症状から原因を絞る
クチナシの不調は葉に現れます。食べ跡があれば虫、黒い粉が付けばすす病、葉脈を残して黄色いなら土の酸度、と症状ごとにおおむね原因が決まっています。まず葉をよく見て、下の表で当たりを付けます。
| 症状 | 疑う原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 葉が丸く食われ、黒い糞が落ちる | オオスカシバの幼虫 | 枝を揺すって落とし捕殺 |
| 葉や枝が黒い粉で覆われる | すす病(カイガラムシの排せつ物) | カイガラムシをこすり落とす |
| 新葉が葉脈を残して黄色い | 鉄不足、アルカリ寄りの土 | 酸性の土を足す |
| 白い綿状のものが枝に付く | コナカイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉に灰色のかび、花がらが腐る | 灰色かび病 | 花がらを取り、風通しを良くする |
| 葉が茶色く縮れる(冬) | 寒風による乾き | 風よけを立て、春まで切らない |
オオスカシバは糞と食べ跡で早期発見
オオスカシバは昼間に飛ぶ蛾で、六月から九月にかけて葉の裏に一つずつ卵を産みます。幼虫は緑色で葉と見分けにくく、大きくなると一晩で数枚の葉を食べます。株元に黒い粒状の糞が落ちていたら、真上の枝を探すと見つかります。
若い幼虫のうちに見つければ数匹の捕殺で済みます。七月と八月は朝の水やりのときに株元の糞を見る習慣を付けると、丸裸にされる前に止められます。
- 株元の糞を毎朝見る
- 水やりのついでに株元を見て、黒い粒があればその真上の枝先を探します。糞の大きさで幼虫の大きさもわかります。
- 枝を揺すって落とす
- 幼虫は枝を強く揺すると落ちます。新聞紙を敷いて揺すり、落ちたものを捕殺します。葉の食べ跡の近くを重点的に。
- 多発したら殺虫剤
- 捕殺で追いつかないときは、花木用の殺虫剤を葉の裏まで散布します。若齢のうちに使うほど効き、花の時期は避けます。
- 土の中の蛹を掘る
- 幼虫は株元の土に潜って蛹になります。冬に株元の土を浅く掘り返すと、翌年の発生を減らせます。
カイガラムシとすす病は風通しの問題
枝が混んで風が通らない株には、ツノロウムシやコナカイガラムシが付きます。カイガラムシ自体の害は小さいものの、排せつ物に黒いかびが生えるすす病で葉が覆われ、光合成が落ちて花が減ります。
成虫は殻に守られて薬が効きにくいため、こすり落とすのが確実です。五月から七月に生まれる幼虫の時期なら殺虫剤も効きます。すす病は虫がいなくなれば、雨で徐々に落ちて新しい葉に置き換わります。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 枝に付いた殻や綿状のものを、使い古しの歯ブラシで落とします。落としたものは株元に残さず捨てます。
- 混んだ枝を抜く
- 花後の剪定で内側の枝を抜き、風が通る株にします。発生源は例外なく枝が重なった日陰の部分です。
- 冬に機械油乳剤
- 毎年出る株は、落葉しない木でも使える冬用の薬剤を十二月から一月に散布すると、越冬中の虫を減らせます。
虫ではない葉の黄化と落葉
葉が黄色くなると病気を疑いがちですが、クチナシでは土の酸度と水の問題がほとんどです。新しい葉が葉脈を残して黄色くなる鉄不足は、コンクリートの近くや石灰を入れた土で起きます。古い葉が下から落ちるなら、水切れか根詰まりです。
春に古い葉が一斉に黄色くなって落ちるのは、新芽との入れ替わりで正常です。新芽が元気に伸びていれば手当ては要りません。心配なら枝先の芽を触って、固くしまっていれば株は健全と判断できます。
| 見た目 | 起きる時期 | 対処 |
|---|---|---|
| 新葉の葉脈間が黄色い | 春〜夏 | 鹿沼土やピートモスで酸度を下げる |
| 下葉から黄色く落ちる | 夏、鉢植えに多い | 水を切らさず、根詰まりなら植え替え |
| 古葉が一斉に黄色い | 4月〜5月 | 正常。新芽が出ていれば放置 |
| 葉先が茶色く枯れる | 冬、乾いた風 | 風よけ、暖かい日の水やり |
葉が黄色いからといって肥料を足すと、原因が水や酸度のときは悪化します。まず土を触って乾きと場所を確かめます。
被害が大きくなったときの立て直し
幼虫に葉を食べ尽くされても、枝が緑なら枯れません。夏なら一か月ほどで新しい葉が出ます。慌てて肥料を与えず、水を保って芽を待ちます。ただし秋に食べられた株は、新葉を出す前に冬を迎えるので、寒風よけを厚めにします。
すす病で真っ黒になった株は、虫を落とした上で花後の剪定で葉の多くを更新すれば、翌年にはきれいな葉に戻ります。切り過ぎると花芽が減るので、剪定の範囲は通常の輪郭整えの範囲に留めます。
- 枝の緑を確かめる
- 葉が全部なくなっても、枝を少し削って緑なら回復します。茶色い枝だけを切り、緑の枝は残します。
- 肥料を止めて水を保つ
- 弱った株への肥料は逆効果です。土の表面が乾いたら水を与えるだけにして、新芽が伸びてから少量の肥料に戻します。
- 翌年の見回りを前倒す
- 被害の出た年は翌年も出やすい傾向があります。五月から株元の糞と葉裏の卵を見る習慣を始めます。
実を採る株に殺虫剤を使うときは、収穫の一か月前までに済ませ、収穫前は捕殺だけにします。
クチナシの長く咲かせるコツは作物ページに
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