咲かない原因を先に知る
シンビジウムは翌年の花芽を、春から夏に太らせた新しいバルブの根元に、秋の夜の冷えを受けて作ります。咲かない株のほとんどは、春から秋に屋外の日に当てていない、八月以降も肥料が効いていた、新芽を全部伸ばしてバルブが細い、のどれかです。まず自分の株がどれに当たるかを見ます。
| 株の姿 | 原因 | 先に試すこと |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑で長く垂れる | 日照不足 | 四月から十一月は屋外の日なた |
| 秋に葉芽ばかり出る | 肥料の止め忘れ | 七月末で肥料を止める |
| バルブが細く小さい | 新芽を全部伸ばした | 五月に芽かきをして一本に |
| 花芽が出たが伸びない | 取り込みが早い、室内が暖かすぎる | 十一月まで屋外、冬は涼しい部屋 |
| 植え替えの翌年に咲かない | 根の回復中 | 正常。翌年に期待 |
春の芽かきで太いバルブを作る
四月から五月に、前年のバルブの根元から新芽が出ます。一つのバルブから二本以上出た場合は、太くて勢いのある一本を残してほかを芽かき(余分な芽を取り除くこと)します。全部伸ばすとどれも細いバルブになり、花芽が付きません。新芽が五センチほどになったら判断します。
- 新芽が五センチで見比べる
- 一つのバルブから出た新芽を見比べ、太くて丈のある芽を一本残します。小さいうちは見分けにくいので五センチほどで判断します。
- 付け根から取る
- 取る芽を指でつまんで横に倒すと付け根から外れます。無理に引くと残す芽まで動くので、固ければはさみで切ります。
- 株全体で新芽二本から三本
- 五号鉢なら株全体で新芽二本、七号鉢で三本が目安です。株の大きさに対して多いと全部細くなります。
- 残した芽を日と肥料で太らせる
- 芽かき後は日なたに置き、固形肥料と液肥で七月末まで育てます。親のバルブより太くなれば花芽が期待できます。
夏の肥料停止と秋の冷えで花芽を作る
七月末で肥料を止めると、バルブが養分を蓄える方向に切り替わります。九月に遮光を外して日に当てながら、夜は屋外で十度前後の冷えに当てると、十月ごろにバルブの根元から花芽が出てきます。この時期は水も控えめにして、乾き気味に管理すると花芽が付きやすくなります。
| 時期 | 管理 | 狙い |
|---|---|---|
| 7月末 | 肥料を止める | 葉芽への切り替えを止める |
| 8月 | 水は毎朝、肥料なし | バルブを充実させる |
| 9月 | 遮光を外し日なたへ | 光で花芽を誘導 |
| 10月〜11月 | 屋外で夜の冷え、水は控えめ | 花芽を太らせる |
九月以降も暖かい室内に置いた株は花芽ができません。寒さに当てることを恐れず、五度までは屋外に置きます。
秋の芽かきで花芽に力を集める
十月ごろにバルブの根元から出る芽には、花芽と葉芽が混ざっています。花芽は先が丸く太く、葉芽は平たく薄い形です。この時期に出る葉芽は取り除いて花芽に養分を集めます。花芽が一つのバルブから二本以上出たら、太いほうを残して一本にすると花茎が太くなり花数も増えます。
- 花芽と葉芽を見分ける
- 芽を横から見て、先端が丸くふくらんでいれば花芽、平たくとがっていれば葉芽です。迷ったら数日待つと差がはっきりします。
- 秋の葉芽は取る
- 十月以降に出た葉芽は付け根から取ります。冬に伸びても細く、花芽の養分を奪うだけです。
- 花芽は一バルブに一本
- 一つのバルブから花芽が二本出たら、太いほうを残します。二本残すとどちらも花数が減ります。
支柱で花茎をまっすぐ立てる
花茎は十一月から伸び始め、放っておくと横に倒れて曲がります。二十センチほど伸びたら支柱を立て、ゆるく結んで上へ誘導します。花茎はやわらかいうちなら向きを直せますが、つぼみが付いてからは折れやすくなります。結ぶ位置は伸びるにつれて一週間ごとに上げていきます。
- 二十センチで支柱を立てる
- 花茎の近くに支柱を差し、根を傷めないよう鉢の縁寄りに立てます。花茎と支柱をひもで八の字にゆるく結びます。
- 一週間ごとに結び直す
- 花茎が伸びるたびに結ぶ位置を上げます。一か所だけで結んでいると上が倒れて曲がります。
- つぼみが付いたら触らない
- つぼみが見えたら向きを直すのをやめ、鉢の向きも変えません。つぼみは向きの変化で落ちやすくなります。
- 下垂性の品種は支柱なし
- 花茎が垂れ下がる品種は支柱で立てず、鉢を台の上に置いて自然に垂らします。鉢の縁に花茎が当たらないよう高い台に置きます。
つぼみが落ちる、咲かないときの原因と直し方
花芽が出たのにつぼみが落ちる、開かないというときは、室内に取り込んでからの環境に原因があります。暖房の風、置き場所の移動、乾きの三つを順に確かめます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| つぼみが黄色くなって落ちる | 暖房の風、急な移動 | 風の当たらない場所に固定する |
| つぼみがしおれて開かない | 水切れ、乾いた空気 | 植え込み材を乾かしすぎず、葉水を足す |
| 花芽が伸びずに止まった | 室内が暖かすぎる | 暖房のない明るい部屋へ |
| 花茎が曲がって開いた | 支柱が遅れた | 今年はそのまま。翌年は二十センチで支柱 |
| 花がすぐしおれる | 暖房の乾燥、日中の直射 | 涼しい場所へ。二か月は咲く |
開花中に肥料を与える必要はありません。涼しく明るい場所に置くだけで、一つの花茎が一か月から二か月咲き続けます。
シンビジウムの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
シンビジウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシンビジウムの育て方にまとめています。
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