まき時は春と秋
発芽温度は十五〜二十度で、関東平野部の露地では三月下旬から五月上旬の春まきと、九月中旬から十月中旬の秋まきができます。春まきは気温の上昇とともに早く花が上がるので、葉を採れる期間が短めです。秋まきは小さな株で冬を越し、春から初夏まで長く葉を採れるので、葉が目的なら秋まきが向きます。種を採るなら春まきです。
| 目的 | まき時 | 収穫の流れ |
|---|---|---|
| 葉を長く採る | 9月中旬〜10月中旬(秋まき) | 冬越し後、4〜6月に葉、7月に種 |
| 葉を手早く採る | 3月下旬〜5月上旬(春まき) | 5〜6月に葉、7〜8月に種 |
| 種を採る | 3月下旬〜4月(春まき) | 6月開花、8月に種 |
| 寒冷地 | 4月中旬〜5月(春まきのみ) | 6〜7月に葉、8〜9月に種 |
種は採ってから二年以内のものを使います。三年目の種は発芽率が大きく落ちるので、古い種なら倍の量をまきます。
種まきの手順
種は一〜二センチ間隔ですじまきし、五ミリほど薄く土をかけます。光を好む性質があるので、厚くかけると発芽が遅れます。発芽まで一〜二週間かかり、その間に乾くと出そろいません。不織布を浮かせてかけて乾きと鳥を防ぎ、芽が見えたら外します。プランターなら深さ二十五センチ以上のものを使います。
薄くまく
溝に一〜二センチ間隔で種を落とし、指で両側から土を寄せて五ミリほどかけます。手で軽く押さえて種と土を密着させます。
静かに水をやる
はす口を上向きにして種が流れないようにかけます。表面が乾いたらまた与え、発芽まで白く乾かないようにします。
覆いをかけて外す
不織布を土に触れないよう浮かせてかけます。芽が見え始めたらすぐ外して光に当て、ひょろ長くなるのを防ぎます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
直まきが基本、フェンネルと離す
ディルは太い直根が一本伸びる性質で、植え替えると根が傷んで生育が止まります。育てる場所に直接まき、間引きで株を作るのが確実です。もう一つ大切なのが、同じセリ科のフェンネルと近くに植えないことです。互いに交雑して香りが中途半端になり、採った種も使えなくなります。五メートル以上は離します。
- 場所を決める
- 一日六時間以上日が当たり、水はけのよい場所を選びます。フェンネルから五メートル以上離し、前にニンジンやパセリを育てた場所は避けます。
- 土を整える
- まく二週間前に苦土石灰をひと握り、一週間前に腐葉土と緩効性肥料ひとつまみを混ぜて深さ三十センチまで耕します。直根がまっすぐ伸びるよう、石は取り除きます。
- まき溝を作る
- 深さ一センチの溝を条間三十センチで作り、底を板で押さえて平らにします。溝の深さがそろうと発芽もそろいます。
苗を買う場合は本葉三〜四枚までの小さなものを選び、根鉢を崩さず植えます。それでも直まきの株より一回り小さくなるのが普通です。
秋まきの冬越し
秋まきの株は本葉四〜五枚で冬を迎えるのが目安です。関東平野部の露地なら、霜に当たっても中心の芽は生きていますが、不織布をトンネル状にかけておくと葉の傷みが減り、春の伸びも早くなります。冬の間はほとんど育ちませんが根は伸びているので、水は月に二〜三回、暖かい日の午前中に与える程度で足ります。
- 十月中旬までにまく
- 十月下旬以降にまくと株が小さいまま冬に入り、寒さで枯れます。本葉四〜五枚で冬を迎えられる時期にまきます。
- 霜よけをかける
- 十一月下旬から不織布をトンネル状にかけます。晴れた日中は端を開けて蒸れを防ぎ、三月に外します。
- 春に追肥する
- 三月に新しい葉が動き始めたら、株の周りに緩効性肥料をひとつまみまきます。追肥(育ちの途中で足す肥料)はこの一回で十分で、ここから一気に大きくなります。
間引きで株間二十センチにする
本葉が二〜三枚で五センチ間隔、本葉五〜六枚で十センチ、草丈十五センチのころに二十〜三十センチ間隔にします。間引くときは残す株の根を動かさないよう、抜かずにはさみで地際を切ります。間引き菜はそのまま柔らかいディルとして使えます。葉を摘んで使う株なら株間二十センチ、種まで採るなら三十センチが目安です。
| 株の姿 | 間引き後の間隔 | やり方 |
|---|---|---|
| 本葉2〜3枚 | 5センチ | 混んだ所をはさみで地際から切る |
| 本葉5〜6枚 | 10センチ | 葉の色の薄い株、細い株を切る |
| 草丈15センチ | 20〜30センチ | 茎が太く葉の色が濃い株を残す |
間引きが遅れると株が細長く伸びて倒れやすくなります。葉が重なり合ったら時期に関係なく間引くと判断してください。
芽が出ない・そろわないときの原因
まいて三週間たっても芽が出ないなら、覆土が厚いか、乾いたか、種が古いかのどれかです。芽がまばらなら発芽の途中で表面が乾いた可能性が高く、空いた所に追いまきします。出た芽が細長く倒れるなら日照不足か混みすぎです。まき直すなら春は五月中、秋は十月中に済ませます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 3週間芽が出ない | 覆土が厚い・古い種 | 5ミリの覆土で新しい種をまき直す |
| まばらに出た | 発芽中に乾いた | 空いた所に追いまきし、覆いをかける |
| 芽が細長く倒れる | 日照不足・混みすぎ | 覆いを外し、早めに間引く |
| 芽が根元から倒れて枯れる | 水のやり過ぎで立枯れ | 水を控え、周りの芽ごと取り除く |
ディルの種まきでよくある質問
ディルの種はいつまく?
発芽温度は十五〜二十度で、関東平野部の露地では三月下旬から五月上旬の春まきと…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ディルの種はどうやってまく?
すじまき / 直まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ディルの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ディルの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ディルは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ディルの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ディルの種まきに使うもの
ハーブの種は小さく、光を好むものが多いので、土をほとんどかけません。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ないもの。
粗い土だと、細かい種が粒の隙間に落ちて深く埋まってしまいます。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいもの。
土をかけない種は、ジョウロだと流れます。発芽までは霧で与えます。
- 浅い育苗箱・セルトレイ探す言葉「セルトレイ 育苗 128穴」
- 規格の目安
- 深さ 5cm 前後の浅い箱か、128 穴のセルトレイ。
種が小さいうちは深い容器は要りません。浅いほうが地温も上がりやすくなります。
- 苗を買って育てるなら、種まきの資材は要りません。多年草のハーブは苗のほうが早いです。
- ポットに直まきできる大きさの種なら、セルトレイは要りません。
ディルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はディルの育て方にまとめています。
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