半年かけて一度だけ収穫する
しょうがは春に植えて秋に掘るまで半年かかります。途中で採れるのは夏の葉しょうがだけで、根しょうがは霜が降りる前の一度きりです。長い分だけ手を抜ける時期もあり、真夏は水やりと敷きわらだけで過ごせます。
作業が集中するのは植え付けの五月と、追肥(育ちの途中で足す肥料)と土寄せの六月から七月、掘り上げの十月です。この三つの山を押さえておけば、残りの月は見回るだけで足ります。
| 作型 | 植え付け | 収穫 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 葉しょうが | 4月下旬〜5月 | 7月〜8月 | 若い茎ごと採る。株を間引く形で |
| 根しょうが | 4月下旬〜5月 | 10月〜11月上旬 | 霜の前に掘り切る |
| 新しょうが | 4月下旬〜5月 | 9月 | みずみずしいうちに採る |
月別のやることカレンダー
関東平野の露地を目安にした一覧です。地温が十五度を超えてから植えるという一点さえ守れば、あとは月ごとの作業を追うだけで形になります。真夏の水切れと、秋の掘り遅れだけに気をつけます。
植えた日、発芽した日、掘った日の三つを毎年記録しておくと、翌年の計画がそのまま立ちます。同じ畑でも日当たりと水はけで二週間はずれます。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 3月 | 畝の準備、たい肥と元肥 | 水はけの良い土を作る |
| 4月下旬 | マルチで地温を上げる | 発芽を早める |
| 5月 | 種しょうがの植え付け | 地温15度を確かめてから |
| 6月 | 発芽、敷きわら、一回目の追肥と土寄せ | 乾燥を防いで初期を伸ばす |
| 7月 | 二回目の追肥と土寄せ、葉しょうが収穫 | 根茎の数を増やす |
| 8月 | 水やり、日よけ | 止まらせない |
| 9月 | 新しょうが収穫、緑化防止の土寄せ | 肥大の仕上げ |
| 10月 | 根しょうが収穫、種しょうがの選別 | 霜の前に掘り切る |
| 11月 | 貯蔵、畑の片付け | 翌年の種を守る |
六月と七月が働きどき
芽が出そろう六月から七月が、その年の出来を決める二か月です。敷きわらを入れ、二回の追肥と土寄せを済ませ、梅雨明けの乾燥に備えます。ここを外すと秋にいくら手をかけても根茎は太りません。
作業はどれも一株あたり一分で終わります。まとめてやろうとすると先送りになるので、水やりのついでに数株ずつ進めるのが続けるこつです。
- 六月に敷きわら
- 芽が十センチ伸びたら畝全体に五センチの厚さで敷きます。地温の上がりすぎと乾燥を同時に防げます。
- 六月下旬と七月下旬に追肥
- 株から十五センチ離して化成肥料をひと握りの半分ほどまき、土と混ぜながら株元へ寄せます。
- 梅雨明け前に水の段取り
- 真夏は朝の水やりが要ります。ホースが届くか、じょうろを置く場所があるかを先に確かめます。
十月の掘り上げが最後の山
しょうがは霜に当たると根茎が傷み、貯蔵がきかなくなります。関東なら十月下旬から十一月上旬の初霜前に掘り切ります。天気予報で最低気温が五度を下回る日が見えたら、その前の晴れた日に作業日を決めます。
掘る日は晴れが二日続いたあとを選びます。土が湿っていると根茎に土が固くこびりつき、洗うときに皮を傷めます。傷は貯蔵中の腐敗の入り口になります。
| 時期 | 気温の目安 | すること |
|---|---|---|
| 10月上旬 | 最低15度前後 | 葉の色を見ながら待つ |
| 10月下旬 | 最低10度を切る | 掘り上げの日を決める |
| 11月上旬 | 初霜 | この前に掘り切る |
作業が遅れたときの立て直し
半年の栽培では、どこかの作業が抜けることがあります。抜けた作業によって取り返せるものとそうでないものがあるので、今どこまで来ているかを見て、残りの月でできることに絞ります。
植え付けの遅れだけは取り返せません。六月下旬を過ぎて植えた株は根しょうがまで太らないので、葉しょうがとして夏に採り切る計画に切り替えます。それ以外の遅れはたいてい追いつきます。
| 場面 | 起きること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 植え付けが6月にずれた | 根しょうがが太らない | 葉しょうがと新しょうがで採り切る |
| 敷きわらを忘れた | 夏に生育が止まる | 気づいた日に敷き、朝の水やりを増やす |
| 追肥を一回抜かした | 秋の肥大が弱い | 8月上旬までなら一度だけ施す |
| 土寄せを忘れた | 根茎が緑色になる | 9月でも土を寄せて日を遮る |
八月下旬以降の追肥は葉ばかり茂って根茎が太りません。遅れに気づいても足さない判断が要ります。
地域でずれる時期の目安
上の表は関東平野の露地が基準です。暖地は植え付けが二週間早く、収穫も十一月中旬まで延ばせます。寒冷地は地温が上がるのが遅く、初霜も早いので、生育期間が二か月ほど短くなります。
寒冷地でしょうがを作るなら、黒マルチで地温を上げ、葉しょうがと新しょうがを主にするのが現実的です。根しょうがを大きくするには夏の暑さの積み重ねが要ります。
| 地域 | 植え付け | 収穫 |
|---|---|---|
| 暖地(九州・四国南部) | 4月中旬〜5月上旬 | 10月〜11月中旬 |
| 中間地(関東・近畿) | 4月下旬〜5月中旬 | 10月〜11月上旬 |
| 寒冷地(東北・北海道) | 5月下旬〜6月上旬 | 9月下旬〜10月中旬 |
寒冷地は掘り上げが早い分だけ根茎が小さくなります。葉しょうがと新しょうがで楽しむ作型が向きます。
しょうがの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
しょうがの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしょうがの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。