地植えか鉢植えかを地域で決める
ダイダイは温州ミカンと並んで寒さに強い柑橘で、マイナス五度前後まで耐えます。関東平野部なら南向きの庭で地植えができ、放任に近い管理でも毎年実を付けます。北関東の内陸や標高の高い場所では鉢植えにして、冬だけ軒下や無加温の室内に移します。
実は正月飾りに使うため、十二月に黄色く色づいた実が付いている姿が求められます。地植えなら樹高三メートルほどになり、実の数も百個を超えますが、鉢植えでも十号以上なら十個前後は採れます。
| 地域 | 育て方の目安 | 冬の扱い |
|---|---|---|
| 南関東の平野部・沿岸 | 地植えが基本 | 若木は株元にわらを敷く程度 |
| 北関東の内陸 | 地植え可、南向きの壁際 | 若木は不織布を巻く |
| 寒冷地・標高の高い場所 | 鉢植え | 軒下か無加温の室内 |
| 暖地 | 地植えで放任に近い | 特別な防寒は不要 |
実を付けたまま冬を越す樹なので、実そのものはマイナス三度を下回ると傷みます。樹は耐えても実を守るには防寒が要ることがあります。
苗は接ぎ木の二年生を選ぶ
園芸店の柑橘苗には、カラタチを台木にした接ぎ木苗と、種から育てた実生苗があります。ダイダイは接ぎ木苗を選びます。実生は実が付くまで八年以上かかるうえ、とげが強く樹が大きくなり過ぎます。接ぎ木苗なら植えて三年目から実が見られます。
- 接ぎ口を確かめる
- 株元から十センチほどの位置に、幹の太さが変わる接ぎ口があるものが接ぎ木苗です。接ぎ口がしっかり癒合して、ぐらつかないものを選びます。
- 葉の色と数を見る
- 葉が濃い緑で落葉や黄化がないものを選びます。葉数が少なく細い苗は根が弱っていて、植えても一年は動きません。
- 根鉢の状態を触って確かめる
- ポットの底から白い根が少し見えているものが健全です。土がぐらつく苗は根が回っていないので避けます。
植え付けは三月中旬から四月
植え付けは寒さが抜けて新芽が動く直前の三月中旬から四月が適期です。柑橘は根の再生がこの時期に最も早く、秋植えは冬の寒さで根が傷むので関東では避けます。夏の植え付けは水切れで枯れやすくなります。
| 月 | 植え付けの可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 3月中旬〜4月 | 適期 | 新芽の直前で根の再生が早い |
| 5月〜6月 | 可 (ポット苗) | 根鉢を崩さず、水切れに注意 |
| 7月〜9月 | 避ける | 暑さで水切れしやすい |
| 10月〜3月上旬 | 避ける | 寒さで根が傷む |
地植えの手順
日当たりが良く、冬の北風が当たらない場所を選びます。建物の南側で壁から一メートル半ほど離した位置が理想で、壁の蓄熱で冬の冷え込みが和らぎます。根は深く広がるので、隣の樹や塀から二メートル以上離します。水はけが悪い庭では高植えにします。
- 植え穴を大きく掘る
- 直径と深さがそれぞれ五十センチの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ一杯と苦土石灰をひと握り混ぜて戻します。柑橘は弱酸性から中性の土を好みます。
- 接ぎ口を埋めない
- 根鉢の上面を地面と同じ高さにし、接ぎ口が土に埋まらないように植えます。埋まると穂木から根が出て、台木の矮化効果が消えます。
- 水鉢を作りたっぷり与える
- 周囲に土手を作って水をため、土になじませます。植え付け後一か月は雨が少なければ週一回たっぷり与えます。
- 支柱を立て株元を覆う
- 風で揺れると細根が切れるので、支柱を一本立てて八の字に結びます。株元にわらか腐葉土を敷いて乾燥を防ぎます。
鉢植えの手順
鉢植えは八号から始め、二年ごとに一回り大きくして最終的に十二号から十五号で維持します。用土は赤玉土の中粒六に腐葉土三、軽石一を混ぜたものか、市販の果樹用培養土を使います。水はけが悪いと根が黒くなるので、鉢底に軽石を三センチ敷きます。
- 根鉢を軽くほぐして植える
- 根鉢の外側を指で軽くほぐし、接ぎ口が土に埋まらない高さに植えます。鉢の縁から三センチ下げて水をためる余地を作ります。
- 日陰で一週間落ち着かせる
- 植えた直後は鉢底から流れるまで水をやり、一週間ほど直射日光を避けた場所で根を落ち着かせてから日なたに出します。
- 植えた年は花を摘む
- 一年目に咲いた花はすべて摘み、枝と根を育てます。二年目に数個、三年目から本格的に実らせます。
植え付け後に葉が落ちるときの原因
植え付けから一か月以内に葉がぱらぱら落ちるのは珍しくありません。多くは環境の変化への反応で、枝が緑のうちは回復します。枝の先を爪で軽くこすって緑なら生きていると判断し、水やりの見直しだけで様子を見ます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が丸まってから落ちる | 水切れ | 表面が乾いたら底から出るまで与える |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水のやり過ぎか根傷み | 水を控え、水はけを見直す |
| 葉は緑のまま落ちる | 急な環境変化 | そのまま管理し、二週間で新芽が出れば問題なし |
| 新芽が食べられる | アゲハの幼虫 | 葉裏を見て幼虫を取る |
ダイダイの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ダイダイの収穫までのコツは作物ページに
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