葉・花・種で採り時が違う
葉は本葉が十枚ほどになった種まき後五十日ごろから、花が咲く前までが柔らかく香りも強い時期です。花は黄色い傘形で、開いたばかりのものをピクルスに使います。種は開花から一か月ほど、穂が緑から茶色に変わって種が硬くなったら収穫します。葉を採る株と種を採る株を分けておくと、両方を無理なく採れます。
| 目的 | 時期 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 葉を使う | 種まき後50日〜開花前 | 花茎が上がる前の柔らかい葉 |
| 花を使う | 開花直後 | 黄色い小花が開いたころ、茎ごと切る |
| 種を採る | 開花から約1か月 | 穂の種が茶色く硬くなり、先が割れ始める |
葉の摘み方
外側の大きな葉から、葉柄の付け根ではさみで切ります。一度に株の三分の一より多く取ると回復が遅れるので、必要な分をこまめに摘みます。朝、露が乾いたころが香りの強い時間帯です。糸のように細い葉は傷みやすいので、摘んだらすぐ水に付けるか、湿らせたペーパーで包みます。
- 外葉から切る
- 株の外側にある葉の葉柄を、付け根から二センチ残してはさみで切ります。中心の若い葉は次の収穫用に残します。
- 一株三分の一まで
- 一回に採る量は葉全体の三分の一以内にします。多く採った株は二週間ほど休ませ、葉が戻るのを待ちます。
- 生で使い切る
- 生の葉は冷蔵で三〜四日しか香りが持ちません。魚料理、卵料理、ヨーグルトソースなど、加熱の仕上げか生で使います。
茎ごと切ると、その茎からは葉が出なくなります。葉を長く採りたいなら葉柄だけを切ることを守ってください。
種の収穫と乾燥
穂の種が茶色く色づき、指で触って硬くなっていたら収穫です。完熟を待ちすぎると種が落ちて散るので、穂の七〜八割が色づいたら穂ごと切ります。切った穂は紙袋に逆さに入れて風通しのよい日陰に吊るし、二週間ほど乾かすと袋の中に種が落ちます。株の下にシートを敷いてから切ると、こぼれた種も無駄になりません。
- 晴れた日の朝に切る
- 露が乾いた午前中、穂の下二十センチで茎ごと切ります。二日晴れが続いた日を選ぶと、乾きが早くカビにくくなります。
- 紙袋に逆さに入れる
- 穂を下にして紙袋に入れ、口を茎ごと縛って日陰に吊るします。ビニール袋は湿気がこもってカビるので使いません。
- 袋をゆすって集める
- 二週間たったら袋をゆすり、落ちた種を集めます。ふるいでごみを除き、皿に広げてさらに一週間乾かします。
種を指で押してつぶれるならまだ水分が残っています。乾燥が足りないまま密閉するとカビが出ます。
保存の仕方
葉は乾燥させると香りがかなり落ちるので、生か冷凍が向きます。刻んで少量の水かオリーブ油と一緒に製氷皿で凍らせると一か月ほど香りが持ちます。種は十分乾かして密閉びんに入れれば一年ほど持ち、ピクルスやパン、魚の煮込みに使えます。来年まく種は紙封筒に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
| 用途 | 保存方法 | 持つ期間の目安 |
|---|---|---|
| 葉を生で | 湿らせたペーパーで包んで野菜室 | 3〜4日 |
| 葉を冷凍 | 刻んで製氷皿で水か油と凍らせる | 1か月 |
| 種を料理に | 密閉びんで常温の暗い所 | 1年 |
| 来年まく種 | 紙封筒+乾燥剤で野菜室 | 翌々年まで |
花とピクルス
ディルの花は種になる前の若い穂ごと使えます。開いたばかりの黄色い傘を茎ごと切り、キュウリのピクルスの瓶に入れると、葉より強く種より柔らかい香りが付きます。花を採る株は葉の収穫を諦めることになるので、株を分けておきます。花を採った後の株からはもう葉は出ないので、抜いて片付けます。
- 開いた直後に切る
- 傘の小花が半分ほど開いたころ、茎を十センチ付けて切ります。開き切ると花粉が落ちて汚れます。
- そのまま瓶に入れる
- 水で軽く洗って水気を切り、ピクルス液に漬けるキュウリと一緒に瓶に入れます。一瓶に花一〜二本で十分です。
花を残した株は葉が硬くなるので、花用と葉用の株を最初から分けておきます。花を採った後の株は種ができないので、そのまま抜いて片付けます。
香りが弱い・種が付かないときの原因
葉の香りが弱いなら肥料と水の与えすぎです。追肥(育ちの途中で足す肥料)を止めて乾かし気味にすると、次の葉から香りが戻ります。花は咲くのに種が入らないなら、開花中の長雨で受粉できなかったか、フェンネルと交雑しているかです。交雑した種は香りが中途半端なので、料理には使えても来年まく種には向きません。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉の香りが弱い | 肥料と水の与えすぎ | 追肥を止めて乾かし気味にする |
| 穂に種が入らない | 開花中の長雨 | 軒下で雨を避け、翌年は株間を広く |
| 種の香りが違う | フェンネルとの交雑 | 5メートル以上離し、種は買い直す |
| 種が落ちて散った | 収穫が遅れた | 穂の7〜8割が色づいたら切る |
ディルの収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ディルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はディルの育て方にまとめています。
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