一年の流れ
関東平野部では、3月に芽が動き、4〜5月に新しい枝が伸び、6月に開花、夏に実が太り、10月下旬から11月に熟して落ちます。常緑なので落葉はなく、冬も葉が付いたままです。作業の山は3月の剪定と施肥、6月の受粉、夏の水やり、11月の収穫です。
時期は暦より木の姿で判断します。芽が緑に膨らんだら剪定は終わり、雄しべに黄色い粉が見えたら受粉、実を軽く持ち上げて外れたら収穫、が目安です。
| 月 | 木の姿 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 1月 | 休眠、葉は付いたまま | 寒風よけ、鉢は凍らない場所へ |
| 2月 | 休眠 | 寒肥を株元から離して施す |
| 3月 | 芽が動き始める | 上旬に強めの剪定、下旬から植え付け |
| 4月 | 新梢が伸びる | 植え付け、鉢の植え替え |
| 5月 | つぼみが見える | 追肥(育ちの途中で足す肥料)を少量 |
| 6月 | 開花 | 人工授粉を二〜三日おきに |
| 7月 | 小さな実、自然落果 | 摘果、水やり開始 |
| 8月 | 実の肥大 | 乾いたらたっぷり水 |
| 9月 | 実が大きくなる | 秋の追肥、水を続ける |
| 10月 | 実が緑のまま熟し始める | 下旬から落果を拾う。ネットを敷く |
| 11月 | 収穫の最盛期 | 落果を毎日拾い追熟、収穫後に軽い剪定 |
| 12月 | 休眠に入る | お礼肥、落ち葉と落果の片付け |
冬(十二月〜二月)
マイナス10度前後まで耐えるので関東平野部では防寒は不要ですが、植えて二年までの若い株と鉢植えは、北風と凍結を避けます。2月に寒肥として有機質の肥料を施すと、春の芽吹きから花まで効きます。強い剪定は寒さで傷むので3月まで待ちます。
- 若い株の寒風よけ
- 北側に支柱を立てて不織布か寒冷紗を張ります。株全体を覆う必要はなく、風上側だけで十分です。
- 鉢植えは軒下へ
- 鉢土が凍ると根が傷みます。軒下か壁際に寄せ、寒波の夜は不織布をかけます。土が凍っていないかは、朝に表面を指で押して確かめます。
- 2月に寒肥
- 油かすや発酵鶏ふんを株元から50センチ離した円にまき、軽く土と混ぜます。成木で両手二杯ほどです。
春(三月〜五月)
3月上旬に高さと幅を決める剪定をし、下旬からは植え付けや植え替えができます。4月から新しい枝が伸び、その枝に6月の花が付きます。5月にはつぼみが見えるので、開花前に少量の追肥をして花と実の養分を足します。
- 3月上旬に剪定
- 芽が動く直前に、目標の高さで幹や太い枝を切り戻し、内側の混んだ枝を抜きます。芽が緑に膨らんでいたら遅いので、太い枝は翌年に回します。
- 植え付けと植え替え
- 3月下旬から4月に、新しい苗の植え付けと、鉢植えの植え替えをします。根を三分の一ほど整理して一回り大きな鉢へ。
- 5月の追肥
- つぼみが見えたら追肥(育ちの途中で足す肥料)として化成肥料を成木でひとつかみ、株元から離してまきます。多いと枝ばかり伸びて花が落ちます。
初夏(六月)
開花の月です。関東では6月上旬から下旬にかけて二〜三週間咲きます。晴れた午前中に人工授粉を二〜三日おきに行います。花びらは食べられるので、受粉作業のついでに摘んでサラダに使うこともできます。開花中は殺虫剤を使いません。
| 場面 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 花が開き雄しべに粉が見える | 筆で人工授粉 | 晴れた日の午前中 |
| 二品種がある | 互いの花粉を交換 | 二〜三日おきに繰り返す |
| 雨が続く | 雨の合間に集中して受粉 | 花粉が流れる前に |
| アブラムシが付いた | 水で流す | 薬は花が終わってから |
夏(七月〜九月)
実が太る季節です。乾燥に強い木ですが、実が付いているときに乾くと落ちたり小さくなったりします。7月に小さい実がぱらぱら落ちるのは自然な間引きで心配いりません。一か所に四個以上付いていたら二〜三個に減らし、二週間雨がなければ株元にたっぷり水を与えます。
- 7月中旬に摘果
- 実が親指ほどの大きさのうちに、一か所二〜三個に減らします。小さいものと傷のあるものから取ります。
- 乾いたら水
- 二週間雨がなければ、株元にバケツ二〜三杯の水を与えます。鉢植えは表面が乾いたら毎日です。
- 9月に秋の追肥
- 実の仕上げに化成肥料を5月と同じ量与えます。10月以降は与えません。葉の色が薄いなら少し増やし、濃く枝が伸びすぎているなら抜きます。
秋(十月〜十一月)
10月下旬から実が熟して自然に落ち始めます。フェイジョアは色が変わらず緑のまま熟すので、木に付いた実では熟し具合が分かりません。落ちた実を拾うのが基本で、木の下にネットや敷きわらを敷いておくと傷まず拾いやすくなります。収穫が終わったら軽い剪定とお礼肥をします。
- 10月中旬にネットを敷く
- 木の下に防鳥ネットや不織布を地面から30センチほど浮かせて張ると、落ちた実が地面に当たらず傷みません。
- 落ちた実を毎日拾う
- 落ちてすぐは硬いので、室内で数日追熟させます。拾い遅れると地面で傷み、虫が入ります。
- 収穫後に軽い剪定
- 11月下旬、混んだ枝と枯れ枝を付け根から抜きます。太い枝は3月まで待ちます。切る量は株全体の一割ほどを目安にします。
うまくいかない年の原因と直し方
実が付かない年は、初夏の剪定で花枝を切ったか、受粉が足りなかったか、夏に乾いたかのどれかです。開花日と落果の記録があれば原因を絞れます。木が若いうちは年によって実の量が大きく変わりますが、五年目以降は安定します。
| 症状 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 花が少ない | 初夏に枝を切った・肥料過多 | 6〜11月は切らず、追肥を減らす |
| 花は多いが実が付かない | 受粉不足 | 人工授粉を二〜三日おきに、別品種を足す |
| 実が小さく数だけ多い | 摘果なし | 7月に一か所二〜三個へ |
| 8月に実が落ちた | 乾燥 | 二週間雨がなければ水 |
フェイジョアの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
フェイジョアの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフェイジョアの育て方にまとめています。
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