生育適温は五度から二十度
シクラメンの生育適温はおよそ十度から十五度で、五度から二十度の範囲なら健全に育ちます。原産は地中海沿岸で、雨の多い冷涼な冬に育ち、乾いた夏に休むという季節の使い方をする植物です。
二十度を超える環境が続くと、葉ばかり伸びてつぼみが立ち上がらなくなります。花もちも急に短くなり、咲いた花が二、三日でしおれます。暖房の効いた居間が最も条件の悪い場所になります。
| 温度帯 | 株の様子 | 置き場所の例 |
|---|---|---|
| 20℃以上 | つぼみが止まり花が早く終わる | 暖房中の居間、台所の窓際 |
| 10〜15℃ | 次々につぼみが上がる | 日中の窓辺、暖房のない部屋 |
| 5〜10℃ | 生育は遅いが花は長もち | 玄関、廊下、無加温の室内 |
| 3℃以下 | 葉が傷み球根が凍える | 夜の出窓、屋外の吹きさらし |
昼と夜で置き場所を変える
- 昼は東向きの窓辺
- 直射光でも構いませんが、午後のガラスごしの光は鉢の中を温めすぎます。午前に日が入る東向きの窓辺が、明るさと温度の両方で最も安定します。
- 夜は窓から離す
- 冬の夜の窓辺は外気に近く、明け方には三度前後まで下がります。日が落ちたら部屋の中央や廊下へ動かし、窓ぎわの冷気の層から出します。
- 暖房の風を当てない
- エアコンの吹き出しや温風の正面は、乾燥と高温が同時に来ます。葉の縁が茶色く縮れるのは、この位置に置き続けたときの合図です。
- 週に一度鉢を回す
- 光の来る側にだけ葉と花が寄ると、株の中心が持ち上がって蒸れます。水やりのたびに四分の一ずつ鉢を回し、全方向に光を当てます。
夜に十度を切る部屋のほうが、暖かい部屋より長く咲きます。寒さより暖房のほうが危ないと覚えます。
光が足りないときに出る症状
- 花茎だけ伸びる
- 光量が足りないと花茎がひょろ長く伸び、葉より高い位置で花が倒れます。置き場所を明るくし、肥料の窒素分が多くなりすぎないようにします。
- 葉柄が立ち上がる
- 葉が上を向いて柄が長くなるのも光不足です。株の中心が高く盛り上がり、風が抜けなくなって灰色かび病を招く形になります。
- 花色が薄くなる
- 光と低温がそろわないと発色が鈍ります。夜の温度を下げると色が濃くなるため、寒い部屋へ移すだけで改善することがあります。
一日に四時間ほど日が差せば十分です。足りないぶんは明るさよりも当てる時間の長さで補います。
鉢の種類で置き場所を分ける
| 種類 | 冬の置き場所 | 注意 |
|---|---|---|
| ガーデンシクラメン | 戸外の日なた、軒下 | 霜と長雨に当てない |
| 普通の鉢物 | 無加温の室内、明るい窓辺 | 五度を切る夜は部屋の奥へ |
| 大輪の鉢物 | 室内の涼しい窓辺 | 暖房の風が届かない位置に |
ガーデンシクラメンでも、株が凍れば細胞が壊れて戻りません。強い霜の予報の夜だけ軒下の壁際へ寄せます。
買ってきた直後の一週間
- 包装をすぐ外す
- 冬に持ち帰った鉢は包みの中が蒸れています。家に着いたら透明の袋や紙をすべて外し、葉の間に風が通る状態に戻します。
- 暖かい部屋に置かない
- 店頭はおおむね十度前後で管理されています。急に二十度を超える部屋へ入れるとつぼみが止まるので、まず涼しい場所でならします。
- 水の状態を確かめる
- 輸送の間に乾いていることが多いので、受け皿の水と土の湿りを最初に確認します。乾いていれば株元から静かに与えます。
- 開いた花で判断しない
- 買った直後に咲いている花は店で咲いたものです。ここから一か月、新しいつぼみが上がるかどうかで置き場所の良し悪しを判断します。
つぼみが球根の上に多く控えている株を選ぶと、家に置いてからの期間が長く楽しめます。
冬から春への移し方
三月を過ぎて外の最低気温が五度を上回ったら、鉢を戸外へ移して構いません。屋外の光と昼夜の温度差で花が締まり、室内で咲かせるより色が濃くなります。雨の当たらない軒下を選びます。
四月に入ると気温が上がり、花数が目に見えて減ります。これは弱ったのではなく夏へ向かう合図なので、置き場所を涼しい日陰側へずらし、夏越しの方法を決める時期に入ったと考えます。
戸外に出す最初の数日は明るい日陰から始めます。室内で育った葉は、急な直射で白く焼けます。
湿度と風をどう作るか
- 乾燥は葉の裏で分かる
- 暖房中の室内は湿度が三割を切ることがあります。葉の裏がかすれて白っぽくなったら乾燥しすぎで、ハダニの出やすい状態になっています。
- 鉢のまわりを湿らせる
- 株に直接かけず、まわりの空気を湿らせます。受け皿とは別の器に水を張って近くに置くか、床にぬれた布を敷くだけでも違います。
- 昼に一度換気する
- 締め切った部屋は湿気と胞子がたまります。日中の暖かい時間に窓を少し開け、株に直接冷気が当たらない位置で空気を入れ替えます。
- 鉢どうしを離す
- 並べて置くと葉が触れ合い、その間が乾きません。手のひらが入る程度の間隔を空けると、風が抜けて灰色かび病が出にくくなります。
加湿器の蒸気を株に直接当てないでください。葉と球根が濡れたままになり、かえって病気を招きます。
シクラメンの置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
シクラメンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシクラメンの育て方にまとめています。
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