したつるだけ切る | 古いつるの更新は翌年三月に |
| 植え替えが3月にできない | 十月に行う | 夏の間は表面の土だけ入れ替える |
| 遮光が遅れて葉焼け | 焼けた葉は残す | 半日陰へ移し、秋の新芽を待つ |
| 収穫が霜に間に合わない | 赤い実を全部摘む | 白い実は摘んで室内で二週間追熟 |
収穫が遅れて実が霜に当たっても、一度か二度の軽い霜なら実は傷みません。強い霜の予報が出たときだけ急ぎます。
クランベリーの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
クランベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクランベリーの育て方にまとめています。
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