葉を使うか株元を太らせるかで系統を選ぶ
フェンネルには、葉と種を香りづけに使う多年草のスイートフェンネルと、株元の葉柄が玉ねぎのように太る一年草のフローレンスフェンネルの二系統があります。姿は似ていますが育て方の力点が違うので、まく前に用途を決めて選びます。
香りを少しずつ使いたいなら多年草の系統が向きます。一度植えれば毎年芽が出て、高さ一メートルから二メートルの大株になります。野菜として株元を食べたいならフローレンス系統で、株間を広くとり、涼しい時期に一気に太らせます。
| 系統 | 使う部位 | 育て方の要点 |
|---|---|---|
| スイートフェンネル | 葉、花、種 | 多年草。一株で足りる。大株になるので場所を選ぶ |
| ブロンズフェンネル | 葉、観賞 | 多年草。銅色の葉。花壇の後ろ向き |
| フローレンスフェンネル | 太った株元 | 一年草。株間三十センチ。涼しい季節に太らせる |
直まきが基本、移植は本葉二枚まで
フェンネルはニンジンと同じセリ科で、太い直根がまっすぐ下に伸びます。ポットで大きく育ててから植えると根が曲がって育ちが止まるので、畑やプランターに直接まくのが失敗のない方法です。苗を作るなら本葉二枚までの小さいうちに、根鉢を崩さずに植えます。
まき時は春なら三月下旬から四月、秋なら九月中旬から十月上旬です。発芽適温は十五度から二十度で、発芽まで七日から十四日とやや長めです。種は殻が固いので、一晩水に浸けてからまくと出方が揃います。
- 種を一晩水に浸ける
- まく前日の夜にコップの水へ種を入れておきます。浮いた種は取り除き、沈んだ種を紙の上に広げて表面の水気を取ってからまきます。
- 一か所に四粒から五粒の点まき
- 株間三十センチで浅いくぼみを作り、四粒から五粒をまきます。覆土(かぶせる土)は五ミリほどにし、手のひらで軽く押さえます。
- 発芽まで乾かさない
- 発芽に二週間近くかかるので、その間は土の表面を乾かさないようにします。不織布をかけておくと乾きと雨の跳ね返りを防げます。
- 本葉三枚で一本に間引く
- 本葉が二枚から三枚になったら、茎が太くまっすぐな一株を残してほかを地際でハサミで切ります。引き抜くと残す株の根が浮きます。
セリ科の種は寿命が短く、二年目には発芽率が落ちます。買った年に使い切るか、余った種は冷蔵庫で保管して翌春に使い切ります。
苗を買うなら小さい苗を選ぶ
園芸店の苗から始めるなら、大きく育った苗より本葉四枚から五枚の小さな苗が確実です。大きな苗はポットの中で直根が底に当たって曲がっており、植えても新しい根が出にくく、そのまま花が上がってしまうことがあります。
植えるときは根鉢を崩さず、ポットと同じ深さに植えます。深植えすると株元が蒸れ、浅植えは乾きます。植えたあとはたっぷり水を与え、一週間は乾かさないようにして根を落ち着かせます。
- 葉の色と株元を見て選ぶ
- 葉が青々として株元がしっかり立っている苗を選びます。下葉が黄色い苗や、ポットの底から根が長く出ている苗は根が回っているので避けます。
- 根鉢を崩さず同じ深さに
- 植え穴に水を注いでからポットの苗をそっと入れ、周りの土を寄せて軽く押さえます。ポットの土の面が地面と同じ高さになる深さにします。
- 一週間は水を切らさない
- 植えてから一週間は毎朝土を触り、乾いていたら与えます。新しい葉が伸び始めたら根付いた合図で、通常の水やりに戻します。
場所は日当たりと広さで決める
フェンネルは日当たりを好み、半日陰では茎が細く伸びて倒れます。多年草の系統は高さが一メートルを超え、横にも五十センチほど広がるので、畑の端や花壇の後ろに植えます。風が強い場所では支柱が要ります。
土は水はけがよければ選びませんが、酸性が強い土では育ちが鈍ります。まく二週間前に苦土石灰を混ぜ、一週間前に堆肥と元肥(前もって入れる肥料)を混ぜ込んでおきます。フローレンス系統は株元を太らせるので、深く耕して柔らかい土にします。
| 場所 | 向き不向き | 注意 |
|---|---|---|
| 日当たりのよい畑の端 | いちばん向く | 大株になるので隣の作物と離す |
| 深さ三十センチ以上の鉢 | 多年草の系統なら可 | 水切れしやすい。夏は朝夕に確かめる |
| 半日陰の花壇 | 向かない | 茎が細く伸びて倒れる。香りも弱い |
同じセリ科のディルの近くに植えると交雑して、採った種の香りが中途半端になります。種を採るつもりなら十メートル以上離します。
種まきでつまずいたときの切り分け
芽が出ない、出ても細くて倒れる、植えた苗が育たない。フェンネルの種まきの失敗は、発芽日数の長さと直根の傷みのどちらかに原因があることがほとんどです。土を掘って種や根の状態を確かめてから手を打ちます。
- 二週間たっても芽が出ない
- 乾いたか、種が古いかです。土を掘って種がふやけていれば水切れなので、まき直して不織布をかけます。種がそのままなら発芽率が落ちているので新しい種を使います。
- 芽が細く伸びて倒れる
- 日照不足か込みすぎです。間引きが遅れて隣と葉が重なっているなら早めに一本にし、日当たりの悪い場所なら鉢に移して日向へ置きます。
- 植えた苗が動かない
- 根鉢を崩したか、大きすぎる苗で直根が曲がっています。水を切らさずに二週間待ち、それでも新しい葉が出なければ、種からまき直します。
- 苗のまま花が上がった
- 根が回った大苗を植えたか、乾燥で株が慌てて花を付けました。株元を切り戻すと脇から新しい芽が出ることがあるので、根元から十センチで切って様子を見ます。
種まきの手順
フェンネルは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
フェンネルの種まきでよくある質問
フェンネルの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
フェンネルの種はどうやってまく?
点まき / 直まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
フェンネルの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
フェンネルの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
フェンネルは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
フェンネルの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
フェンネルの種まきに使うもの
ハーブの種は小さく、光を好むものが多いので、土をほとんどかけません。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ないもの。
粗い土だと、細かい種が粒の隙間に落ちて深く埋まってしまいます。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいもの。
土をかけない種は、ジョウロだと流れます。発芽までは霧で与えます。
- 浅い育苗箱・セルトレイ探す言葉「セルトレイ 育苗 128穴」
- 規格の目安
- 深さ 5cm 前後の浅い箱か、128 穴のセルトレイ。
種が小さいうちは深い容器は要りません。浅いほうが地温も上がりやすくなります。
- 苗を買って育てるなら、種まきの資材は要りません。多年草のハーブは苗のほうが早いです。
- ポットに直まきできる大きさの種なら、セルトレイは要りません。
フェンネルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフェンネルの育て方にまとめています。
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