季節で置き場所を変える
シンビジウムは洋ランの中では日光を最も必要とし、寒さにも比較的強い種類です。室内で一年中育てると日が足りず、葉ばかり茂って花芽が付きません。四月から十一月は屋外で日に当て、冬だけ室内に入れるのが基本です。花を咲かせられるかどうかは、屋外で過ごす時間の長さでほぼ決まります。
屋外に出す時期の目安は、最低気温が十度を超えてからです。関東平野部では四月中旬に出し、最低気温が五度を下回る十一月下旬から十二月上旬に室内へ取り込みます。取り込みが早すぎると花芽の付きが悪くなります。
| 時期 | 置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 4月中旬〜6月 | 屋外の日なた | 最低気温が十度を超えたら出す |
| 7月〜8月 | 屋外の半日陰か遮光下 | 三割から五割の遮光で葉焼けを防ぐ |
| 9月〜11月 | 屋外の日なた | 花芽を太らせる。夜の冷えに当てる |
| 11月下旬〜4月上旬 | 室内の日当たりのよい窓辺 | 最低気温が五度を下回る前に取り込む |
| 開花中(1月〜3月) | 室内の明るい場所 | 暖房の風と直射を避けると長持ち |
春から初夏は日に当てて株を作る
四月中旬に屋外へ出したら、一週間ほど半日陰で慣らしてから日なたに移します。室内から急に強い日に当てると葉が焼けます。五月から六月は一日中日が当たる場所で新芽を伸ばし、太いバルブ(葉の付け根のふくらんだ茎)を作る時期です。この時期の日照不足がそのまま冬の花の少なさになります。
日が足りているかは葉の色で判断します。葉が黄緑がかって短く締まっていれば足りていて、濃い緑で長く垂れるなら不足です。葉を触って厚みと張りがあるかも目安になります。
- 一週間は半日陰で慣らす
- 室内から出した直後は軒下や木陰に置き、日ごとに日の当たる時間を延ばします。急に出すと葉が白く焼けます。
- 五月からは一日中日なた
- 慣れたら朝から夕方まで日が当たる場所に置きます。葉が少し黄緑がかるくらいの日当たりが花芽には向きます。
- 鉢を地面に直接置かない
- 地面に直接置くと鉢底からナメクジや虫が入り、水はけも悪くなります。ブロックや台の上に置きます。
- 風通しのよい場所を選ぶ
- 壁際で風がこもる場所は蒸れて病気が出ます。周りに空間があり風が抜ける場所に置きます。
真夏は遮光して葉焼けを防ぐ
七月から八月の直射日光は強すぎて葉が焼けます。寒冷紗で三割から五割遮光するか、午後に日陰になる場所へ移します。一方で暗くしすぎると花芽ができません。葉が濃い緑になるほど暗いのは避け、明るい半日陰を保ちます。夜の温度が下がる場所が理想で、コンクリートに囲まれた熱のこもる場所は避けます。
| 置き場所 | 夏の向き不向き | 対策 |
|---|---|---|
| 落葉樹の下 | 最も向く | 自然な木漏れ日でそのまま |
| 南向きのベランダ | 遮光が必要 | 寒冷紗を張り、床から離す |
| 建物の東側 | 向く | 午前の日で十分 |
| コンクリートに囲まれた場所 | 不向き | 夜も熱がこもる。台の上に上げ、打ち水 |
葉に白や茶色の斑点が出て乾いた感じになるのが葉焼けです。見つけたらその日のうちに遮光を強めます。焼けた葉は戻りません。
秋は日に当てて夜の冷えで花芽を作る
九月に入ったら遮光を外し、再び一日中日なたに置きます。この時期に日に当てながら夜の気温が十度前後まで下がる環境に置くと、バルブの根元にできた花芽が太ります。十一月まで屋外に置いて夜の冷えに当てることが、花芽の数と花茎の太さを決めます。早く室内に入れると花芽が伸びずに止まります。
- 九月に遮光を外す
- 暑さが抜けたら寒冷紗を外し、朝から夕方まで日が当たる場所へ戻します。九月の残暑が強い年は中旬まで待ちます。
- 夜の冷えに当てる
- 十月から十一月は屋外に置いたまま夜の冷えに当てます。最低気温五度までは屋外で耐えられます。
- 花芽と葉芽を見分ける
- バルブの根元から出る芽で、先が丸く太いのが花芽、平たく薄いのが葉芽です。十月ごろから見分けが付きます。
- 霜が降りる前に取り込む
- 天気予報で最低気温が五度を下回る日が出たら室内へ入れます。関東平野部では十一月下旬から十二月上旬が目安です。
冬は室内の窓辺で花を待つ
室内に取り込んだら、日中に日が当たる窓辺に置きます。暖房の温風が直接当たる場所は花芽が乾いて落ちるので避け、夜は窓から離して冷え込みを防ぎます。最低五度以上を保てれば花は咲きます。暖かすぎる部屋では花芽が伸びずにしおれることがあるので、暖房の入っていない明るい部屋が向きます。
- 日中は窓辺、夜は窓から離す
- 日中はレースのカーテン越しでなく直接日が当たる窓辺に置き、夜は窓際の冷気を避けて部屋の内側へ動かします。
- 暖房の風を当てない
- エアコンやファンヒーターの風が当たると花芽とつぼみが乾いて落ちます。風の通り道から外します。
- つぼみが見えたら動かさない
- つぼみが色づき始めたら置き場所を変えません。向きを変えるだけでもつぼみが落ちることがあります。
置き場所が原因のトラブルを見分ける
シンビジウムの不調の多くは置き場所と日照の問題です。葉の色と株の姿から原因を切り分け、置き場所を直します。薬や肥料では戻りません。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑で長く垂れ、花芽がない | 日照不足 | 春から秋を屋外の日なたで過ごさせる |
| 葉に白や茶色の斑点が乾いて出る | 葉焼け | 夏は三割から五割遮光 |
| 花芽が出たのに伸びずに止まる | 取り込みが早い、室内が暖かすぎる | 秋は十一月まで屋外、冬は涼しい部屋 |
| つぼみが黄色くなって落ちる | 暖房の風、置き場所の移動 | 風から外し、つぼみが見えたら動かさない |
| 葉が凍って半透明になる | 霜に当たった | 凍った葉は切り、以後は五度で取り込む |
シンビジウムの置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
シンビジウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシンビジウムの育て方にまとめています。
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