見た目から原因を切り分ける
シンビジウムの葉の異変は、虫、病気、環境がそれぞれ違う姿で出ます。まず葉の表と裏、バルブの付け根を見て切り分けます。ウイルス病は治らないので、ほかの株に広げないことが最優先です。環境が原因なら薬は効きません。
| 見た目 | 考えられる原因 | まず確かめること |
|---|---|---|
| 葉の裏や付け根に白や茶色の固い粒 | カイガラムシ | こすると取れるか、べたつきがあるか |
| 葉が白っぽくかすれ、裏に小さな虫 | ハダニ | 乾燥期、室内や軒下か |
| 葉に黒や褐色の斑点、線状の模様 | ウイルス病か黒斑病 | 斑点が広がるか、モザイク状か |
| 葉の一部が白く乾いて枯れる | 葉焼け | 夏の直射に当たったか |
| 新芽の付け根が黒く柔らかい | 軟腐病・株元の腐れ | 株元に水がたまっていたか |
| つぼみが黄色くなって落ちる | 環境(暖房の風、移動、乾き) | 置き場所を変えたか |
カイガラムシ
葉の裏やバルブの付け根、葉の重なった部分に、白い綿のようなものや茶色の固い粒が付いていればカイガラムシです。汁を吸って株を弱らせ、排せつ物で葉がべたついて黒いすす病が出ます。成虫は薬が効きにくいので、見つけたら歯ブラシでこすり落とし、幼虫が出る五月から七月に殺虫剤を使います。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 古い歯ブラシで葉の裏とバルブの付け根をこすり、粒を落とします。葉の重なった部分は指で開いて確かめます。
- 落としたあとに殺虫剤
- こすり落としたあと、洋ラン用か観葉植物用の殺虫剤を葉の裏まで散布します。五月から七月の幼虫の時期が効きます。
- 古い葉と葉鞘を取る
- バルブを包む枯れた葉鞘(葉の付け根の皮)の中に隠れています。枯れた葉鞘を取り除いて隠れ場所を減らします。
- 月に一回は葉裏を見る
- 屋外に出している間は月に一回、葉の裏と付け根を見回ります。数匹のうちに取れば広がりません。
ハダニ
乾燥した時期に葉の色がかすれて白っぽくなり、裏を見ると点のような小さな虫が動いていればハダニです。雨の当たらない軒下や冬の室内で増えます。水に弱いので、葉の裏に水をかけることでかなり減らせます。夏の夕方の葉水は温度を下げるだけでなく、ハダニの予防にもなります。
| 状態 | 手当て | 目安 |
|---|---|---|
| 一部の葉がかすれている | 葉の裏に勢いよく水をかける | 朝に三日おき、一週間 |
| 株全体が白っぽい | 葉裏に水、殺ダニ剤を散布 | 一週間おきに二回、種類を替える |
| 冬の室内で出た | 霧吹きで葉裏を湿らせる | 毎日、暖房の風から離す |
同じ殺ダニ剤を続けると効かなくなります。二回目は系統の違う薬に替えます。
ウイルス病と黒斑病
葉にモザイク状の濃淡や線状の黒い模様が出て、新しい葉にも同じ模様が続くならウイルス病です。治療法はなく、はさみや手を介してほかの株にうつるので、疑わしい株はほかから離し、はさみは株ごとに消毒します。黒や褐色の斑点が古い葉に少しずつ出る黒斑病は、病気の葉を切り取って風通しをよくすれば止まります。
- モザイク模様は隔離
- 新しい葉にも濃淡の模様が出続けるなら、ほかの株から離します。回復しないので、大事な株がほかにあるなら処分します。
- はさみを株ごとに消毒
- 花茎や葉を切るはさみは、株を変えるたびに火であぶるか消毒剤で拭きます。ウイルスは切り口からうつります。
- 黒斑病の葉は切る
- 斑点が出た葉を、斑点より下で切り取ります。切ったものは持ち出し、株の周りの風通しを確保します。
- 広がるなら殺菌剤
- 黒斑病が株の半分以上に出たら、洋ラン用か観葉植物用の殺菌剤を使います。回数と間隔は表示に従います。
株元の腐れと軟腐病
新芽の付け根やバルブが黒く柔らかくなり、嫌なにおいがするなら軟腐病か株元の腐れです。株元に水がたまった状態で高温になると出ます。腐った部分を健全な部分まで切り取り、切り口に殺菌剤を塗って乾かします。新芽の芯まで腐っていたら新芽ごと抜き取り、バルブから次の芽を待ちます。
- 腐った部分を切り取る
- 黒く柔らかい部分を清潔なはさみで健全な部分まで切ります。新芽の芯が腐っていたら新芽ごと抜き取ります。
- 殺菌剤を塗って乾かす
- 切り口に園芸用の殺菌剤を塗り、風通しのよい日陰で数日乾かします。その間は水を与えません。
- 株元に水をためない
- 以後の水やりは株元を避けて植え込み材に注ぎ、新芽の間にたまった水は鉢を傾けて出します。
病気ではないトラブルの見分け
花芽が付かない、つぼみが落ちる、葉が焼けるといった症状は病気ではなく、置き場所と管理の問題です。薬をまく前に、季節ごとの置き場所と肥料の時期を見直します。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 花芽が付かず葉ばかり | 日照不足、肥料の止め忘れ | 春から秋を屋外の日なたで、七月末で肥料を止める |
| つぼみが黄色くなって落ちる | 暖房の風、置き場所の移動、乾き | 風から外し、つぼみが見えたら動かさない |
| 葉に白い斑点が乾いて出る | 葉焼け | 夏は三割から五割遮光 |
| 古いバルブの葉が黄色く落ちる | 自然な更新 | そのままでよい |
| バルブがしわになる | 水不足か根腐れ | 根を見て白ければ水を増やし、茶色なら植え替え |
シンビジウムの長く咲かせるコツは作物ページに
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