症状から見分ける
ディルの困りごとは、発芽直後の立枯れ、春の新芽のアブラムシ、初夏から夏の葉を食べるキアゲハの幼虫、梅雨の株元の蒸れ、草丈が伸びてからの倒れの五つがほとんどです。葉がなくなっているのか、しおれているのか、根元が黒いのか、倒れているのかを見て、時期と合わせれば原因は絞れます。
| 症状 | 考えられる原因 | 出る時期 |
|---|---|---|
| 発芽直後の芽が根元から倒れる | 立枯れ病(水の過多) | 4〜5月、10月 |
| 新芽や茎に緑や黒の小さな虫 | アブラムシ | 4〜6月、10月 |
| 葉が茎だけ残して食われる | キアゲハの幼虫 | 5〜9月 |
| 下葉が黄色く株元が腐る | 梅雨の蒸れ | 6〜7月 |
| 茎が根元から倒れる | 倒伏(風雨・肥料過多) | 5〜7月 |
| 葉に白い粉 | うどんこ病 | 6〜9月 |
立枯れ病
発芽して一〜二週間の小さな芽が、根元が細くくびれて倒れます。土が常に湿っている、厚くまいて混み合っている、前にセリ科を育てた土をそのまま使った、が主な原因です。出たら周りの芽ごと取り除き、水を控えて表面を乾かします。まき直すときは新しい土か、別の場所にします。
- 倒れた芽を取り除く
- 倒れた芽とその周り三センチの芽を土ごと取り、袋に入れて捨てます。残すと隣に広がります。
- 水を止めて乾かす
- 表面が乾くまで水を止め、覆いをかけているなら外して風を通します。混んでいる所は早めに間引きます。
- まき直しは場所を変える
- 同じ場所にまき直すと繰り返します。プランターなら新しい土に替え、畑なら一メートル以上離してまきます。
アブラムシ
四月ごろから新芽と花茎の先に群がり、汁を吸って葉を縮れさせます。細い葉の間に入り込むので見つけにくく、葉が縮れてから気づくことが多いです。少ないうちは水で洗い流し、多ければ食用の野菜に使える殺虫剤を使います。窒素肥料が多いと付きやすいので、追肥(育ちの途中で足す肥料)を控えるのが根本の予防です。
- 新芽を毎朝見る
- 株の中心の新芽を指で開いて確かめます。緑の小さな虫が数匹いたら、その日のうちに水で洗い流します。
- 多ければ殺虫剤
- 食用のハーブに使えると表示のある殺虫剤を新芽と花茎にかけます。収穫までの日数を守ります。
- 肥料を減らす
- 繰り返し付く株は肥料が効きすぎています。追肥を止め、葉の色が少し薄くなる程度に保ちます。
キアゲハの幼虫
セリ科の葉を好むキアゲハが五月から九月に卵を産み、黒と黄緑のしま模様の幼虫が葉を食べ尽くします。ディルは葉が細いので、数日で一株が茎だけになります。毎朝、黒い粒状のふんと食われた跡を見て回り、小さいうちに割りばしで取り除きます。触ると黄色い角を出して臭いますが、毒はありません。
- ふんを手がかりに探す
- 葉の下や株元に黒い粒状のふんがあれば近くにいます。葉の裏と茎の付け根を確かめます。
- 割りばしで取り除く
- 見つけた幼虫は割りばしでつまんで離れた場所に放すか処分します。卵は黄色い粒で葉に付くので、見つけたら葉ごと取ります。
- 防虫ネットで防ぐ
- 毎年やられるなら、五月から目の細かい防虫ネットをかけます。種を採る株は開花中に外します。
幼虫は一匹でも一日で葉を数枚食べます。ふんを見つけたら、その日のうちに探して取り除くのが目安です。
梅雨の蒸れと倒伏
株が茂った状態で梅雨に入ると、株元の風通しが悪くなって下葉から黄色く枯れ、ひどいと株元が腐ります。草丈が六十センチを超えた株は、雨と風で根元から倒れます。倒れたまま置くと茎が曲がって起き上がらず、地面に付いた葉が腐ります。梅雨前に下葉を整理し、支柱で囲っておくのが両方の予防です。
- 株元を開ける
- 梅雨の晴れ間に、地面に触れる葉と細い茎を地際で切ります。株の中に風が通る隙間を作ります。
- 倒れた茎は切る
- 曲がって起きない茎は葉の上で切ります。無理に起こすと根が動いて株全体が弱ります。
- 雨を避ける
- プランターは軒下に移します。地植えは畝を高くし、株元に敷きわらをして泥はねを防ぎます。
毎年同じ被害が出るときの見直し
毎年立枯れが出るなら、同じ場所で続けてセリ科を育てているか、まき方が厚すぎます。場所を変え、まく量を半分にします。毎年アブラムシが多いなら肥料の量、毎年蒸れるなら株間の狭さ、毎年倒れるなら支柱の遅れが原因です。株間二十センチ、追肥は一〜二回、草丈三十センチで支柱、の三つを守るだけで被害はかなり減ります。
| 原因 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 連作 | 毎年発芽直後に立枯れ | セリ科を2年空けるか土を替える |
| 肥料過多 | 葉が濃緑で虫が多く倒れる | 元肥のみにし追肥を減らす |
| 株間不足 | 梅雨に株元が腐る | 最終株間20センチ以上、梅雨前に下葉整理 |
| 支柱の遅れ | 毎年雨で倒れる | 草丈30センチで支柱三本のひも囲い |
ディルの収穫までのコツは作物ページに
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