軟白する理由と始める時期
軟白は、株の中心に光が届かないようにして葉を白っぽく育てる作業です。光合成が止まるため色素と苦み成分が減り、生のままサラダで食べられる味になります。エンダイブでは仕上げの必須作業と考えてよい工程です。
始めるのは収穫予定の十日から二週間前です。株の直径が二十五センチほどになり、中心の葉が立ち上がってきたころが目安になります。早すぎると小さいまま止まり、遅すぎると苦みが残ります。
| 場面 | 向く方法 | かける日数 |
|---|---|---|
| 晴れの続く秋 | 外葉で包んでひもで縛る | 10日〜14日 |
| 雨が多い時期 | 鉢や皿をかぶせる | 10日前後 |
| 数株だけ試す | 厚手の紙で覆う | 10日前後 |
| 寒さが強い時期 | 不織布と鉢を重ねる | 14日〜18日 |
外葉で包んで縛る
いちばん手軽なのが、外葉を持ち上げて中心を包み、麻ひもや輪ゴムで軽く縛る方法です。道具が要らず、株の形もそのまま保てます。強く締めると葉が折れて傷口から腐るので、そっとまとめる程度にします。
縛る前に葉が乾いていることを必ず確かめます。朝露や雨で濡れたまま包むと、中の湿気が抜けずに数日で腐り始めます。晴れた日の昼前後、葉が乾いた時間帯に作業します。
- 葉の乾きを確かめる
- 手で葉を触って湿りがないことを確かめます。少しでも濡れていれば翌日の晴天まで待ちます。
- 外葉を持ち上げる
- 外側の葉を両手で内側へ寄せ、中心の葉をすっぽり覆います。折らないように根元から起こします。
- 軽く縛る
- 株の上から三分の一あたりを麻ひもで一周させ、軽く結びます。指が一本入るゆるさに留めます。
- 十日後にほどいて見る
- 十日たったらほどき、中心が淡い黄白色になっていれば収穫です。まだ緑なら結び直して数日待ちます。
雨が続く予報のときは縛らず、かぶせる方法に切り替えます。包んだ中に水が入ると必ず腐ります。
鉢や皿をかぶせる
黒い鉢を逆さにかぶせる、あるいは大きめの皿を株の上に伏せる方法もあります。雨が直接中心に入らないので、秋の長雨の時期でも腐りにくいのが利点です。鉢の底穴からは光が入るので、板や石でふさぎます。
かぶせる方法は株を押しつぶさないことが大切です。鉢の縁が地面に着いて葉が挟まると、そこから傷んで腐ります。株より一回り大きい鉢を選び、葉が自然に収まる高さを確かめます。
- 一回り大きい鉢を選ぶ
- 株の直径より五センチほど広い鉢を用意します。小さいと葉が挟まり、その部分から腐りが始まります。
- 底穴をふさぐ
- 逆さにかぶせたあと、底の穴に平たい石や板を載せて光を遮ります。少しの光でも軟白が甘くなります。
- 風で飛ばないよう重しを
- 鉢の上に石を置くか、鉢の縁に土を寄せて固定します。風で飛ぶと一日でやり直しになります。
- 五日おきに中を見る
- 持ち上げて中の様子を確かめ、水がたまっていれば拭き取ります。腐り始めた葉はその場で取り除きます。
軟白中の見回りが仕上がりを決める
軟白中は株の中が見えないので、放っておくと腐っていても気づけません。三日から五日に一度は中を確かめる習慣にすると、傷みを早い段階で見つけて手を打てます。
見回りのときは、においも手がかりになります。ほどいたときに酸っぱいにおいがしたら、内部で腐りが始まっています。傷んだ葉を取り除き、その株は軟白を切り上げて早めに収穫します。
- 三日から五日おきに開ける
- ひもをほどくか鉢を持ち上げて中を見ます。確かめたあとは同じように包み直し、光が漏れないようにします。
- においを確かめる
- 酸っぱいにおいや水っぽいにおいがしたら腐り始めです。その株は軟白を切り上げて収穫します。
- ナメクジを取り除く
- 包んだ中は隠れ家になります。見回りのたびに株元と葉の裏を確かめ、見つけたら取り除きます。
品種で軟白の効きが変わる
エンダイブには、葉が細かく縮れるタイプと、葉が広く平たいタイプがあります。縮れるタイプは中心が自然に立ち上がるので軟白しやすく、広葉のタイプは葉が寝るぶん包むのに手間がかかります。
初めて育てるなら縮れ葉のタイプが扱いやすく、サラダでの見た目も映えます。広葉のタイプは加熱しても持ち味が残るので、炒め物やスープに使うなら向いています。
| タイプ | 葉の形 | 軟白のしやすさ |
|---|---|---|
| 縮れ葉 | 細く深い切れ込みが入る | 中心が立つのでやりやすい |
| 広葉 | 幅広で切れ込みが浅い | 葉が寝るので鉢が向く |
軟白で失敗したときの手当て
軟白の失敗は腐りと色残りのほぼ二つです。どちらも途中で気づけば取り返しがつくので、見回りで見つけたらその場で判断します。
- 中心が茶色く溶けた
- 湿気が抜けていません。傷んだ葉を全部外し、包むのをやめて風に当て、無事な部分を早めに収穫します。
- 十日たっても緑のまま
- 光が入っています。鉢の底穴や包みの隙間を確かめてふさぎ、さらに五日から七日待ちます。
- 葉が折れて傷んだ
- 縛り方が強すぎました。折れた葉を取り除き、次からは指一本が入るゆるさで結びます。
- 軟白中にとう立ちした
- 気温が高すぎました。花茎が伸びた株は苦みが強いので、待たずにすぐ収穫して加熱して使います。
エンダイブの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
エンダイブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエンダイブの育て方にまとめています。
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