三つの採りどきを使い分ける
同じ株から、時期によって違うしょうがが採れます。夏の葉しょうがは若い茎ごと、九月の新しょうがは白くみずみずしい状態で、十月以降の根しょうがは辛みが乗って貯蔵がきく状態です。目的で採る時期を決めます。
全部を欲張ると根しょうがの量が減ります。株数が少ないなら根しょうがに絞り、十株以上あるなら二株を葉しょうがに回す、という配分がちょうどよい形です。
| 種類 | 時期 | 採り方と味 |
|---|---|---|
| 葉しょうが | 7月〜8月 | 株ごと抜く。辛みが穏やかで味噌をつけて食べる |
| 新しょうが | 9月 | 株の外側から掘る。白くやわらかく甘酢漬け向き |
| 根しょうが | 10月〜11月上旬 | 株ごと掘る。辛みが強く貯蔵がきく |
葉しょうがは間引くように採る
葉しょうがは、混んでいる株を間引く形で採ります。草丈が四十センチを超え、株元がふくらんできたころが目安です。残す株の根を揺らさないよう、片手で周りの土を押さえながら真上に引き抜きます。
抜いたあとの穴には土を戻して押さえます。穴が空いたままだと隣の株の根が乾き、そこから傷みます。採った葉しょうがは日持ちしないので、その日のうちに使い切ります。
- 混んだ株を選ぶ
- 一か所から三本以上茎が出ている株を選びます。畝の端の株から採ると全体の日当たりが変わりません。
- 土を押さえて抜く
- 片手で株元の土を押さえ、もう片手で茎の根元を持って真上に引きます。斜めに引くと折れます。
- 穴を埋める
- 抜いたあとの穴に土を戻し、手で押さえて水を与えます。隣の株の根を乾かさないためです。
根しょうがは霜の前に掘り切る
根しょうがは霜に一度でも当たると、根茎の細胞が壊れて貯蔵がきかなくなります。関東なら十月下旬から十一月上旬、葉が黄色く倒れ始めたころが掘りどきです。天気予報を見て、晴れが二日続いたあとの日を選びます。
掘るときは株から二十センチ離してくわを入れ、下からすくい上げます。近くに入れると根茎を割ってしまいます。掘り上げたら茎を三センチほど残して切り、土は手で軽く払うだけにします。
- 晴れが続いた日を選ぶ
- 土が乾いていると根茎に土がこびりつかず、皮を傷めずに済みます。雨の翌日は避けます。
- 離してすくい上げる
- 株から二十センチ外側にくわを入れ、てこの要領で持ち上げます。株元の真上には入れません。
- 茎を切って土を払う
- 茎を三センチ残して切り、土を手で払います。ここでは洗いません。水気が腐敗を呼びます。
保存は十三度以上で乾かさない
しょうがは冷蔵庫に入れると低温障害で黒くなります。十三度から十五度、湿り気のある暗い場所が最適です。新聞紙に包んで段ボールに入れ、室内の暖かい場所か床下収納に置くと、翌春まで持ちます。
使いかけの分は、皮ごと切って冷凍する方が現実的です。すりおろして小分けにして冷凍すれば半年使えます。乾燥させて保存する場合は薄切りにして三日ほど天日で干し、密閉容器に入れます。
| 用途 | 保存方法 | 持つ期間 |
|---|---|---|
| 翌年の種にする | 洗わず新聞紙に包み13度以上 | 翌年の春まで |
| すぐ使う | そのまま室温の暗所 | 2〜3週間 |
| 長く使う | すりおろして小分け冷凍 | 半年ほど |
| 乾燥させる | 薄切りにして3日天日干し | 1年ほど |
種しょうがを翌年に残す
掘り上げたしょうがの一部を、翌年の種として残せます。買う手間と費用が省け、その畑の環境に合った株が続きます。ただし病気を持ち越す危険もあるので、腐敗の出た畝の株は種に回しません。
残す分は、傷がなく硬く締まった大きな塊を選びます。一株から拳ほどの塊を二つ三つ取り分け、洗わず新聞紙に包んで十三度以上の場所に置きます。春に芽の点がふくらんでいれば使えます。
- 健全な株から選ぶ
- 掘ったその日に、傷や変色のない塊を選んで別のかごに入れます。あとから選ぼうとすると食べる分と混ざります。
- 洗わずに包む
- 土を手で払っただけの状態で新聞紙に包み、段ボールに入れます。水で洗うと表面から腐りが入ります。
- 春に芽を確かめる
- 四月に包みを開き、表面の芽の点がふくらんでいるかを見ます。しなびて軽いものは使わず、買い足します。
根茎腐敗病が一株でも出た畝の株は、見た目が良くても種に回しません。翌年その菌ごと植えることになります。
採り遅れと保存の失敗を直す
霜に当ててしまった株は、貯蔵には回せません。表面が半透明になり、押すと水が出るものは傷んでいます。傷んだ部分を切り落とし、残った健全な部分をその週のうちに使い切るか、すりおろして冷凍します。
貯蔵中に表面が黒ずんだものは低温障害です。置き場所の温度が十度を切っていたことが原因なので、残りを暖かい場所へ移します。白いカビが出た場合は湿りすぎなので、新聞紙を替えて風通しを良くします。
| 状態 | 原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 表面が半透明で水っぽい | 霜に当てた | 傷んだ部分を切り、すぐ使い切る |
| 黒ずんで柔らかい | 低温障害 | 13度以上の場所へ移す |
| 白いカビ | 湿りすぎ | 新聞紙を替え風通しを良くする |
| しなびて軽い | 乾燥しすぎ | 湿らせた新聞紙で包み直す |
翌年の種にする分は、傷や変色のない大きな塊を選んで別に取り分けておきます。食べる分と混ぜると良いものから消えます。
しょうがの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
しょうがの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしょうがの育て方にまとめています。
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