用途で採り時を決める
ダイダイは生食には酸味と苦みが強く向きませんが、果汁と皮に強い香りがあります。ポン酢や酢の物に使う果汁は十月から十一月の青い実から絞れ、正月飾りには十二月下旬に黄色く色づいた実を枝葉付きで採ります。マーマレードには黄色く熟した実を使います。用途を決めてから採る時期を判断します。
| 用途 | 採る時期 | 実の見た目 | 採り方 |
|---|---|---|---|
| ポン酢・酢の物の果汁 | 10月〜11月 | 緑から黄色が混じり始める | へたを残してはさみで |
| 正月飾り | 12月中旬〜下旬 | 全体が濃い黄色 | 葉付きの枝ごと切る |
| マーマレード | 12月〜1月 | 黄色で皮に張りがある | 傷のない実を選ぶ |
| 翌年の飾り用に樹に残す | 1月まで | 黄色のまま | 採らずに残し、傷んだ実だけ落とす |
果汁用は青いうちから採れる
十月に実が直径六センチを超えたら果汁用に採り始められます。青い実は酸味が鋭く香りが立ち、黄色くなるにつれて酸味が和らいで果汁が増えます。全部を一度に採らず、使う分だけ数回に分けて採ると、残った実が大きくなって長く楽しめます。
- へたを残してはさみで切る
- 手でもぐと皮がむけて傷むので、へたのすぐ上をはさみで切ります。へたの軸を長く残すとほかの実を傷付けるので、切ったあと軸を短く切り直します。
- 大きい実から採る
- 同じ枝の中で大きい実から採ると、残った実に栄養が回ります。小さくて傷のある実は早めに採って絞ってしまいます。
- とげに注意して手を入れる
- 枝の奥の実を採るときは革手袋をはめ、とげの位置を見てから手を入れます。実がとげに触れないように引き抜きます。
正月飾りは枝葉を付けて採る
鏡餅や注連飾りに使う実は、十二月中旬から下旬に全体が濃い黄色になったものを、葉を二〜三枚付けた短い枝ごと切ります。葉が付いていると飾りに映え、へたも取れません。傷や汚れのない実を選び、採ったら日陰の涼しい場所に置いて乾かさないようにします。
| 状態 | 採り時の判断 | 注意 |
|---|---|---|
| 全体が濃い黄色で皮に張りがある | 採り頃 | 枝葉付きで切る |
| 黄色に緑が残る | あと一〜二週間 | 十二月中旬まで待つ |
| 黄色で表面に茶色のしみ | 寒さの傷み | 飾りには使わず果汁に |
| へたの周りが黒い | すす病 | 洗えば果汁に使える |
保存の仕方
採った実は冷蔵庫の野菜室でポリ袋に入れれば二〜三週間ほど香りが保てます。それ以上は果汁を絞って冷凍します。製氷皿で凍らせれば一年中ポン酢が作れます。皮はマーマレードのほか、刻んで乾かせば香り付けにも使えます。冷凍した果汁は解凍を繰り返すと香りが飛ぶので、一回分ずつ小分けにします。
- 果汁は絞ってすぐ冷凍
- 半分に切って絞り、種を取り除いて製氷皿に入れます。凍ったら袋に移して保存します。解凍せずそのまま料理に入れられます。
- ポン酢は果汁と醤油を同量で
- 果汁と醤油を同量混ぜ、昆布を一切れ入れて一晩置きます。冷蔵で一か月ほど持ち、鍋物や焼き魚に使えます。
- 皮はマーマレードに
- 皮を薄く刻んで二回ゆでこぼし、苦みを抜いてから果肉と砂糖で煮ます。ダイダイの皮はペクチンが多く、よく固まります。
毎年実らせるために採り終えたらすること
実を採り終えた樹は翌年の花芽を作る準備に入ります。十月の秋肥を与えていれば追加は不要ですが、実を多く付けた年は樹が疲れているので、翌年の摘果を強めにして隔年結果(実が多い年と少ない年を交互に繰り返すこと)を防ぎます。樹に残した実も一月までにはすべて採ります。
- 一月までに残った実をすべて採る
- 飾りに使わない小さな実も一月までにすべて採ります。樹に残った実は翌年の花芽を作る栄養を奪い続けます。
- 落ち葉と落ちた実を片付ける
- 株元に落ちた実や葉は病気の菌が越冬する場所になります。集めて処分し、株元にわらを新しく敷き直します。
- 翌年の目標を決める
- 今年の実の数を数えて記録しておきます。多過ぎたなら翌年は七月の摘果で三割減らす、少なかったなら春肥を一割増やすといった判断の材料になります。
実が付かない・小さいときの原因
花は咲くのに実が残らない、実は付くが小さいままという相談が多い果樹です。多くは樹の若さか、水と肥料の不足、実の付け過ぎのどれかで、樹の姿を見て切り分けます。ダイダイは実が大きい分、付け過ぎの影響が翌年にはっきり出ます。
| 状態 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 植えて三年未満、または枝先を切った | 春枝を残して待つ |
| 花は咲くが六月に全部落ちる | 開花期の水切れ、前年の実の付け過ぎ | 五月から水を切らさず翌年は摘果する |
| 実は付くが六センチにならない | 実の数が多過ぎ、夏の肥料不足 | 七月に葉二十五枚に一個まで減らし夏肥を与える |
| 果汁が少なく皮が厚い | 採り遅れ、夏の乾燥 | 適期に採り八月の水やりを増やす |
| 一年おきにしか実らない | 隔年結果 | 実の多い年に強く摘果し、実を一月までに採る |
ダイダイの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ダイダイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はダイダイの育て方にまとめています。
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