症状から原因を絞る
しょうがは虫の害が少ない代わりに、土の中の病気が一度出ると畑に残ります。葉が黄色くなって株が倒れる症状はほとんどが根茎腐敗病で、乾燥による枯れ込みとは進み方が違います。まず症状で切り分けます。
乾燥は葉先から少しずつ茶色くなり、水をやれば止まります。病気は下葉から黄色くなって数日で株全体が倒れ、株元を掘ると根茎が水っぽく崩れて酸っぱい匂いがします。この匂いが決め手です。
| 症状 | 考えられる原因 | その場ですること |
|---|---|---|
| 下葉から黄色く倒れる | 根茎腐敗病 | 株ごと抜いて畑の外へ処分する |
| 葉先が茶色く枯れる | 乾燥 | 朝にたっぷり水を与え敷きわらを足す |
| 葉が白くかすれる | 強い日差し | 寒冷紗で日を弱める |
| 葉に細い食い跡 | アワノメイガの幼虫 | 茎を割って捕り、被害茎を切る |
根茎腐敗病は治せない
根茎腐敗病はしょうが栽培でいちばん怖い病気です。土の中の菌が根茎に入って腐らせ、いったん発病した株は薬でも戻せません。見つけたら周りに広げないことだけを考え、株ごと抜いて畑の外で処分します。
菌は水に乗って動くので、雨のあとに畝に水がたまる畑では一気に広がります。抜いたあとの穴には土を戻し、その周りへの水やりはしばらく控えます。作業に使った道具は水で洗って乾かします。
- 怪しい株を掘って確かめる
- 株元を軽く掘り、根茎を触ります。水っぽく崩れ、酸っぱい匂いがすれば発病と判断します。
- 株ごと抜いて処分
- 根茎を残さないように掘り取り、袋に入れて畑の外へ出します。畝の上に置いたままにしません。
- 周りの水を控える
- 抜いた場所を中心に一週間ほど水やりを控え、菌が水と一緒に隣の株へ動くのを止めます。雨が続く年は溝を切って水を逃がします。
腐った根茎を土に埋め戻すと、翌年その場所から必ず出ます。畑には残しません。
四年空けて水はけを作る
根茎腐敗病を防ぐ方法は、連作を避けることと水はけを良くすることの二つに尽きます。同じ場所へのしょうがは四年から五年空けます。みょうがやウコンも同じ仲間なので、これらを作った場所も避けます。
畝は周りより十センチ高くし、通路に水がたまらないようにします。粘土質の畑では、植え付け前にたい肥を一平方メートルあたり三キロほど入れて土を柔らかくすると、水が抜けるようになります。
- 植え場所を記録する
- 毎年どこに植えたかを畑の図に書き残します。記憶だけでは四年も五年も追えません。みょうがの場所も一緒に残します。
- 高畝にする
- 周りより十センチ高く畝を立てます。雨のあとに通路の水位を見て、足りなければさらに上げます。
- 健全な種を選ぶ
- 傷や変色のない種しょうがだけを植えます。安い傷物は病気を持ち込む危険があります。
虫の害は多くない
しょうがは辛み成分のおかげで虫がつきにくい作物です。まれに茎の中にアワノメイガの幼虫が入り、茎が折れることがあります。数が少ないので、折れた茎を割って幼虫を捕れば済みます。
夏にハダニが葉裏につくと、葉が白くかすれます。乾燥が続くと増えるので、水やりと敷きわらで湿り気を保つのがそのまま予防になります。数が多ければ野菜用の殺虫剤を葉裏に届くようにかけます。
| 見た目 | 考えられる虫 | 対処 |
|---|---|---|
| 茎が折れて中に穴 | アワノメイガの幼虫 | 茎を割って捕り、被害茎を切る |
| 葉裏に細かい点と白いかすれ | ハダニ | 葉裏に水をかけ、多ければ薬剤 |
| 新芽に群がる小さな虫 | アブラムシ | 水で流すか捕殺する |
病気ではない生理障害
薬をかけても直らない症状の多くは、病気ではなく育て方から来る生理障害です。緑色になった根茎、割れた根茎、太らない根茎はどれも菌のせいではないので、翌年の作り方を変えることでしか防げません。
根茎が緑になるのは日に当たったからで、土寄せ(株元に土を寄せること)の不足が原因です。割れは乾いた土に急に大量の水が入ったときに出ます。どちらも食べられますが、貯蔵には向きません。
| 症状 | 原因 | 翌年への対策 |
|---|---|---|
| 根茎が緑色 | 日に当たった | 6月と7月に土を寄せる |
| 根茎が割れる | 乾湿の差が大きい | 敷きわらで湿り気を保つ |
| 小さいまま太らない | 日照不足か追肥不足 | 半日陰でも明るい場所を選ぶ |
貯蔵中に腐るときの直し方
掘り上げたあとの腐敗も多い失敗です。原因は掘るときの傷、洗ったあとの水気、そして十度を下回る低温の三つです。冷蔵庫に入れると低温障害で黒く変色し、そこから腐ります。しょうがは冷やしてはいけません。
貯蔵する分は洗わず、土を軽く払っただけで新聞紙に包みます。段ボールに入れ、十三度から十五度を保てる場所に置きます。月に一度は中を見て、柔らかくなった塊があれば取り出します。
- 傷をつけない
- 掘るときはくわを株から二十センチ離して入れます。傷ついた塊は貯蔵に回さず先に食べます。
- 洗わず乾かす
- 掘った日は半日陰で数時間おいて表面の水気を飛ばします。洗うのは食べる直前にし、貯蔵する分は土を払うだけにします。
- 十三度以上で保つ
- 冷蔵庫は使いません。発泡スチロールに入れて室内の暖かい場所へ置くと年を越せます。
貯蔵中に一つでも腐り始めたら、周りに移ります。見つけたその日に取り除きます。
しょうがの収穫までのコツは作物ページに
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