症状から原因を探す
ダイダイの不調は、葉の食害、枝や葉の付着物、葉や実の斑点、実の傷みの四つに大別できます。まず葉と枝、そして実をよく見て、どれに当たるか判断してから対処します。丈夫な樹なので、病気で枯れることはまずありません。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 新芽が食べられ黒いふんがある | アゲハチョウの幼虫 | 幼虫を探して取る |
| 葉が白い線で描かれたように曲がる | ミカンハモグリガ | 被害葉を摘み取る |
| 枝に白い綿や茶色の殻が付く | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉裏がべたつき黒いすすが付く | アブラムシ・カイガラムシの排泄物 | 虫を取り、葉を水で洗う |
| 葉や実に盛り上がった茶色の斑点 | かいよう病 | 被害葉と実を切り取る |
| 樹に残した実が茶色く軟らかい | 寒さの傷み、過熟 | 傷んだ実を全部採る |
アゲハチョウは春の新芽を守る
柑橘の葉はアゲハチョウの幼虫の食草で、四月から十月まで何度も産卵に来ます。若木は一匹の幼虫で新芽を全部食べられることがあります。成木なら多少食べられても実に影響はないので、若木ほど注意深く見ます。卵から幼虫、さなぎまで二週間ほどなので、見回りが二週間以上空くと大きな幼虫に食べられます。
- 週一回、新芽の裏を見る
- 卵は直径一ミリの黄色い球で新芽の裏に付きます。若い幼虫は鳥のふんに似た黒白の姿、大きくなると緑の芋虫になります。指かはさみで取り除きます。
- 若木は防虫ネットをかける
- 植えて二年目までの鉢植えは、四月から目の細かい防虫ネットで覆うと産卵を防げます。一本で実が付くので開花中も覆ったままで構いません。
- 殺虫剤は幼虫が小さいうちに
- 手で取り切れないなら、果樹に使える殺虫剤を新芽に散布します。大きくなった幼虫には効きにくいので、見つけたら早めに使います。
カイガラムシはこすり落とすのが基本
枝や葉裏、実のへたの周りに白い綿状や茶色の丸い殻が付くのがカイガラムシです。成虫は殻に守られて薬剤が効きにくいので、見つけたら使い古しの歯ブラシでこすり落とします。放置すると排泄物に黒いすす病が付き、葉が光を受けられなくなるうえ、実も黒く汚れて飾りに使えません。
- 冬にこすり落とす
- 実を採ったあとの冬に、枝を一本ずつ点検してこすり落とします。落とした虫は再び付かないので、地面に落ちても構いません。
- 幼虫の時期に薬剤を使う
- 五月から七月に生まれる幼虫は殻がなく薬剤が効きます。果樹に使えるカイガラムシ用の殺虫剤を、葉裏と枝にかかるよう散布します。
- 冬に機械油乳剤を使う
- 毎年ひどく付くなら、一月から二月に園芸用の機械油乳剤を全体に散布します。膜で覆って窒息させるので殻のある成虫にも効きます。実を採ってから散布します。
かいよう病は雨と風で広がる
葉や実に周りが黄色い茶色の斑点ができ、中央が盛り上がってコルク状になるのがかいよう病です。細菌が原因で、雨のしぶきと風で広がります。梅雨から秋の台風の後に増え、一度出ると翌年も出やすくなります。とげの多いダイダイは、風で葉や実がとげに擦れた傷から菌が入りやすいので、とげを落とすことが予防になります。
- 見つけたら切り取る
- 斑点のある葉と実をはさみで切り取り、袋に入れて捨てます。はさみは作業後に熱湯で消毒します。
- とげを落とし風当たりを弱める
- 枝のとげを根元から落とし、擦れ傷を減らします。鉢植えは台風の前に風の当たらない場所へ移し、地植えは防風ネットを張ると減ります。
- 銅を含む薬剤で予防する
- 毎年出るなら、春の新芽が伸びる時期と梅雨入り前に、果樹用の銅を含む殺菌剤を散布します。発病後には効きません。
ハモグリガと葉の変形
葉の表面に白く曲がりくねった線が描かれ、葉が波打つのはミカンハモグリガの幼虫が葉の中を食べた跡です。夏から秋の新芽に多く、見た目は悪いものの成木の実には影響しません。若木は光合成が減るので被害葉を摘み取ります。
| 見た目 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 白い線が葉に描かれる | ハモグリガの幼虫 | 被害葉を摘み取る |
| 葉が縮れて丸まる | アブラムシ | 水で洗い流すか殺虫剤 |
| 葉が葉脈を残して黄色い | 肥料不足か酸度 | 肥料と土の見直し |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 肥料過多か強い乾燥 | 水で流し肥料を止める |
樹に残した実が傷むときの見分けと手当て
ダイダイは実を樹に残せるのが特徴ですが、残し過ぎると傷みます。マイナス三度を下回る夜が続くと皮が茶色くなって軟らかくなり、春まで残した実は皮が厚く果汁が減ります。傷んだ実を放置すると腐って落ち、株元で病気の元になるので、見つけ次第採ります。
| 実の見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 皮に茶色のしみ、押すと軟らかい | 寒さの傷み | 全部採って傷んだ部分を除き果汁に |
| 皮が厚くなり、絞っても果汁が少ない | 残し過ぎ | 三月までに採り終える |
| 春に緑に戻った | 回青という正常な現象 | 食味は落ちるが問題なし、飾りには不向き |
| へたの周りが黒く汚れる | カイガラムシのすす病 | 虫を落とし、実は洗って使う |
| 実に穴があき中が空洞 | 夜蛾の吸汁や鳥 | 傷んだ実を採り、袋かけを検討 |
実を残す目安は一月までです。それ以降は翌年の花芽を作る栄養を実に取られ、隔年結果の原因になります。
ダイダイの収穫までのコツは作物ページに
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