症状から原因を絞る
アワの不調は、穂に出るもの、茎に出るもの、葉に出るものに分けて考えます。穂の実がなくなるのは鳥、茎が途中で折れて中が空洞なのは虫、穂が黒い粉になるのは病気というのが典型です。まず被害のある場所と時期を照らし合わせます。
| 症状 | 考えられる原因 | 見る時期 |
|---|---|---|
| 穂の実がなくなり殻だけ残る | スズメなどの鳥 | 8月下旬〜9月 |
| 茎が途中で折れ、中に穴と糞 | アワノメイガの幼虫 | 7月〜9月 |
| 穂が黒い粉の塊になる | 黒穂病 | 8月〜9月 |
| 葉に細長い茶色の斑点 | 葉枯れ性の病気 | 7月〜8月の雨が続いた後 |
| 芽が根元から切られる | ネキリムシ | 5月〜6月 |
| 葉が白くかすれて縮む | アブラムシ・アザミウマ | 6月〜7月 |
鳥害:ネットが唯一確実な対策
アワの実はスズメの好物で、穂が色づき始めると群れで来て数日で食べ尽くします。光るテープや目玉風船は数日で慣れられるので、目の細かい防鳥ネットで畝全体を覆うのが唯一確実な方法です。ネットは穂に触れないよう支柱で浮かせ、地際も隙間なく押さえます。
- 穂が黄色くなる前にかける
- 穂が緑のうちは食べられません。先が黄色くなり始めたころが目安で、気づいたときには遅いことが多いので八月中旬から穂を毎日見ます。
- 支柱で浮かせて張る
- 畝の両端と中間に穂より三十センチ高い支柱を立て、その上にネットをかけます。穂に触れている部分は外から突かれて食べられます。
- 地際を押さえる
- ネットの裾は土や石で押さえ、隙間を作りません。スズメは下から入り込み、中に入ると出られずに暴れて穂を傷めます。
ネットの目は二センチ以下を選びます。目が大きいとスズメがくぐり抜け、中で暴れて穂を傷めます。
アワノメイガ:茎の中の幼虫
アワノメイガの幼虫は茎の中に入って内側を食べ、茎が折れたり穂が出る前に枯れたりします。七月から八月に茎の途中に小さな穴と木くずのような糞が見えたら侵入されています。トウモロコシと同じ害虫なので、近くにトウモロコシがあると発生が増えます。
- 穴と糞を探す
- 七月から週に一度、茎の中ほどの節の周りを見て、小さな穴と粉状の糞がないか確かめます。見つけたらその株の茎を割って幼虫を取ります。
- 折れた株は抜き取る
- 折れて中が空洞の株は幼虫が中にいます。抜き取ってビニール袋に入れ、畑の外へ持ち出します。
- 被害が多い畑は早めに散布
- 毎年出る畑では、穂が出る前の七月中旬に野菜用の殺虫剤を茎に向けて散布します。穂が出た後の散布は避けます。
黒穂病:穂が黒い粉になる
黒穂病は穂の実が黒い粉の塊に置き換わる病気で、種に菌がついて伝わります。発病した穂を放置すると粉が飛び散って土や周りの株に広がり、翌年も出ます。見つけたら粉が飛ぶ前に穂ごと袋に入れて持ち出します。種は前年に病気の出なかった株から取るか、市販の種を使います。
- 穂が出たら色を見る
- 穂が出た直後に灰色や黒っぽい膨らみがあれば黒穂病です。正常な穂は淡い緑で、粒がそろっています。
- 袋をかぶせて切る
- 粉が飛び散らないよう、穂にビニール袋をかぶせてから茎ごと切ります。株全体を抜いて処分します。
- 翌年は種と場所を変える
- その年に採れた種は翌年の種に使わず、市販の種か病気の出なかった株の種を使います。発病した場所では二年ほどアワを作らないようにします。
初期の虫と葉の病気
芽が出たばかりの時期は、ネキリムシに根元を切られる被害が出ます。切られた株の近くの土を浅く掘ると、丸まった幼虫が見つかります。梅雨の長雨の後には葉に茶色の細長い斑点が出ることがありますが、株が育っていれば収穫への影響は小さく、下葉を取って風通しを良くする程度で足ります。
| 見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が根元から切られて倒れている | ネキリムシ | 株元の土を掘って幼虫を取り除く |
| 新葉が白くかすれ、縮れる | アザミウマ・アブラムシ | 水で洗い流し、多ければ野菜用の殺虫剤 |
| 下葉から茶色の斑点が広がる | 葉枯れ性の病気 | 病葉を取り、密植を避けて風を通す |
| 株全体が黄色く生育が止まる | 水はけ不良・肥料不足 | 畝を高くし、葉色を見て追肥 |
薬剤に頼らない予防
アワは丈夫な作物で、株間を守って風通しを良くし、鳥にネットで備えれば薬剤なしでも収穫できます。連作を避け、トウモロコシから離して植えることでアワノメイガの発生も減ります。収穫後の茎や穂の残りを畑に残さないことが、翌年の病害虫を減らす最も効果的な方法です。
- 株間を守る
- 最終株間十センチから十五センチを守り、密植で蒸れさせないようにします。蒸れると葉の病気とアブラムシが増えます。
- トウモロコシと離す
- アワノメイガはトウモロコシからも移ります。同じ畑で作るなら、できるだけ離れた畝にします。
- 残さを持ち出す
- 収穫後の茎は幼虫の越冬場所になります。細かく切って堆肥にするか、被害が多かった年は畑の外へ出します。
アワの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアワの育て方にまとめています。
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