見た目から原因を切り分ける
ヤツデの不調はほとんど葉に出ます。何かが付いているのか、穴が空いているのか、色が変わったのかを見て、虫か環境かを判断してから対処します。
| 症状 | 考えられる原因 | まずすること |
|---|---|---|
| 葉裏や葉柄に白や茶色の小さな殻 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉がべたつき、黒いすすが付く | カイガラムシの排せつ物とすす病 | 虫を落とし、葉を水で洗う |
| 葉に不規則な穴、銀色の跡 | ナメクジ | 夜に捕まえる、株元を片付ける |
| 葉が黄ばんで縁が茶色い | 強い日ざし、乾燥 | 日陰へ移す、寒冷紗 |
| 葉がかすれて白っぽい | ハダニ | 葉裏に水をかける |
| 葉に茶色い斑点が広がる | 炭そ病などの斑点性の病気 | 病葉を切り、風通しを改善 |
カイガラムシは見つけ次第こすり落とす
ヤツデで最も多いのがカイガラムシです。葉の裏、葉柄、幹の分かれ目に白や茶色の小さな殻が張り付き、汁を吸って株を弱らせます。殻に覆われた成虫は薬が効きにくいので、見つけたら使い古しの歯ブラシでこすり落とすのが一番確実です。五〜六月に殻のない幼虫がはい出す時期だけは殺虫剤が効くので、毎年出るならこの時期に庭木用の殺虫剤をかけます。
- 月に一度、葉裏と葉柄を見る
- 葉の裏、葉柄の付け根、幹の分かれ目を順に見ます。指で触ってざらつく点があれば、爪で軽く押して動くか確かめます。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 殻を歯ブラシでこすり、落ちた虫は株元に残さず拾って捨てます。葉が大きいので、葉脈に沿って軽い力でこすると傷めません。
- 五〜六月に薬をかける
- 幼虫がはい出す時期に、庭木用の殺虫剤を葉裏と幹に一週間おきに二回かけます。殻のある成虫には効かないので時期を守ります。
- 冬はマシン油で
- 十二〜二月に園芸用のマシン油乳剤をかけると殻ごと窒息させられます。葉が大きいので、裏側まで届くようにかけます。
ナメクジは夜に株元を見る
ヤツデは日陰の湿った場所に植えるので、ナメクジの住みかになりやすい木です。新しい柔らかい葉に不規則な穴を空け、銀色に光る跡を残します。日中は株元の落ち葉や鉢の底に隠れているので、夜に懐中電灯で見回って捕まえるのが確実です。株元の落ち葉を片付け、鉢は地面から浮かせて隠れ場所をなくします。数が多ければナメクジ用の誘引剤を株元に置きます。
- 夜に見回る
- 雨上がりの夜に懐中電灯で葉と株元を見て、割りばしで捕まえます。数日続けると目に見えて減ります。
- 隠れ場所をなくす
- 株元の落ち葉と雑草を片付け、鉢は鉢台に載せて底を乾かします。腐葉土の覆いは薄めにして、湿りすぎないようにします。
- 誘引剤を置く
- ナメクジ用の誘引剤を株元に少量置きます。雨で効きが落ちるので、雨の後に置き直します。
すす病と斑点性の病気
カイガラムシやアブラムシの排せつ物に黒いカビが生えて、葉が黒く汚れるのがすす病です。病気そのものより見た目と光合成の妨げが問題で、虫を減らせば新しい葉はきれいに出ます。葉に茶色い斑点が広がって枯れ込むのは炭そ病などで、風通しの悪い株や葉が重なった部分から出ます。病葉を葉柄で切って捨て、重なった葉を抜いて風を通せば広がりは止まります。
- すすは水で洗う
- 黒くなった葉は、ぬるま湯で湿らせた布で拭くか、ホースで洗い流します。元の虫を減らさないと再発するので、カイガラムシの点検を先にします。
- 斑点の葉は切って捨てる
- 茶色い斑点が広がった葉は葉柄の付け根で切り、袋に入れて捨てます。株の三割を超えて広がったら、花木用の殺菌剤を一週間おきに二回かけます。
病気でも虫でもない障害の見分け
夏に葉全体が黄ばんで縁が茶色く焼けるのは葉焼けで、病気ではありません。葉裏に虫がいないことを確かめたら、置き場所を日陰に変えるか寒冷紗をかけます。冬に葉が少し垂れて色がくすむのは寒さによる一時的な変化で、春に新葉が出れば戻ります。春に下葉が数枚黄色くなるのは世代交代です。幹の根元が黒くなって幹が一本ずつ枯れるのは深植えか過湿による根腐れで、これは早く掘り上げて傷んだ根を切り、新しい土に植え直さないと助かりません。
- 葉焼けは場所を変える
- 葉全体が黄ばんで縁だけ茶色く、葉裏に虫がいないなら葉焼けです。焼けた葉は春の新葉が出てから切り、新しい葉が焼けない場所に移します。
- 根腐れは掘って確かめる
- 幹が一本ずつ枯れるときは根元を掘り、黒く柔らかい根を切り落とします。白い根が残っていれば水はけのよい土で植え直して回復を待ちます。
薬をかける前に確かめること
殺虫剤や殺菌剤は相手を確かめてからでないと効きません。葉のべたつきがカイガラムシかアブラムシかで薬の種類も時期も変わりますし、葉の穴がナメクジかケムシかでも対処が違います。まず葉裏をルーペで見て、動くものがいるか、殻が指で押して落ちるかを確かめます。かけるときは開花中を避け、朝か夕方の風のない時間に、大きな葉の裏まで届くようにします。
同じ薬を続けると効かなくなるので、二回目は成分の違うものにします。ヤツデの葉は大きく薬液がたまりやすいので、真夏の日中にかけると薬害で焼けます。七〜八月は早朝だけにします。
- 葉裏を見て相手を決める
- 動かない殻ならカイガラムシ、緑や黒の小さな虫が群れているならアブラムシ、赤い点が動くならハダニ、銀色の跡があればナメクジです。
- 効かないときは成分を変える
- 一週間後に減っていなければ、別の成分の薬に替えます。同じ薬を三回以上続けると抵抗性が付きます。
ヤツデの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヤツデの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。