生育段階で管理を変える
アワの管理は、芽が出て株が立ち上がるまで、茎が伸びて穂が出るまで、穂が実るまでの三段階で考えます。初めは乾かさず、茎が伸びる時期は肥料を控えて締まった株にし、穂が出たら水を切らさないというのが基本です。段階を見誤ると、背ばかり高くなって倒れます。
| 時期 | 水やり | 肥料 |
|---|---|---|
| 発芽〜本葉五枚 | 表土が乾いたらやる | なし(元肥のみ) |
| 本葉五枚〜穂が出る前 | 雨が二週間降らなければやる | 最終の間引き後に軽く一回 |
| 穂が出てから実るまで | 乾きが続いたらたっぷり | 穂が出たらやらない |
| 実が固まってから | やらない | なし |
水やりの基本
露地のアワは根が深く伸びるので、株が立ち上がった後はほとんど水やりが要りません。ただし穂が出る直前から実が入る時期に乾燥が続くと、穂が小さくなったり実が入らなくなったりします。葉が昼間に丸まって縦に巻いているのは水不足のサインで、夕方になっても戻らないなら水をやります。
- 朝に葉の巻きを見る
- 夕方に葉が丸まっていても、翌朝に開いていれば水は足りています。朝になっても巻いたままなら、株元に一株あたり一リットルほどを目安に水をやります。
- 穂が出たら切らさない
- 七月下旬から八月に穂が出た後は、十日以上雨がなければ畝の間にたっぷり水を流します。この時期の水切れは収穫量に直結します。
- プランターは毎朝確かめる
- プランターは乾きが早く、真夏は朝夕の二回必要な日もあります。表土を指で押して乾いていたら、底から流れ出るまでやります。
追肥は一回だけ
アワは肥料を多く与えるほど背が高くなり、風雨で倒れやすくなります。追肥(育ちの途中で足す肥料)は最終の間引きをした後に一度だけ、化成肥料を一平方メートルあたりひとつかみ、条の間にばらまいて土寄せと一緒に混ぜます。葉の色が濃い緑で茎が太いなら、この追肥も省いてかまいません。
- 葉の色で要不要を判断する
- 最終の間引きのころに下の葉が黄色くなりかけているなら追肥をします。全体が濃い緑でしっかりしているなら見送ります。
- 条の間にまいて土と混ぜる
- 株元に直接かけず、条と条の間に薄くまきます。そのまま土寄せをすると肥料が土に混ざり、根に届きます。
- 穂が出たら与えない
- 穂が出てからの追肥は茎葉ばかり茂らせて実の入りを悪くします。遅れたなら与えずに済ませます。
鶏ふんや油かすなど窒素の多い有機質肥料も同じ理屈で控えめにします。前作にたっぷり入れた畑なら、追肥は不要と考えて差し支えありません。
土寄せで倒伏を防ぐ
アワは草丈が一メートルから一メートル五十センチになり、穂が重くなる時期に台風や夕立で倒れやすくなります。倒れると穂が地面に触れて腐り、鳥にも食べられます。土寄せ(株元に土を寄せて支えること)を二回行うと、茎の下から出る根が土をつかんで倒れにくくなります。
- 一回目は最終の間引きの後
- 草丈二十センチ前後で、条の間の土を鍬で株元に寄せます。高さ五センチほど盛り、株元の茎が土に埋まるようにします。
- 二回目は草丈五十センチのころ
- 茎の節から根が出始めたころにもう一度寄せます。土寄せの前に条の間の草を取り、寄せた土で草も埋めます。
- 風の強い場所は支柱で補う
- ベランダや風当たりの強い畑では、畝の両端に支柱を立てて腰の高さにひもを張り、株全体を囲うと倒れにくくなります。
草取りと株元の管理
アワの芽は小さく、初期は雑草に負けやすい作物です。特にメヒシバやエノコログサはアワと姿が似ていて、放っておくと見分けがつかなくなります。本葉五枚までの間に条の間を二回ほど草取りし、土寄せで株元の草を埋めてしまえば、その後は葉が茂って草を抑えます。
| 見た目 | アワとの違い | 扱い |
|---|---|---|
| 条の外に生えた細い芽 | 位置がばらばら | 早めに抜く |
| 葉が細く毛が多い芽 | エノコログサの可能性 | 条の中でも抜く |
| 地面をはうように広がる | メヒシバ | 根ごと抜いて持ち出す |
| 条に沿って並ぶ幅広の芽 | アワ本体 | 残して間引きの対象にする |
倒れたときの手当て
夕立や台風で倒れても、穂が出る前なら自力で起き上がります。穂が出た後に倒れたら、茎を折らないように数株ずつまとめてひもで結び、支柱に寄せて起こします。折れた茎は戻らないので、穂が実り始めていれば早めに刈り取って軒下で乾かします。
- 穂が出る前なら触らない
- 茎が柔らかい時期は、無理に起こすと折れます。二日から三日待つと先端が上を向いて立ち上がるので、その後に土寄せで支えます。
- 穂が出た後は束ねて起こす
- 隣り合う四株から五株を軽く束ね、畝に立てた支柱に結びます。きつく縛ると穂がこすれて傷むので、ゆるめにします。
- 折れた株は早採りする
- 実がある程度入っていれば刈り取り、穂を上にして風通しの良い場所につるして追熟させます。
アワの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
アワの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアワの育て方にまとめています。
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