切る時期は花の終わりから七月中旬まで
クチナシは花が終わってすぐ伸びた枝の先に、夏の間に翌年の花芽を作ります。剪定はその花芽ができる前、つまり花が終わる六月下旬から七月中旬までに済ませるのが原則です。八月以降に刈ると翌年の花が消えます。
秋に樹形を整えたくなっても、切るのは枯れ枝と株の内側に伸びた弱い枝だけにします。形を大きく変えるのは翌年の花後まで待ちます。
| 時期 | できる剪定 | 花への影響 |
|---|---|---|
| 6月下旬〜7月中旬 | 刈り込み、切り戻し、間引き | 翌年の花芽が新しい枝先にできる |
| 8月〜10月 | 枯れ枝と混み枝の間引きのみ | 枝先を切ると花芽を失う |
| 11月〜2月 | 原則切らない | 寒さで切り口が傷み枝が枯れ込む |
| 3月〜5月 | 枯れ込んだ枝の除去 | 枝先の花芽は残す |
花がら摘みは剪定の第一歩
花は咲き終わると茶色く変わり、放っておくと実になります。実を付けると株がそちらに力を使い、次の枝の伸びが鈍るので、観賞目的の株では花が終わったものから摘み取ります。実を採りたい枝だけ残す方法もあります。
八重咲きは実がほとんど付きませんが、花がらが枝に残って腐り、そこから灰色かびが出やすくなります。梅雨の間はこまめに取り除きます。
- 花の下の葉二枚で切る
- 花がらだけを摘むのではなく、花の付いた枝を葉二〜三枚残して切ります。その葉の付け根から新しい枝が出て、翌年の花芽がそこに付きます。
- 摘み取る目安は色
- 花びらが白から茶色に変わり始めたら摘みます。しおれる前に摘んでも構いませんが、香りが残るうちは楽しんでからで十分です。
- 雨の日は避ける
- 濡れた枝を切ると切り口から病気が入りやすくなります。晴れ間に行い、切りくずは株元に残しません。
刈り込みと切り戻しの使い分け
生垣や丸く仕立てる株は、表面を刈り込みばさみで揃えます。自然樹形で楽しむ株は、長く伸びた枝だけを付け根近くの葉の上で切り戻し、全体の輪郭を保ちます。どちらも花後すぐに一度で終わらせ、二度刈りはしません。
コクチナシのような小型種は枝が細かく、刈り込みに向きます。大型の一重種は枝が太く、刈り込むと切り口が目立つので、切り戻しで整えるほうが自然です。
- 輪郭を先に決める
- 株を一周して、仕上げたい高さと幅を決めます。今年伸びた分をすべて切るのではなく、伸びた長さの半分から三分の二を目安に残します。
- 葉の上で切る
- 切り口のすぐ下に葉が残るように切ります。葉のない部分で切ると、そこから枯れ込んで芽が出ません。
- 内側の細枝を抜く
- 表面を揃えたあと、株の内側で交差している細い枝や、葉のない古枝を付け根から抜きます。風が通り、病害虫が減ります。
- 刈ったら水と肥料
- 切った直後に水をたっぷり与え、一週間後に緩効性肥料を少量置きます。新芽の伸びが揃い、花芽の充実につながります。
刈り込んだ表面に葉が全くない枝が残ると、そこは翌年も芽が出ません。太い枝を切るときは、葉の付いている位置まで戻します。
大きくなり過ぎた株を小さくする
植えて十年ほど経ち、二メートルを超えた株を小さくしたいときは、一度に半分以下まで切り詰めず、二〜三年に分けて縮めます。クチナシは古い枝からも芽を吹きますが、葉を全部失うと回復に時間がかかります。
縮める作業も花後の六月下旬から七月上旬に限ります。その年の花はあきらめる覚悟で、太い枝を葉の付いた位置まで切り戻し、翌年は伸びた新枝を整える程度に留めます。
- 一年目は三分の一
- 全体の高さと幅の三分の一を目安に、太い枝から順に切り戻します。必ず葉のある位置で切り、葉のない幹だけにしません。
- 二年目に残りを詰める
- 前年に切った所から出た新枝が充実したら、残しておいた古い枝を同じ高さまで切り、株全体の高さを揃えます。
- 根元の芽を育てる
- 株元から出た若い枝は、古い枝の代わりになります。二〜三本を残して育て、古枝を数年かけて入れ替えます。
剪定の後に花が咲かないときの原因
翌年に花がまったく付かない原因のほとんどは、切った時期の遅れです。それ以外に、刈り込みが強すぎて枝先が葉のない部分で止まったこと、日照不足、肥料の与え過ぎで枝ばかり伸びたことが考えられます。
秋のうちに枝先を見ると、翌年の花芽が丸くふくらんでいるか確かめられます。葉芽は細長く、花芽はずんぐりと太いのが見分けの目安です。
| 状態 | 疑う原因 | 翌年に向けた直し方 |
|---|---|---|
| 枝は伸びたが蕾がない | 8月以降に枝先を切った | 翌年は7月中旬までに剪定を終える |
| 枝も葉も少ない | 強く切り過ぎた | その年は切らず、水と少量の肥料で回復を待つ |
| 枝が長く葉が大きい | 窒素肥料が多い、日陰 | 肥料を控え、置き場か周囲の枝を見直す |
| 蕾は付いたが落ちた | 夏の乾きか根の傷み | 株元の敷きわらと水やりを見直す |
花芽が付いた枝を冬に切りたくなったら、その枝だけ残して翌年の花後に整えます。一年待つ価値があります。
クチナシの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
クチナシの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクチナシの育て方にまとめています。
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